津のピットが新しくなってる! もともとは観覧席の並びにあったものが、2マーク奥に新設されているのだ。そういえば、去年のレディースチャンピオンに来たときに工事してたもんなあ。以前のピットは24場のなかでもかなり狭いほうだったのだが、新しいピットは広大! ざっくり言えば、水面の幅いっぱいに装着場が広がっていて、オフィシャルwebのレイアウト図によればざっと150mはある。芦屋のピットに近い造りだが、芦屋はいちばん奥が整備室などの建屋があるので、津のほうが広いという印象だ。端っこから眺めても、いちばん奥で作業している人影が誰かわかりません!(実は視力が弱いんですけど)えっちらおっちらと歩いていったら、毒島誠でした。SGで見慣れた選手なのに、視認し切れないとは。
で、実はまだ工事は続いており、選手控室などが入る建屋が建設中。ということで、控室やカポック脱ぎ場は以前の競技棟をそのまま使用しており、これがまた遠い! 今日だと前検航走を終え、エンジン吊りも済まして控室に戻るとなると、けっこうな距離を歩くことになる。さらにモーター格納のためピットに戻ってくるとなると、なかなか時間もかかるという次第なのである。ということもあってか、ドリーム組1班の前検航走が終わった後、茅原悠紀は控室にダッシュ!
ちなみに、取材を終えて記者席に戻ろうとピットを出ようとすると、ちょうど作業を終えた磯部誠が控室へ戻ろうとするタイミングと重なった。肩を並べて話をしながら歩き、選手控室前で別れたのだが、なかなか長い道すがらであり、けっこうしっかり会話ができたのでありました。何を話したかって?「クロちゃん、今節はどこで呑むの?」「津の駅前」「行きつけあるんだ」「何軒かあって、昨日はさっそく立ち呑みの串揚げ屋」「へぇ~、いいなぁ」などでありました(笑)。僕と磯部はサッポロ赤星党という共通点があり、ピットで時々話したりするんです。選手は節に入ると呑めないわけで、仕方ない、今節は磯部の分も呑むとしますか! えっ、取材しろよって? ドリーム会見で「とにかく重い」と首を捻っていたのをしっかり聞いてましたから、はい。
整備室も広くなっていて、また装着場側の窓も大きいので、中の様子が確認しやすいのであった。峰竜太がリードバルブの調整をしていて、今回はセット交換しないのかな? ドリーム会見では「いい部品があれば」とは言っていたが、初下ろしから半年以上経っている津のモーター、グラチャンの尼崎やオールスターの多摩川とはちょっと事情は違っている。もともと整備力は悪くないから、まずは外回りから仕上げていこうということだろうか。
大きな作業をしていたのは羽野直也。いきなり本体を割っていたのだ。どうやらセット交換に着手した模様である。尼崎グラチャンでも初日(前検日)に羽野は行なっていて、予選前半は成績も悪くなかった。その再現を狙ってと言うところもあるのだろう。明日の気配には注意が必要でしょうね。
さて、同郷だからえこひいきしちゃうぞ、の金児隆太。三島敬一郎の第4席モーターをゲットして、期待が高まるわけです! 出足がいいっぽいよ、と三島の評価を伝えると、少し考えこんだのち、なるほどとばかりにうなずいた。その片鱗を試運転で感じていたか? もっとも今日は水面がポチャついていて、はっきりした感触を得るのが難しいというコメントが何人かの選手から聞かれた。明日乗ってみて、というところはあるだろう。
あと、追加参戦の島村隆幸は午後3時くらいにピットにあらわれた。急遽で大変でしたね、と声を掛けたら「急遽過ぎますよ」と苦笑い。今日の朝に追加を聞かされたわけですからね(笑)。それからは多くの選手が島村に声を掛け、ねぎらう。茅原は「思ったより早く着いたんじゃない?」と速攻でやって来た島村をほめていた。
かと思ったら、太田和美がニヤつきながら「遅刻だろう!」となぜか責める責める(笑)。島村は笑って受け流していたので、もちろんジョークだというのはわかっている。なにより、たった一人で行なった前検航走が終わると、同地区でもないのにエンジン吊りに参加し、実は最もねぎらっていたのが太田だったという。ちなみに、島村は三島第7席を手にしています。ようするに残り福だったということですね。大急ぎで津に駆けつけた甲斐がありますよう。(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)