BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――静かな2戦目朝

 トライアル2戦目の朝、クライマックス組に大きな動きは見られていない。高田ひかるが今日も整備をしていて、それが最も目立った動きか。トライアル初戦、持ち味の伸びはまだ引き出せなかったと言っていい。この舞台だからこそ、このままの状態では終われないわけで、短期決戦ともなればやはり本体にカツを入れる必要があるのだろう。

 エース機・香川素子のボートが整備室出入口の脇に置かれていて、まさか本体整備か、と訝しんでいたのだが、どうやらギアケース調整のようだった。初戦は悪くない手応えで、素性のいいモーターであることを考えれば、まさに万全を期すための外回り調整といったところだろう。むしろ余裕を感じさせる動きと言える。

 1R発売中には田口節子が試運転をしていた。切り上げたあともボートは係留所につけていたから、今日はペラ調整とともにまだまだ乗り込むつもりだろう。係留所にはほかに寺田千恵、守屋美穂のボートもあって、ペラ室に彼女たちの姿はあったから、調整に一区切りがつけばすぐにでも水面に飛び出していくものと思われる。

 他のクライマックス組もおおむねペラ調整に励んでいる、というのが2戦目の朝だ。初戦4着、2戦目はまたしても5号艇になってしまった細川裕子も懸命なペラ調整。昨年のクイーンズクライマックスはオール4号艇だった細川は、今年は連続で5号艇。一昨年は初戦4号艇だったが2戦目3戦目は枠番抽選で3号艇を引いた。同じ枠番を引いてしまうのはなぜ? しかも年々、外にシフトしているし。というのはともかく、枠はどうであれ今日は巻き返したい一戦。調整にも熱が入ろうというものだ。

 シリーズ。2Rで小芦るり華が必殺の3コースまくり! それでもボーダーに届かなかったわけだが、しかし会心の一撃だっただろう。ピットに戻ると笑顔が弾け、日高逸子大先輩も祝福! グレートマザーに称えられるのだから、何よりの喜びですね!

 ところで、上の写真、ちょっと不思議なことになってますよね。白い勝負服を着てるのに、艇旗は黄色で艇番も5。これは1R後の片岡恵理で、後半は6Rと間隔があまりない。ということで、レース後にいったんボートを上げ、もろもろの点検を受けるとすぐに着水。片岡は控室に戻らず、もちろん着替えもしないまま、ボートを係留所に動かしたというわけなのだった。少しでも長く調整の時間を確保しようということでしょうね。こういうの見ると、応援したくなるよなあ。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)