序盤の時間帯はほぼ動きなし、である。朝に優出インタビューが行なわれ、それを終えて作業の準備をしている段階、といったところか。動き自体はシリーズ組のほうが早く、インタビューが先に終わったのが理由だろうか。なかでも、１号艇の若狭奈美子は１Ｒ発売中にはボートを下ろしており、２Ｒ発売中から試運転を始めている。初優勝が懸かっている一戦、悔いの残らない調整をしたい。
谷川里江も、１Ｒ発売中にはプロペラを外している。高橋淳美は寒暖計をチェック。１Ｒ展示直後の時点で７・２℃。本番もこれくらいまで下がるだろうか。もっと大きな舞台の優勝戦を何度も経験してきたベテラン勢だ。今日一日の過ごし方に抜かりはない。
関野文は、まずは“新兵仕事”に飛び回っている。優勝戦だから免除、ということはなく、それはＳＧなどでも見かける光景。むしろいつも通りに働いていたほうが、緊張も紛れるというものだろう。いつも通りといえば、塩崎桐加もいつも通りに“定位置”でレース観戦。ルーティンというわけでもないのだろうが、平常心で戦うには普段のペースを崩さないほうがいいだろう。
岩崎芳美は明るい！ 同期の武藤綾子らと談笑する様子は、これまたいつも通りである。なお、開会式で見せたメイクはすっかり落とされてました（笑）。谷川さんも（笑）。ピットでも見たかったのに。ともかく、６号艇ということもあり、非常にリラックスしていると見受けられる。
クイーンズクライマックス組は、１Ｒ発売中にはまだ誰も始動していなかった。したがって姿を見るのはエンジン吊りくらい。モーターにプロペラがついたまま、という選手が多かった。守屋美穂のモーターからはペラが外されていたが、ペラ調整室に守屋の姿はなし。２Ｒ発売中に地上波放送のインタビューを受けていたが、終わると控室へと戻っていった。
２Ｒ発売中には寺田千恵がプロペラを外し、調整所に向かった。動きらしい動きといえば、これくらいだったか。岩崎らと談笑する姿もあり、やはりリラックスしている様子。まあ、この人がこの舞台で震えることなどあるはずもない。
１号艇の松本晶恵も、表情は柔らかい。２年前に同じ状況を経験しているだけに、今日の過ごし方はわかっているだろう。もちろん時間を追うごとに緊張感がじわじわと襲ってくることにはなるだろうが、朝から気負っているということはなさそうだ。
山川美由紀、遠藤エミ、日高逸子は特に動きは見られなかった。ただ、少々気になったのが日高のボートの置き場所。１艇だけポツンと、整備室の前に置かれていたのだ。本体整備があるのか!? あるいはギアケース調整か。ひとまず序盤の時間帯には始めておらず、しかし万全の調整に取り掛かる準備はしていると見える。
予報では、今日の12Ｒの時間帯も冷えそう。それを計算に入れての調整で、午後はみな慌ただしく動くだろう。大晦日女王決戦、熱くなるのはここからだ！（ＰＨＯＴＯ／中尾茂幸 池上一摩 ＴＥＸＴ／黒須田）
