BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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津レディチャンTOPICS 初日

316年の死闘

「6R、メンバーの年齢がヤバいんですけどぉ」
 開会式で日高逸子ママが自虐的に?言い放ったが、その6Rは確かにヤバイ面々が出揃った。

6R
①日高逸子  61歳
②山川美由紀 56歳
③岸 恵子  50歳
④海野ゆかり 49歳
⑤岩崎芳美  50歳
⑥中里優子  50歳
――――――――――
計6選手   316歳

 企画レースなのかどうか、とにかくドリーム組の寺田千恵(54歳)を除いて最年長の6選手が一堂に会した。下世話な性格ゆえ、ついつい6人の年齢を合算してしまう。
 316歳。
 そう、6人が生まれてから今日まで生きてきた歳月(端数切捨)を縦につなぎ合わせると、実に316年に及ぶのだ。下世話な性格ゆえ、ついつい316年前の出来事をググッてしまう。
 1707年=宝栄4年/富士山大噴火
 江戸時代の真っただ中に、富士山が爆発していた時期らしい。この5年前の1702年には、かの有名な赤穂浪士の討ち入りが勃発している。

 いざ実戦。女子レース史上、もっとも年季の入った禁断の美魔女カードは、ほぼほぼ一騎討ちの死闘となった。その当事者は……
 日高逸子61歳vs山川美由紀56歳!!

 都合117歳の対決がどんだけ死闘だったかは、リプレイをご覧いただきたい。1マークでは山川がするり差し抜け、2マークでは差された日高が渾身の差しハンドルで逆転模様に。舳先をギリギリ突っ込んで2周1マークに向かったが、わずかな伸び足の差で振りほどかれた。こうして2艇でガッツンガッツンやり合っている間、50歳の岸恵子が虎視眈々と漁夫の利差しを狙い続けていたが、日本ボートレース史上に燦然と輝く女傑ふたりはついぞ後輩の引き波を浴びることはなかった。す、スゴすぎる。
――両雄のプライドがぶつかり合って発した火花は、富士山の噴火より激しかった。
 と日記には書いておこう(笑)。

独断パワー評価

 今日のところは、私なりにAランク以上と思える人機だけを列挙しておこう。

若狭奈美子60号機 S【出S・直S】

 7Rは三島第一席に恥じない、堂々のイン逃げ。スリットを過ぎてからの伸び返しが半端なく、ややターンマークを外した1マークも回って伸びて他艇を置き去りに。間違いなく全部の足がトップ級のバランス型だ。明日の若狭は超強敵相手の【11R5号艇】。60号機から穴を狙うなら、ここがラストチャンスかも?

★中村桃佳=66号機 A+【出S・行A】

 三島三席。とにもかくにも、2Rの1マークの出口!! 4カドのスリットから半端に覗いて少し絞め込んだが、まくりは無理とみて差しにシフトチェンジ。やや窮屈なハンドルになったはずなのに、回り終わった瞬間にチュドーーーーン!! お時間のある方は、あの20mくらいの噴きっぷりを堪能してくださいませ。でもって、あれだけ見ればもう【出S】は決定。展示タイムがやたらと遅いのが気にはなるけど、実戦を見る限りスリット近辺の行き足もゆうにAはありそうだ。選手の力量も込みでVの有力候補。

★犬童千秋=35号機 A【出A・直A】

 ↑その2Rで桃佳66号にブッ差されたとはいえ、3コースから桃佳を抑えきって伸びなり先制まくり。この一連の流れが、なかなかに力強く見えた。出足がAかどうかは微妙もストレートは間違いなく上位。忘れた頃にドカーーンの穴女でもあり、明日からの外枠でしっかり舟券に絡めておきたい。明日の犬童は【2R4号艇】。うむ。

★實森美祐=57号機 A【出A・直A】

 開幕1Rを見たファンなら、誰もが唸ったことだろう。逃げる前年度チャンプ香川素子を追って追って、あわや逆転かというレベルまで追いつめた鬼のターン足。正直、1Rの素子はんは完全に調整を外していた見え方(後半10Rは修正)だったが、それにしてもあの追撃足はサプライズ。素性は平凡な57号機だけに底力の有無は気になるが、去年(ファイナル1号艇で突出F)のリベンジに燃える乗り手とともに追っかける価値がありそうな足色ではある。

★藤原菜希=46号機 A【出B・直S】

 スリット近辺の破壊力は初日にしてトップ級。いや、おそらく前検トップ時計からケタチの伸び足だったか。46号機の素性は一息だから、菜希流の伸び調整がズバリ嵌ったのかも。なんにしてもスリットから出て行くので、明日からもマバタキ厳禁。隙あらば菜希本人または外選手の絡みを狙っておきたい。明日の【10R6号艇】もイケるかも??

★山川美由紀=58号機 A【出A・直A】

 前出、日高vs山川で書いたとおり、あの死闘はパワー面でもわずかに山川に分があったはず。某記者の情報によれば、レース後に負けず嫌いの逸子ママが「山川さんの方が出ていた」と何度も何度も言ったそうだが(笑)、実際にそうだったはず。直近の58号機は白井英治にしては珍しい伸び型、しかも節イチ級の伸び足を誇っていたが、女傑がしっかり手前に引き寄せてバランス型にしたようだ。明日からもしぶとい道中の足が見られることだろう。

★遠藤エミ=45号機 A【出A・直A】

 前検から悪い見え方ではなく「中堅上位くらい」と値踏みしていたら、前半4Rはそのレベルも怪しい3着。ところが、それから2時間半後の9Rではビシッとゾーンど真ん中に入れ込んで凄まじい2コース差しを炸裂させた。もちろん乗り手の力量も大きいけれど、ターン回りの迫力が明らかに4Rとはケタチ! 風が強まった中での上がりタイム1分50秒0も秀逸で、初日にして臨戦態勢=エミの場合はV態勢が整った、とお伝えしていいだろう。

★西橋奈未=73号機 A【出B・直S】

 前半4Rから非凡なストレート足を魅せていたが、活かしきれずに凡退。そのリベンジに燃えた10R1号艇で激痛の勇み足=2本持ちをやらかしてしまった。明日からは永井聖美ともどもスタートで究極の我慢を強いられる。ただ、足色は軽快そのものなので、常に道中くるくる回っての舟券ゾーン突入は警戒しておきたい。(photos/シギー中尾、text/畠山)