BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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びわこヤングダービー『前検を斬る!!』

 びわこヤングダービーの前検が終わりました。今日のびわこ水面はほぼ無風(後半6~9班はややホーム追い風)、スタンド5Fの記者席は絶好のポジションと申し分のない環境でしたが、とにかくスタート練習のスリットラインが揃わない。写真からハミ出て消える艇あらばコンマ40近いドカ遅れあり。「ゴルァ~~おまんら、キッチリ合わせんかーーい!!」と怒号を浴びせたくなるようなバラバラ隊形が多かった。当然、足色の強弱もチェックしにくかったわけですが、そんな中でも「コイツは間違いなくトップ級!!」と唸らせる人機がありました。それも含めて、良く見えた順番に羅列しておきます。

S級(抜群候補)

★★井上一輝=29号機

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 足合わせでは同期にして地元のエース松山将吾や小池修平らを出口から一蹴。松山、小池も他艇とのマッチアップでは優勢だったから、一輝の舟足がさらに際立って感じられた。スタート練習もインからしっかり伸び返すわ、6コースからズンッと勢いよく出て行くわ、弱点の見当たらない抜群パワー。「黄金の114期」にあって、やまと学校では地味な成績だったもののデビュー2走目に勝ち上がるなど様々なサプライズを魅せてきた男が、29号機とともに新たなサプライズをやらかすかも??

A級(上位候補)

★金子賢志=31号機

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 バラバラスリットで見分けにくかった中、特訓3本目の3コースからの出足~行き足~スリット直後の加速感が半端なく見えた。判断材料はこの一発だけなのだが、煌びやかなオーラを放ったように見えた自分の直感を信じて2番手評価。三島リストも2番手なので悪いはずもなく、今節の群馬支部は「関よりもカネケン」のシリーズになると予言しておこう。

★上條暢嵩=66号機

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「選手はバリバリのV候補&66号機は強調すべき材料のない中堅機」ということで、舟券的には黙って蹴とばしたいコンビと思っていたらば、バカに良く見えてしまった。特にスタート練習2本目のアウト6コースからの伸び足! 内隣の高倉和士と同じようなタイミングで起こして伸びて、スリットから瞬時に1艇身ほど突出。ともにFではあったが、凄まじい迫力だった。スローはさほど目立たなかったので、現状はダッシュ向きの伸び型か。今後の調整が気になるが、常にスリット一撃を警戒しておきたい。

★松井洪弥=67号機

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 びわこ名物「中間整備モーター」の9基の中で、いちばん目を惹いたのがコレ。ダッシュからはチョロッと伸びる程度に見えたが、スロー3コースからの出足~行き足な強烈なインパクトだった。カネケン31号機のオーラにはやや見劣ったものの、あのスリット足は到底20%のポンコツ機ぢゃないっすよ!「チームびわこ」の沽券を懸けた中間整備から、この67号機がサプライズな下克上をやらかすかも!?

★下寺秀和=40号機

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 さすが三島リスト(←モーター抽選記事)の「穴」パワー。3本ほどの足合わせはすべてターン出口前後の押し足が優勢だったし、スタート練習もスロー、ダッシュ問わずにしっかり出て行く。突き抜ける迫力はないが、「足腰がしっかりしていて安定感があるなぁ」という感じ。前節で吉川昭男さんが仕上げきった出足は、今節も台風の目になりそうなムードだ。

★馬場 剛=23号機

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 で、下寺40号と同班&すべて隣り合わせで特訓したのが、三島S指名の23号機。「スリットからどんだけ伸びてくれる??」と期待が大きすぎたためか、特訓では「うーーん」という感じ。下寺より伸びてたし、班では間違いなく強めだったが、もちっとハートにズッキュュン突き刺さるようなハードパンチを見たかった。「出足の下寺×スリットの馬場」という構図はそれなりに面白いものではあったけど……実戦に期待!

★黒野元基=30号機

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 7番手の評価になってしまったが、実際にはもっと強烈かも。足合わせでは中村泰平らを出口でジリジリ突き放し、スタート特訓も2コース、4カド、インコースともに両サイドをねじ伏せるように出て行った。スパーンという切れ味はないけれど、どこからでも不気味に出て行く感じ。つまりは全体に余裕がありそうなパワーで、こういう足がスタコラ優勝戦まで行くケースはやたらと多い。三島リストの3番手候補、やはりタダ者ではなさそうだ。

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 他では吉田裕平、土屋南の伸び足、吉川貴仁・新開航・宮之原輝紀の同期トリオのスリット足、上田龍星の回り足、豊田健士郎の出足も良さげに見えました。逆に、ストレート足がかなり厳しそうに見えたのが野中一平と木下翔太。どっちもアタマ人気になるタイプだけに、しっかりと足色をチェックして舟券の取捨を決めたいっすね。
 前検タイムです。前半(無風)と後半(ホーム追い風2m)で環境が変わったので、別々にランク付けしておきます。

前半(1~5班)のTOP10
①上條暢嵩  6.56
②金子賢志  6.60
 藤山翔大
④塩崎桐加  6.64
 木村仁紀
⑥喜多須杏奈 6.65
 村上 遼
 松井洪弥
⑨磯部 誠 6.66
 中村晃朋

後半(6~9班)のTOP5
①新開 航 6.65
②吉田裕平 6.66
③井上一輝 6.67
 中村泰平
 黒野元基
 土屋 南

 上條暢嵩66号機がブッチギリのトップ!? ここまで極端とは思いませんでしたが、やはり今日の伸び足は凄まじそうっすね。なぜ66号機がこんなに伸びるのか、私には分かりません!!>< 悪い方の時計も前後半で分けておきましょう。

前半のワースト5
①木下翔太 6.79
②渡邉優美 6.74
 倉持莉々
④石丸海渡 6.73
 竹田和哉
 中田達也
 渡邉 翼

後半のワースト5
①吉川貴仁  6.81
②野中一平  6.80
③佐藤隆太郎 6.77
 西橋奈未
⑤川原祐明  6.76

 吉川のワースト時計は何かの間違いで、まったく気にする必要はないと思います。やっぱ心配なのはその次の野中&木下。野中は出足系統もかなり弱めに見えただけに、いきなりの大整備も想定しておきましょう。(photos/黒須田守、text/畠山)