BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――始動

 大雑把な印象でしかないのだが、5日目の準優組の動き出しは女子戦のほうは早い傾向にあるように思う。SGだと、朝にボートを着水しているベスト18は1~2名なんてことが珍しくないのだが(全艇が陸にあったこともあったはず)、今日は序盤の時間帯から係留所に準優出場選手のネームプレートが散見されるわけである。
 どちらかというと、やはり外枠勢のほうが早めに動いているような気がする。2Rまでに係留所にボートがあった外枠勢では、魚谷香織、宇野弥生、日高逸子など。3R発売中には山川美由紀、寺田千恵も水面に降りていった。これまた大雑把に言って、準優で内枠に入る選手は仕上がりもいいわけで、そこまで急いで動き出す必要がないということは言えるだろう。

 もっとも、それはあくまでも傾向のひとつであって、2号艇の向井美鈴のボートはかなり早くから係留所にあった。試運転に出ていく場面は見られなかった(あるいは見逃した)が、早くも調整のピッチを上げているようである。

 さらに、3R発売中には平山智加もボートを降ろし、試運転を始めた。1号艇だろうがもちろん早く始動する選手もいて当然である。選手にはそれぞれスタイルがあるのであって、仕上がりうんぬんに関係なく早く動き出す選手もいれば、逆もいる。ただ、平山は予選前半戦ではやや弱気なコメントも聞かれていたので、万全のイン戦を戦うために多くの時間を費やそうという腹積もりもあるかもしれない。

 あと、外枠でも当然、ゆったりと過ごしている選手もいる。廣中智紗衣、喜井つかさ、小芦るり華のボートは3Rが終わってもまだ陸にあって、廣中と小芦のモーターにはプロペラも装着されたままだった。プロペラ調整もまだこれから、ということだ。廣中も小芦も成績はまとまっており、それなりの手応えを感じているというところか。慌てて動いたりせず、メンタルを整えていくのも立派な調整のうちである。

 ゆったりと過ごしているどころか、めちゃくちゃ多忙そうなのだが、ボートが陸にあったのが長嶋万記。ようするに、本体整備に取り組んでいたのだ。ドリーム1号艇で逃げ切ったあとはやや大きな着も獲ってしまいながら、18位でギリギリ準優行きには漕ぎつけた。ただ、準優出がゴールであるわけがないのだから、とことんもがくのが当然ではある。長嶋が6号艇ということは、すなわちそこまでの足色ということだから、パワーアップは必須。限られた時間ではあるが、とことんモーターと向き合って、午後になれば試運転で走りまくる姿も見られるだろう。

 1号艇組では、川野芽唯と渡邉優美はペラ調整に取り組んでいる。といっても、川野の場合はゲージを何種類も何種類も当てていて、それほど長い時間観察し続けたというわけではないが、ハンマーを手にすることはなかった。ひとまずプロペラのチェック、といったところだろうか。もちろん気になるところがあれば、叩いて調整ということになるだろうが、ようするにその場面は僕が見ている間はなかったということだ。

 それにしても、渡邉の表情が昨日まで以上に引き締まり、また力強くなっているように思えたのは気のせいか。たまたますれ違ったタイミングがあったのだが、渡邉のほうからおはようございますと挨拶してきた、その目つきが実に鋭かったのだ。今日の準優は絶対に落とせない、あるいはこれまでのこの大会の中で最もタイトルへのチャンスが大きくなったことへの、気合が横溢しているとしか思えない。そんな気配をビリビリと感じたのである。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)