
検査員室のホワイトボードに、部品交換が記されているのである。誰がどんな整備をしたか一目でわかるので、実にありがたい限りなのだが、そこに「下出卓矢 セット交換」の旨が記されていたのである。下出といえば、三島敬一郎が注目モーターの一番手にあげていたモーターで、初日は1号艇2着とはいえ、悪くない雰囲気だった。三島の評価文言は「セット交換が効いて直線系の力強さが爆上がり」。それをまたセット交換!? 実際は、それで試運転したら上積みがなかったので元に戻す、という可能性があるので、直前情報はしっかりチェックしてほしいわけだが、下出が整備によってさらに直線を引き出すことに成功したのか、5Rが楽しみではある。

そのホワイトボードによれば、菊地孝平もセット交換の旨、記載があった。7Rを走ったあとに交換する予定、ということかもしれないので(下出と違って赤マグネットが添えられていた)、直線情報はやはりチェックしてほしいが、菊地の22号機といえば津のエース機と評判のモーターである。三島の評価は足落ちがあるのではないかというものだったので、菊地は初日のレースでそれを感じた? ひとまず、序盤の時間帯はペラ調整に専念しており、かなり集中力が高まってゾーンに入ったような状態。雰囲気からすれば、エース機の実感を得ていないのは間違いなさそうだ。

そのホワイトボートを見るまでもなく、整備室では本体整備があちこちで行なわれていた。中島孝平はボードに記載はなかったものの、バラバラに分解していたので何かの交換があるかも。今日は11R1回乗りと時間があるので、点検だけという可能性もありそう。

吉川元浩は、1R発売中に試運転からあがってきてモーターを外すと、本体を分解。クランクシャフトを取り出していたので、大整備の可能性がありそうだ。モーターの背骨とも言われる部品の交換となりそうで、整備士さんたちも何人か集まってきて、その様子を見守っていた。

中島と同様に11R1回乗りの深谷知博も本体をバラしていて、おそらくクランクシャフトの高さ調整。ただ、部品の交換も考えているようで、やっぱり直前情報は要チェック。時間があるので、いったん交換して試運転して、やっぱり元に戻す、という可能性もあるからだ。
というわけで、リアルタイムで舟券楽しまれる方はぜひとも直前情報は確認してください!

さて、1Rで豊田健士郎が逃げ切り。地元甲子園で、嬉しい勝利をゲットした。やはり地元ビッグでの勝利は格別なのだろう、ヘルメットを脱ぐや笑顔がこぼれた。上條暢嵩ら世代が近い面々も次々に声をかけて、豊田の勝利を祝った。上條は「トヨケン」と呼んでましたね。初めて聞きました、トヨケン。これから僕もそう呼ばせてもらおうかな(笑)。(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)