BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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芦屋オーシャンカップTOPICS 3日目

フクオカ6の逆襲

 今朝、芦屋の正門前で『週刊BOATBoy』のアイドル的存在「ペラ坊&ペラ美」と初遭遇。別れしなにペラ坊さんが「地元の連中が情けないんで、今からハッパかけてきます!」と気色ばんでいたものだが、そのハッパが効いたのか。今日は地元の福岡勢が気合パンパンの走りで舟券に絡みまくった。

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 1Rは2コースから差した小野生奈と5コースからまくり差した瓜生正義が、ツープラトンで逃げる山崎智也を猛追。周回ごとに3人の順位が入れ替わるデッドヒートの果てに、【選手班長の瓜生-1日早い勝負駆けの生奈】が智也を競り落とし、3連単128倍のワンツー決着となった。着順のみならず、瓜生は全部の足がじわじわアップして中堅上位はありそうだし、生奈は今節トップ級のストレート足で明日以降も穴を演出する可能性は低くない。とにかく、地元のムードメーカーふたりが福岡支部の闘志を煽る1Rではあった。

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 3Rは3~6号艇がすべてフライング!という大波乱を横目に、昨日まで666オーメンの西山貴浩がはじめて2着で舟券(2連単)に絡んだ。1号艇で実質シンガリだからして威張れる2着ではなかったが、地元のド根性を見せたのが2周1マーク。3艇身前を行く大上卓人にモーレツな全速の切り返しを仕掛け、ガチでアタマを奪い取りに行った。
 こ、これはサムライブルー遠藤航の「デュエル」かっ!?
 と思わせるほどのド迫力。惜しくもこのスライディングタックルは空を切ったが、どんだけ1着が欲しいか(または勝利者インタビューに出たいか)が手に取るように伝わる切り返しだった。→7Rにつづく。

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 5Rでは、今節の福岡勢でもっとも狂暴なパワーを誇る前田将太が、2コースからジカまくり圧勝。最大の勝因は「イン太田和美のドカ遅れ」で、見た目にはイン逃げのような楽勝だったが、とにかく今節の将太22号機はストレート足が半端ない。スリット近辺からもこもこもこもこ伸びて行って、1マークまでに内の艇の舳先を飛び越えて行く。まだ回転が合っていなかった初日の5着が悔やまれるが、私は密かに有力なV候補のひとりとしてこのダークホースに唾を付けている。準優好枠を狙う明日の【7R6号艇】は、舟券的にも狙い目十分の“勝負賭け”になりそうだ(笑)。

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 そしてそして、やっちゃいました、7Rの西山貴浩!! 2コース瓜生がうっかり凹んだところ、3コースから狙い済ましたまくり差し一閃。今日の西山は「クランクシャフト交換」という最終兵器を用いたが、それが多少なりとも功を奏したか、イン寺田千恵の追撃を抑えてなんとかヒーローインタビューの座を掴み取った。
 ねじり鉢巻きのお立ち台は、例によって大爆笑のワンマンショー。凹んだ瓜生先輩をこき下ろすわ、「優勝します!」と高らかにV宣言を謳いあげるわ、言いたい放題で場を盛り上げつつ、機力に関しては「ぜんぜん出てまっしぇん!」と泣き顔を作って地元ファンのもらい泣きを誘っていた(笑)。優勝は無理としても、オーメンから2・1着と立ち直ったニッシーニャは明日以降も軽視禁物と肝に銘じておくとしよう。

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 9Rは篠崎元志が同じく3コースからまくり差しを狙ったが、惜しくもインの吉川元浩を捕えきれずに2着まで。それでも、劣勢パワーで常に苦戦を強いられてきた昨今のSGに比べれば、今節は十二分に活躍できる気配を醸し出している。ただひとり、今日の地元勢で舟券に絡めなかった弟・仁志だけがワースト級のパワーに苦しんでいるが、その分まで兄貴が奮闘する気がしてならない。

★今日の地元勢の成績と予選ランキング
瓜生正義 1・3着 5位
前田将太 1着   7位
篠崎元志 2着   12位
小野生奈 2着   20位
篠崎仁志 5・4着 32位
西山貴浩 2・1着 35位

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 さてさて、V戦線の行方は……初日からオール2連対で突っ走る濱野谷憲吾が、まさに2位以下をブッチギリ!! 今日の12Rのピットアウトで左に斜行(1号艇の白井英治に乗り上げるほどのアクシデントではあった)したが、不可抗力の異常回転があったようでお咎めなし。別掲・勝負駆け情報と被るものの、予選の上位ランクをアップしておこう。

★3日目までの予選トップ4
①濱野谷憲吾 5走46点=9・20
②白井英治  5走41点=8・20
③守屋美穂  4走32点=8・00
④平本真之  4走32点=8・00

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 当面の敵は暫定2位の白井。ただ、明日の白井は【6R6号艇】という高いハードルが待ち受けている。一方の濱野谷は【11R4号艇】という自在に捌けそうな枠番で、現状のトップ条件は【2着以内で他者の成績に関係なくトップ確定】なのだが、白井、守屋、平本などの前半成績によっては、その条件がどんどん楽になる可能性が高い。私なりの勝手な体感温度としては、憲吾トップの可能性は80%くらい、とお伝えしておこう。

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 最後に、独断のパワー評価として抜群~上位級の面々だけをアップしておきます。

独断パワー評価
★★前田将太 A+【出A・直S】
★★松井 繁 A+【出A・直S】
★★平本真之 A+【出A・直S】
★★濱野谷憲吾 A+【出A・行S】
★守田俊介 A【出A・行A】
★守屋美穂 A【出A・直A】
★小野生奈 A【出B・直S】
★寺田 祥 A【出A・直A】
★毒島 誠 A【出A・直A】

 ★★の4基はどれもストレートがしっかり強く、甲乙が付けにくい肉薄パワーと思っている。とすると、舟券的な妙味は他の3基に比べたら下馬評も成績もちょこっと地味な前田22号機ではないだろうか。守屋美穂は全体が強めのバランス型で、特にくるくる旋回できる回り足がトップ級か。この自在に動けるクルクルパワーを活かし、明日の【6R2号艇・12R6号艇】で準優好枠を目指す戦いとなる。うっかり連勝=8・67なんてことになれば、もちろん大逆転の予選トップさえありえるだろう。(photos/シギー中尾、text/畠山)