BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――祝福する先輩

 今日の後半戦は水神祭から始まった。既報のとおり、土屋智則、岡村仁がSG初1着。土屋は6Rだったが、実は水神祭が始まったのは、7R締切5分前くらいのタイミングだったので、感覚的には後半なのだ。

 

 

 

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 土屋の勝利については、江口晃生が嬉しそうに笑っていたのが印象的だった。上州の重鎮として、また新たなSG戦士が後輩から登場したことは、やはり感慨深いものだろう。毒島誠がMB記念を制した際、現場にいることはかなわなかったが、離れた地で我がことのように喜んでいたという証言がある。心優しい名人が、明らかに群馬勢の精神的支柱になっていると思わされるわけである。土屋の水神祭には、名人、MB記念覇者、昨年のMVPが揃うという豪華なものになっているわけだが、みな名人の薫陶を受けつつ、強くなっていったのだろう。

 

 

 

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 豪華といえば、やっぱり岡村の水神祭ですわな。王者、ミスター賞金王、快速王子、ミスターダービーらが祝福する水神祭。怪物くんがいたら、もっとすごいぞ。大阪支部の若手は幸せである。SGの舞台に辿り着き、1着を獲れば、スーパースター軍団が祝ってくれるのだ。1着ゴールを決めて岡村がピットに戻ったとき、松井が田中と楽しそうに言葉を交わしていた。松井も田中も大笑い。当然、そばにいる岡村も大笑いだ。憧れの先輩とともに笑えるSG初1着。やっぱり幸せだよなあ。

 

 

 

 

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 ということで、「次はマーくんの番!」と片岡雅裕を激励。片岡は顔をくしゃくしゃにして笑いながら「マーくん……」と絶句していたが、「艇界のマーくんがいいです」と言ったのはあなた自身ですよ。ま、畠山が「片チン」とか書きまくってたから、それよりはマーくんで、ということなのかもしれないけど。そのマーくんは、初戦3着。SGデビューとしては、上々である。レース後には試運転を行ない、それを終えたあとはジックリ時間をかけて丁寧にボートを磨いていたが、これはマーくんのルーティン。SGでも浮足立たずに、マイペースに過ごせているのは好感だ。きっと今節中にも水神祭を見せてくれるだろう。そのときには、コワモテの森高先輩が最高の笑顔を見せてくれるはずですよ。

 

 

 

 

 

 

さて、午後のピットは寒かったな~。冷たい風がびゅんびゅんとピットに吹き込み、誰もが「寒い寒い」と口にしていた。賞金王が思いやられますな~と、毎年味わっている住之江の寒さにも思いが至ってしまう。例年のチャレンジカップって、こんなに寒かったっけ?

 ただ、今日の寒さはとにかく風の冷たさが最大の原因で、10R以降は安定板が装着されるほどに吹き荒れた。ドリーム戦の頃には穏やかになってはいたが、強いときには水面が激しく波立つほどの風ではあったのだ。そう、安定板。選手は大変そうだったぞ。一日かけて仕上げてきたものが、安定板をつけることによって微妙にズレることが多々あるからだ。

 

 

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 というわけで、新田雄史、毒島誠はペラ調整所でギリギリまで木槌を振るった。ちょうど向かい合うような位置関係になっていて、しかしお互いのことは視界に入っていないかのように、ペラに鋭い視線を向けていた。結局、新田も毒島も、展示ピットにボートを移動させるのが通常より遅いタイミングになっている。松井繁もかなり粘っていたようだったぞ。新田と毒島を眺めていたが、その脇を一陣の風が通り過ぎて、それがピットに駆けて行く王者だった。3人とも結果は出なかったけれども、もろもろの条件を考えれば、度外視していいかも!?

 

 

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 風はまったく関係ないけど、新田と毒島を眺めていたら、馬場貴也が本体整備をしているのが目に入った。今日は2着だったから、上々の気配じゃないのかなあ、と思ったりもしたが、着順と本人の感触は比例するとは限らない。さらなる上積みを求めての、遅い時間帯までの整備だっただろう。

 その隣では、長田頼宗も整備中。こちらは5着とやや大きな着順だったから、パワーアップの必要性をおおいに感じ取っただろうか。あ、馬場と長田って同レースを走っていましたね。結果は対照的だったが、その後は並んで本体と向き合ったわけだ……って、この二人、93期の同期生じゃないか! 二人はMB記念にも出ていたから、ツーショットはすでに見ていたはずだが、残念ながらSGでは決して大きな勢力とは言えない93期勢、よくよく考えれば、けっこう貴重な構図である。そして、今後ますます、こうした機会が増えることを願う。後輩からはすでにSGウイナーも出ている。馬場も長田も頑張れ!(PHOTO/中尾茂幸 黒須田=片岡、馬場、長田 TEXT/黒須田)