BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――まくり連発!

 

 

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 今日の序盤2レースは3コースまくりの連発! 台風の影響なのか、強い追い風が吹く中、セオリーは差し有利なのだが、いきなりセンターまくりが爆発した。インも大事に回ろうと落とし過ぎたのだろうか。

 ただ、そういえば秋山直之は荒れ水面だろうが握って回れる波巧者。これくらいの風なら持ち味の全速戦の威力は減じない。思えば、秋山らしい勝利である。

 その秋山、レース後の対戦相手への仁義切りがやけに丁寧なのだ。先輩である平石和男と辻栄蔵に深く頭を下げるのはまあ当然か。しかも内枠2人で、自分がまくり切った相手だから、選手間の儀礼である勝利時の「すみません」は気持ちがこもるのもわかる。秋山の場合、後輩である三井所尊春、前田将太、吉田拡郎にまで深く腰を折って、本当に申し訳なさそうに「すみませんでした」と敬語で礼を尽くすのだ。先輩も後輩も関係なく、戦った相手への敬意を強く示す。それが秋山直之なのである。

 

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 2Rを勝った馬場貴也も、難水面で知られるびわこがホームですね。やはりこういう水面では波巧者、風巧者、うねり巧者が強いのだろうか。

 その馬場は、もちろんレース後は他の5名に頭を下げて回りつつ、なんとも爽快な笑顔を浮かべていた。手応えのある勝利だったのだろう。細い目をよりいっそう細めて、歓喜の表情を隠そうとはしなかった。実に人のよさそうな顔つきである(実際にめちゃ好青年です!)。

 同期の長田頼宗が好パワーを見せ(今日はゲージ擦りをやっていました。やっぱり出ている!)、馬場も2走して1勝3着1回。93期勢、好調です! お互いに刺激し合いつつ、この一節を突っ走ってほしいぞ。

 

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 その2R、池田浩二がさすがの捌きで2着。前検はネガティブなコメントしか言わず、昨日のドリーム戦インタビューでも泣きまくり、ドリーム戦はシンガリ負け。今節はさすがに苦しいかと思いきや、しっかり連に絡んでくるあたりが実力の証しである。

 とはいえ、まだまだまったく納得の域までいっていないのだろう。エンジン吊りが終わると、軽く体をよじっていた。イヤイヤをしている子供のよう? 歩くスピードもやけにゆっくりで、後ろからきた中島孝平にあっさり抜かれていた。その中島の袖を引っ張って、軽くちょっかいを出してもいたが、中島も少し付き合うそぶりは見せたものの、あっという間に二人の間隔が開いていく。陸でも伸びがイマイチですか? さらに貼り出されたスリット写真をみて「はぁぁぁっ!?」。スタートタイミングはコンマ25。感覚以上に遅かったようだ(全艇が20より遅いスタートだった)。スタート勘もいまひとつだったことに、さらに不満を表明。2着でもぜんぜんゴキゲンになれないのであった。今日は11Rにも登場。少しな納得できるあたりまで引き上げられるだろうか。

 

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 さて、昨日の終盤に本体整備をしていた市川哲也だが、今朝も整備室にこもっていた。日をまたいでのとことん整備である。

 

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 今朝は、平本真之も本体を割っていた。市川は今年のSGでは本体整備に明け暮れている姿を毎度見かけているが、実は平本も整備室で本体と向き合っている姿をよく見かける一人だ。これは、エンジンがいいときでも悪い時でも関係ない。悪ければもちろん整備でパワーアップを図るし、いいときでも本体を割ってみて点検などをしているのである。元選手に聞くと、エンジンの気配が良い時でも、本体を割って中を見てみることが奏功することがあるという。たとえ悪いところが見つからなかったとしても、それが安心感にもつながるとか。そういえば、めっちゃ噴いているときの瓜生正義は、決まって3日目か4日目に本体を割っていたものだ。そして平本も、時間があるときにはこの作業を怠らない(今日は9R1回乗り)。こうした積み重ねが、今年の絶好調ぶりを支えているのかもしれないですね。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)