新鋭王座決定戦もそうだったのだが、若い選手がハツラツと、イキイキと大挙集まる姿というのは、やはり気持ちがいい。オッサン臭い言い方ですか? でも事実だから仕方がない。艇界トップスターが風格を漂わせてあらわれるのも素敵だが、若者が次々にやって来る様子は本当に爽快なのだ。
一番乗りは佐藤翼。地元の最若手だから、まあ当然の一番乗りだ。「もっと早く来ようと思ってたんですけどね~。よかった、一番乗りで」。実はこの数分後に桐生順平があらわれているので、ギリギリの一番乗りだったのだ。優勝戦も一番乗りで! そう煽ったら、苦笑しつつ「今回はほんと、頑張りますから!」とさわやかに笑った。うーん。気持ちがいい。
おっと、爽やかカップルが登場だ。中田竜太と浜田亜理沙。埼玉の誇る美男美女カップル。浜田も事故点なければ、出場を十分狙える選手ですよね。夫婦参戦、見たかった。来年こそは揃って出場を!
ちょっと待て。ちゃーんと夫婦で参戦する強豪カップルがいるではないか。山口達也と守屋美穂。岡山の誇る次世代エースカップル。昨日前夜祭が行なわれた関係なのか、別々にレース場入りしてました。というわけで、ツーショットはお預け。今節中に何度も見かける機会があるだろう。
それにしても、ヤングダービーである。新たな枠組みで行なわれる“若武者最強決定戦”。1年も前に発表されたのだから、もちろんどんなレースかはよくわかっているが、しかしどんな戦いになるかは見てみなければわからない。実際、選手の入り風景を眺めつつ、「ああ、これがヤングダービーなんだなあ」と感慨を覚えたものである。
まず、この男が帰ってくるのはよくわかっていたし、今節の目玉の一人である。峰竜太をはじめ、篠崎元志&仁志、新田雄史、桐生順平といった“新鋭卒業組でSG常連”が登場するのが、ヤングダービーの大きな特徴である。
とはいえ、この人たちには毎度毎度、SGのピットで顔を合わせているから、「今節もよろしく~」てな感じではある(元志は久しぶりだが!)
この人ももはやSG常連と言っていいでしょう。エンターテイナー・ニッシーニャ。メディア関係者に向かって「ども~どもどもども~」と一声かけただけでニッシーニャ・ワールドが出来上がるのだからたいしたものだ。
新鋭卒業組の一人、稲田浩二には「ヤングじゃない人がなんでいるんですか! 頭はヤングみたいだけど!」と突っ込んで、また爆笑を呼ぶ。イナダッシュは困ったように笑ってました。
そう、SG常連ではないけれども、かつて新鋭王座で顔を合わせた新鋭卒業組が久々に若武者バトルに殴り込んでくるのがヤングダービーのひとつの醍醐味となるだろうか。渡邊雄一郎は90期ですよ! 宇野弥生とともに今節もっともキャリアを積んだ選手として、ここにやって来た。16歳デビューだから、デビュー10年以上でも出場資格があるわけだ。
「今節はたくさん写真撮ってください! BOATBoyで使ってもらってる写真、古すぎますよね~」
この人は09年びわこ新鋭王座で卒業。5年半前! 明らかにたくましさを増した表情を見れば、そりゃびわこの写真は古すぎるわな~。写真いっぱい撮るから、それを誌面でたくさん使えるよう活躍を!
もうひとつ、女子選手が参戦するのもヤングダービーの特徴。今年、大レースのピットでもっとも多く顔を合わせているのは、現時点でこの人ですね。マスターズ(名人戦)以外ではSGも女子王座もぜーんぶ会ってるわけですから。スカーフが素敵な平山智加。彼女らがここにやって来る姿を観つつ、「これがヤングダービーだなあ」とやはり感慨深くなったのでありました。
レース場入り大トリは和田兼輔。前沢丈史と一緒にタクシーであらわれたのだが、関係者とニコニコ挨拶を交わしているうちに、大トリとなったのであった。彼がピットに入ると、ちょうどそこには秦英悟、鎌倉涼、平高奈菜が。100期軍団! 久々に会ったのか、鎌倉が「あぁーーーっ!」と嬉しそうに肩を叩いておりました。男子勢と女子勢はこれまでこの舞台で一緒になることはなかったのだから、その光景もまたヤングダービーなのだなあ、としみじみした次第であります。(黒須田)