BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――前検から調整ピッチ上がる!

 推薦枠でドリーム戦6号艇に選ばれたのは、地元の片岡雅裕。彼が引き当てた9号機は、前節=お盆開催の優勝モーターだ。優勝した選手は、片岡雅裕。そう、片岡は前節で自分が乗って優勝したモーターを、今節もう一度引き当ててしまった! これはなかなかのレアケースである。
 前節、片岡は一般戦とはいえ優勝するまでにこのモーターを仕上げたのである。その状態のまま、改めて片岡は同じモーターを受け取った。これは大きなアドバンテージ! と思いきや、なんと早くもキャリアボデーを交換したそうである。ターン回りを良好に仕上げて優勝を手にしたわけだが、そのときすでに、もしメモリアルでこのモーターを引いたら整備が必要だと感じていたという。一般戦は勝ててもSGでは苦しいと見立てていたのだ。ただし、それを考えてもやはり、これはアドバンテージ。一から調整するのではなく、優勝しながら仕上げた、その続きを行なうことができるわけだから。さあ、明日から片岡はどんなSG仕様に仕上げていくのか、気配の変遷に注目しよう。

 ドリーム組では、峰竜太がかなり厳しそうである。会見にやや不機嫌そうにあらわれて、いつもと違うと感じたのだが、それもそのはず、口をつくのはネガティブな言葉ばかり。そこまで出ていないように見えるのに「出ている」とラッパを吹く傾向のある峰が、ひたすら「良くない」と繰り返すのだから、よほどの凡機ということか。全部交換します、と会見で宣言したように、その会見後は早くもモーターをバラして整備を始めている。これがどう変化をもたらすかだが、「これでダメなら諦める」とやや冗談めかしてだが口にしているだけに、峰のなかには焦燥感が生じているようだ。

 早くもプロペラを強烈に叩いていたのは魚谷智之だ。特訓前の試運転で何かを感じたのだろう、いったん調整所に上がってきてガンガンガン。かなり力を込めて叩いており、魚谷のスタイルには合っていないプロペラなのであろうと想像された。特訓の後も同様。明日は5R6号艇に登場だが、それまでにも調整は続くのであろう。

 一方、ソフトタッチの調整だったのは齊藤仁。三島敬一郎が三番手にあげているモーターで、畠山は伸びを評価している。ということは、早くも微調整の段階ということか。その調整自体も早めに切り上げ、帰宿の準備を始めていた。その様子からは、悪くない手応えを得たように思えるのだがどうか。明日は魚谷と同じ5Rに登場。3号艇だからおそらくはセンター戦、その足色に注目してみたい。

 三島が二番手にあげた38号機を引いたのは西山貴浩だ。なんか雰囲気が違うんだよなあ。いいモーター引いたね、と問いかけると、そうらしいっすねと静かに返してくる。評判のモーターを手にしたからといって、まるで調子づくような雰囲気がないのはなんだか西山らしくない(笑)。さらに、気合入れていきますよ! そう力強く叫んで、本当に気合満点の表情になったのだから、今節の西山は本来の勝負師スイッチを全開にしてくるかも。賞金ランクは15位で、ここはたしかに勝負どころ。グランプリへの登頂ルートを一気に切り拓くためにも大事な一節である。

 ところで、今節唯一のSG初出場である佐藤隆太郎は、初日にいきなり1号艇が回ってくることになった。2R1回乗りで、初陣が1号艇なのである。いきなり水神祭チャンス! ということで、JLCのインタビューに呼ばれてブースに向かう佐藤に激励の言葉を送ると、キュキュッと頬が引き締まって、頑張りますと力強く言うのだった。おそらくは緊張もするだろうが、過去1年の1コース1着率は約84%! 信頼度抜群なのだ。前付けもありそうなレースだが、自分を信じて逃げるのみ!

 さてさて、この時期、屋外での仕事をされる方がよく着用している、電動ファン付きのベスト、ご存じでしょうか。●ークマンなどで売っているようですが、これを着用している選手が増えているのである(乗艇時は着てません)。最初に見たのは平本真之だったと記憶する。それが、大村のオーシャンで湯川浩司も着ていて、今節も湯川は着用。よく見ると、吉川元浩や森高一真も着ているんですね。一見、厚着をしているようにも見えるのですが、やはりファンが服の中に風を送ってくれているんでしょう。私は着たことがないけど。熱中症対策を考えればこれもアリ! 選手もファンも熱中症に気を付けて、一節を乗り切りましょう!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)