BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――猛暑の中で大急ぎ!

 2Rを逃げ切った落合直子は、これで後半に望みをつなぐことになった。2着勝負と楽な勝負駆けではないが、まずはほっと一安心というところだろう。そんな落合が、エンジン吊りを終えて控室へと戻る道すがら、思い切り顔をしかめた。勝ったのに!? 落合はそのとき、整備室の柱に掲げられている温度計を覗き込んだ。そのとき、示されていた気温は34・8℃(直後に確認しました)。落合はそれを見て、「うわっ、暑っ!」と顔をしかめたという次第なのでした。いやあ、今日も津のピットは猛暑! 午後になればさらに気温上昇だろうから、体温並みまで行くんだろうな……。

 写真は西橋奈未が温度計の数値をメモしている様子。かなり多くの選手がこうしてメモを取り、データとしているわけである。気温、湿度、気圧を書き込み、そのときのモーターの手応えと照らし合わせる。そうすることで、次に同じような気象状況になったとき、あるいはこの数値と現状を勘案しつつ、参考にするというわけである。今節の西橋のメモにはうんざりするような高い気温がたくさん書き込まれてるんだろうな……。

 そんななかでものんびりしているわけにはいかないレディースレーサーたち。その2Rでは日高逸子が2着だったのだが、エンジン吊りを終えると瞬く間にピットに戻ってきている。エンジン吊りに参加した福岡支部の後輩たちがまだ装着場に残っていたほど、あっという間にあらわれたのだ。Tシャツはレースで浴びた水で濡れたままで、つまりカポックと勝負服を脱ぎ、後半レースのカポックを受け取ったら即、自艇のもとに向かったということ。出走表を見ると、後半は6Rと中3レースしかない。4R発売中には6R組のスタート練習が行われるので、すぐにボートを下ろして係留所へとつけたかったのだろう。日高は濡れたTシャツの上にカポックを着ると、着水して係留所へ。レースの汗をぬぐう暇もなかったわけである。

 それは1Rを勝った岩崎芳美も同様。岩崎の後半は5Rで、同じく中3レースなのだ。しかも岩崎はウィナーインタビューに出演しなければならず、さらに時間の余裕がない。インタビューでは岩崎工務店社長が降臨していたわけだが(笑)、時間がないなかでしっかりファンサービスをするあたりはさすがであります。その分、インタビュー後は大急ぎしなくてはならなかった。すぐにボートを下ろして、3R発売中に行なわれる5R組のスタート練習の準備万端、なのだった。

 3Rを勝ったのは三浦永理。エンジン吊りを終えると、カポック脱ぎ場へ猛ダッシュ。もうおわかりですね。三浦の後半は7Rで、やはり中3レースなのだ。レース間隔が短いと本当に大変。三浦は速攻でウィナーインタビューのスタジオへと向かい、宇野弥生の姿を見かけると「やっちゃん、ありがとう!」と叫んで、スタジオへと駆けこんだのでありました。後半の勝負駆け、頑張って!

 で、三浦がダッシュでボートを離れたとき、三浦のボートの周辺での長嶋万記、宇野弥生、大瀧明日香の様子です。宇野が長嶋の鼻を人差し指でツン。これを数回繰り返した。出走表を見ながら話していたら、突如としてこのアクション。いったい何をしてるんでしょうか(笑)。長嶋は微動だにせずされるがままでした。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)