日の暮れるころにピットに行ってみよう、とか書いたけど、8Rが終わってもまだ太陽は西の空に顔を出しているのでありました。大村、日が長い! 東京に住んでいるとまるで感覚が狂いますね。それはともかく、優出組もまさか9Rが終わってから動くというわけにはいかないわけで、6Rあたりから優勝戦の気象を想定しながら調整に精を出し始めたようだ。9R発売中にピットに入ったのだが、菊地孝平が寒暖計を見ながらメモを取るシーンも。こまめに気温や湿度、気圧をチェックしながら、この条件での感触はウンヌンと、今後にも活かしていくデータを残しているわけだ。
9R発売中、ペラ室に優出組が大集合している瞬間もあった。前半の時間帯は気合を漂わせていた茅原悠紀が、おそらく峰竜太と談笑しながらの微調整に入っていて、足もメンタルも仕上がりつつある様子。
逆に、山口剛からは笑顔が見られなくなっており、もちろん緊張も高まってきているだろうし、絶対に逃げるのだという気合も高まっているように感じられる。
9Rが終わり、それぞれがエンジン吊りに参加。その後、優出組が次々と係留所へと下りていった。10R発売中に優勝戦のスタート特訓があるのだ。今節のご挨拶かたがた平本真之と話していると、係留所へと向かう磯部誠が通りかかった。平本は「よしっ、行ってこい!」と磯部に激励のゲキ。すると磯部は涼しい顔をしながら「特訓だけ遊んでくるかぁっ!」と係留所への渡り橋を下りていくのだった。まさか、前付けなのか!?
優出インタビューでは「お礼参りします」と言った磯部。2日目、磯部1号艇、山口6号艇の組み合わせがあり(8R)、山口が前付けに動いているのだが、艇番が逆になった優勝戦、そのときのお礼参りをする、という意味にとれる発言なのである。何しろ、10Rの展示から帰ってきて、工具バッグなどを片づけるため特訓を見られなかった石野貴之が、「枠なりでした?」と聞いてきたのである。もしかして磯部が動くかも……というのは多くの人の頭にあったわけだ。
はい、枠なりでした、2本とも(笑)。平本に投げた言葉は磯部流のジョーク。大事なスタート特訓で、本番でやる意思のないことはしないのは当然。冗談かましつつ、気合が入っていると見た!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)