底辺からの旅立ち
北海道出身の私・畠山が『雪国セブン(B級&A2級限定)』として勝手に愛でている7選手の初日成績は……悲惨の一語だった。
1R③秋元 誠(富山)=6着
3R⑤萬 正嗣(宮城)=6着
4R③高橋直哉(秋田)=6着
5R③多田有佑(山形)=4着
6R②鹿島敏弘(青森)=6着
7R⑤金子和之(新潟)=5着
8R④三浦敬太(北海道)=4着
ある程度の覚悟はしていたが、誰ひとりとして舟券に絡めなかった。それから、雪国出身ではないものの「大穴候補」として密かに応援している立具敬司(和歌山)も、道中の接戦に耐えきれず6着惨敗。今日の三国は人気の1号艇がボコボコ負けた(イン6勝)のだが、それでいて万舟が1発のみ(ドリーム戦の438倍。今垣光太郎、やはり恐るべし!!)だったのは、この人気の盲点とも呼ぶべき面々がすべて4着以下に敗れたことが最大の要因だろう。
去年の第1回大会では、初日7Rに萬が鮮やかな5コースまくり差しで747倍の大穴をブチ開けた。その後は3日目に三浦2回(1着・3着)と多田(2着)、最終日に萬(1着)が万舟を演出している。今回は去年よりもモーター抽選運が悪く、明日以降もゴンロクに沈む選手が多発する、とは思っている。だがしかし、こと舟券の視点から考えれば、今日の総崩れがさらに彼らのオッズを跳ね上げるはずだ。
「やっぱ上下のレベル差が激し過ぎるな。あの這い回っている辺境軍団をハナから消せば、どのレースも4・5艇立てで勝負できる。当てやすいシリーズだ」
などと考える輩も全国に多々いることだろう。今日の総崩れでそんな思いが助長するなら、逆に大穴GETのチャンスではなかろうか。2日目の明日も『雪国セブン』+立具はすべて1回走で、各レースの3~5号艇に散りばめられた(3Rの三浦のみ1号艇)。①三浦以外の誰かしらが舟券に絡むだけで、3連単配当はありえないほど高騰するだろう。
また、たとえ明日も惨敗続きだったとしたら、3日目はさらに彼らの大穴期待値はアップする。でもって、その3日目は上記の8人全員が2回走! 前回大会の3日目も、格下の選手が複数同居したレースで万舟が頻発している。「4艇立ての本命鉄板レース」と見るか「2人のうちひとりが絡むだけで絶好の穴チャンス!」と見るかは人それぞれで構わないが、もちろん私は後者の立ち位置で穴舟券を買い続けるつもりだ。
ではでは、そんな8人の中で「誰が真っ先に穴を開けそうか?」と聞かれたら、現時点ではちょいと答えに窮してしまうのだな。どのレースを観てもパワー的にかなり頼りなく、キラリと光る片鱗すら見えない1日ではあった。あ、立具の最初の1周だけは、やっぱりなんか不気味な気配を感じたのだが、単なる私の願望なのだろうか(笑)。とにかく、全選手の舟券をチマチマ買い続けていたら穴にありつく前に破産する可能性もあるので、明日からも彼らの足色や気配の変化をしっかりとチェックしたいと思っている。
萩と菊
さてさて、底辺の成績から一気に視線を上に傾けるとしよう。初日にピンピン連勝を遂げたのは、萩原秀人18号機と菊地孝平62号機!! 今日のハギちゃんは、まずは2Rで豪快な4カドまくり一撃。超伸び型モーターにとってもっとも重要なスタートをコンマ06、ほぼ全速でバチッと決めた。こうなってしまえば、もはや18号機を止められる人機は存在しない。カド受け3コースの立具を軽々と飛び越え、あとは伸びなりに1マークまで進むだけで内3艇を引き波にハメていた。うーーーん、これぞ18号機!
一方、絶好枠の1号艇を得た8Rは、薄氷を踏むような勝利ではあった。1マークのターンがズルリ流れ、3コース瓜生正義のまくり差しがズッポリ。伸びーーる代償として、出足・回り足が頼りないのもまた18号機の特徴なのだ。その弱点をモロに突かれた格好となったわけだが、2マークの渾身の差しハンドルでなんとか逆転の1着をもぎ取った。2R後、できる限り手前に寄せようとした調整がこの2マークでは生きた、と見ていいだろう。自慢の伸びを維持しつつ(今日イチの展示タイムではあった)、弱いは弱いなりに瓜生と競って負けないほどの出足が付いたとするなら、18号機にとっては非常に明るい材料となるはずだ。宮島45号機と同じように調整のゾーンが高いレベルで広がれば、それはそのままV確率に比例すると思っている。
もうひとり、キクちゃんの連勝発進はハギちゃんよりもかなりコスパの高い20点だった。まず、6号艇の3Rは前付け5コースから、内の長田頼宗を叩き斬るような全速まくり差し。3号艇の後半7Rは、2コース森高一真26号機のジカまくりにぴったり連動し、狙いすました差しでバック突き抜けた。1号艇を後日に残したまま、さらには最難関6号艇を消化しての連勝はデカい。
で、これだけの芸当ができるのだから、相棒の62号機も相当なハイパワーと見て間違いないだろう。数字は31%ちょいながら、三島敬一郎リストの10傑に名を連ねる62号機。たった1日でバレバレになってしまったが(笑)、明日からは「頂点まで昇り詰められる器か否か」をしっかりと見極めていく必要がありそうだ。高いコスパも込み込みで、とりあえずV候補の筆頭レベルに君臨したのだから。(photos/黒須田守、text/畠山)