BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――層が厚い!

 

 

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 1Rは塩田北斗が快勝! 「デビュー以来インでまくられて負けたことのない男」島村隆幸を差し切って今節初1着をマークした。

 気持ちいい勝利に、北斗は笑顔!……と思いきや、そうでもない。笑顔が見えない。北斗とは今節初対面(ピットでは。一回、登録更新に日モ競に来ていた北斗と出くわしたことがある)だが、ここまで感情を表に出すような場面をあまり見ていない。そういうタイプだろうか。敗れた島村隆幸は、怒りをたたえた目つきで戻ってきて、カポック脱ぎ場では思い切り顔を歪めていたものだが、勝った北斗は表情を変えない。だから、やけに落ち着いて見えたりもするわけである。

 こうなると、大はしゃぎしている西山貴浩に目がいくわけで(笑)。ペラ室では隣同士で調整をしている二人、かわいい後輩の勝利に西山は「よっしゃぁ!」。まるで対照的な二人なのである。こうしたところは、いつもの西山ですな。

 

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 で、今日は雨が降り、気温もガクンと下がっている。選手たちも昨日までのTシャツ姿から、上着などを着用したりもしているのだが、北斗のエンジン吊りに集まった九州勢にSGジャンパーのまあ多いこと。西山、篠崎元志、前田将太、山田康二、古賀繁輝……実に鮮やかなブルー軍団が形成されていた。別の上着を着用していた岡崎恭裕、松田大志郎も着ていておかしくなかったわけで(その頃2R展示中の篠崎仁志も。あ、女子の小野生奈や竹井奈美もか)、九州の若手の層がいかに厚いかを改めて感じた次第であります。いずれSGに九州勢が大量参戦して一時代を築く、なんてことになるんでしょうね。

 

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 層が厚いというなら、100期生もあげておかねばならない。雨のなかで熱心に試運転をしていた秦英悟。ちらりと足合わせをしている様子も遠目に見えていたのだが、その相手が川野芽唯で、同期同士の足合わせなのであった。「メイちゃーん、ありがとう!」と駆け寄る姿は、同じ釜の飯を食った間柄の気安さを感じさせる。川野としても、同期の存在は心強いだろう。

 

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 その頃、青木玄太が整備室でゲージ擦りをしていた。おっ、機力に手応えが出てきたかな。というわけで、パチリとシャッターを押したわけだが、次の瞬間、その向かいに永田秀二がすわっているのに気付いた。ここも100期の同期同士だ。ふと水面に目をやると、回転調整をしている平高奈菜が係留所にいて、おっと競技棟のほうには鎌倉涼もいるではないか。姿は見えないが、宮地元輝も同期生。今節は大挙7名の参戦である。そして本来なら、地元の和田兼輔、前年度覇者の桐生順平もいたはずなのだから、銀河系軍団にも匹敵するスター軍団だ。その銀河系もそうだが、身近に強い者がいるからこそ、切磋琢磨して仲間も強くなるという好循環がある。100期もそうなのだろうし、今後さらにパワーアップしていく可能性があるな。銀河系を超えるには、それぞれの奮闘がまだまだ必要だろうけど。

 

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 で、ひとつ上の99期は、茅原悠紀の単独参戦なのである。もっとも実績的には、一人で他の期を一気に凌駕しているわけだが。ここに来ていない99期生からは、何としても茅原を追撃する者が出てきてほしい。水摩敦とか。

 その茅原だが、SGと動きが何ら変わっていない。篠崎元志や岡崎恭裕らと明らかなるトップ集団を形成しながら、それで気を緩めるわけでもなく、弛むことなく、ひたすらペラ調整に腐心している。エンジン吊りに出る際も、ギリギリまでペラ室にいて、ダッシュでリフトに向かう。それが終わると、同じくダッシュでペラ室に戻る。本人としては当たり前のことだろうが、「すごいな」と素直に思うわけである。ここまでは期待通りの走りを見せているわけだが、それも当然と思うしかない。しゃらくさい言い方になるが、若者たちは茅原の背中をしっかり見てほしいな、とエラそうに感じた次第なのである。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)