
グランプリの5日目は4日目同様に、序盤の時間帯は静かなものだったが、こちらは少々動きが見られる。考えてみれば、グランプリは1st組も2nd組も前検日を含めれば調整を始めて6日目。一方、こちらのトライアル組はまだ4日目である。その時点で大勝負が控えているわけだから、さらに調整のピッチが上がる選手がいるのは自然なことかも。
たとえば、藤原菜希が本体整備。第2戦はチルト1・5度に跳ねて6コースから勝負に出たが、今日は2号艇。2コースが見込まれるのなら、やはり仕上げの転換が必要となってくるというものだろう。そのうえでパワーアップが必須とあらば、本体を割るというのもなるほどという気がする。

平高奈菜も本体を割ったようだ。整備室を覗き込んだときにはギヤケースを手にしていたが、ボートにモーターを乗せてはいなかったので、本体にも触ったと推測される(ギヤケース調整だけなら先にモーターを乗せるのが普通)。勝負駆けの今日は6号艇である。何もせずに臨むというわけにはいくまい。

渡邉優美は早々にボートを下ろして、試運転を行なっていた。第2戦の2マークはとにかく凄かった。しかし、渡邉としては体感がかなり悪いそうで、今日も同じ1号艇ではあるが、解消して万全で臨みたいところ。その後ボートを陸に上げて電気一式の部分を外していたので、交換があるかも。まあ、さすがに昨日の逆転勝ちは爽快だったようで、表情も明るかった。「体感がかなり悪いんですよ~」とこちらに語りかけるときも笑みを浮かべていて、悲観的な雰囲気は皆無だった。

平山智加は、思案しているような雰囲気を見せている。得点的には余裕があるポジションだが、優出がゴールではないだけに、今日の5号艇での戦いは大事になってくる。まして連勝の1号艇・遠藤エミと対峙するのだから、一矢報いることがそのまま優勝戦の枠取りにも影響してくるのだ。そんな平山には岩崎芳美が寄り添う。支部は香川と徳島だが、岩崎は四国全体の精神的支柱のようにもなっていて、平高が何かを相談しているような様子も目にしている。岩崎からの助言が平山の目を見開かせるものになるのか。とにかく、平山が単に優出することを目指しているとはとても思えない。

で、遠藤エミは今日もほとんど何もしていないのである。やはりプロペラは装着されたままで、エンジン吊りでしか姿を見なかった。遠藤の性分からすれば叩きたい気持ちもあると想像されるが、ここはあえて何もしないことが調整ということかもしれない。雰囲気だけ見ると、このまま突っ走りそうな気もするわけだが果たして。

シリーズ組では刑部亜里紗が本体整備。足は悪くないように見えたのだが、なにしろ1号艇は守屋美穂なだけに、さらにパンチをつけたいということなのか。

平田さやかも本体を割っている。平田も足色的には問題ないように見えているが、準優だけに勝負整備を施してということだろうか。

予選トップ通過の勝浦真帆は自然体で過ごしているようにも見える。笑顔も多く見られ、また取材にも丁寧に応じているのを見かけている。初優勝だった10月の蒲郡は予選2位だった。トップで改めて緊張感も高まるのかとも想像したが、今のところはそうでもないようだ。もちろん、緊張を抑えるためにあえて笑うという可能性もなくはないが。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)