BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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浜名湖レディチャンTOPICS 3日目

自滅サバイバル

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 うーーーん、V戦線を賑わすべき実力者や抜群パワーが、予選3日目にして続々と赤&黄信号を点してしまった。まず、はっきりレッドカードを頂戴したのは6Rの平高奈菜。このレースは①土屋実沙希・②平高・③倉持莉々となかなかのパワー自慢が集結したのだが、これが裏目に出てしまったか。インの土屋があっと驚くコンマ10の特大フライング!(即日帰郷) これだけの数値だからして勘違いもありえるのだが、この突出に2コース平高もお付き合いする形でコンマ03までハミ出してしまった。

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 今節の平高6号機は前検から期待していたとおり、直線足がかなーり強力で「準優~優勝戦でもデンジャラスな存在になる」と値踏みしていた。パワー鑑定はA【出B・直S】。攻めっ気120%のイケイケ奈菜とのマッチングは実に興味深かったのだが、こんな形でV戦線から消え去るとは……もちろん、敗者戦に回れば人機ともにトップ級なので、外枠で少しでも軽視されるような積極的に狙っていくつもりではある。

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 一方、2艇がFに散った中でコンマ00、タッチスタートで生き残ったのが倉持莉々40号機だった。キワキワ崖っぷちで踏みとどまったみならず、道中3番手あたりから恵まれで1着に昇進したのだから強運と呼ぶべきか。パワー面でもターン回りがスカスカだった昨日よりしっかり水を噛んでいた感もあり、明日の【3R1号艇】でしっかりと準優の好枠を勝ち取ってもらいたい。

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 そして、4日目を待たずにV戦線から完全に脱落してしまったのが、2年前の女王・大山千広だ。初日から4・3・5着と苦戦続きの千広は、2度のセット交換(戻した可能性あり)などできる限りの勝負手を放ったが、今日の2走も道中で揉まれに揉まれて6・3着。3日目前半の6着でもはや絶望的な得点になってしまうとは、誰が想像できただろうか。

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 相棒の9号機は前検から「中堅ど真ん中」と見ていたが、本人の悪戦苦闘ぶりを考えればそれ以下だったか。あるいは機力だけでなく、千広自身の度重なるF禍によるスタート勘のズレ、はたまた直近のインコースで何度も惨敗しているトラウマ的なものが、まんまレースに反映された可能性もありそうだ。明日からの千広は、今節の反省~ビルトアップに専念するだけでなく、長期的な視野での立て直しが必要な気がしてならない。

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 それからそれから、昨日の当欄で「パワー的にV候補の3番手」と持ち上げた細川裕子48号機も、不慮のアクシデントで準優に黄信号が灯ってしまった。5Rの最終ターンマーク、3番手を走っていた細川の艇尾に富樫麗加の舳先がツンと刺さる形になってエンジン不良が発生。細川は激しく左右に蛇行した後、ゴールまで耐えきれずに浜名湖の水面に落下した(富樫が不良航法、細川が責任外の落水)。

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 細川には不運な追突事故となってしまったが、道中の細川48号機の走りもどこか頼りないものだった。握って回ればすんなりも、落として回ったときに前の引き波で滑るというのか、何度かふらり左右によろけていたのだ。2連対率13%から中間整備で大化けした48号機。もしかしたら、「節イチ級のストレート足に対して、出足系統が脆い」という弱点が露呈したのかも知れない。いずれにしても、この落水による0点はV戦線において激痛すぎる。明日は【4R3号艇】を勝ちきっても、5・67という苦境(3日目を終えての18位ボーダーは6・40!)に立たされた細川。ことストレート足に関しては落水後も抜群ムードだっただけに、この大きな頓挫が残念でならない。

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 そんなこんなで、実力・パワー面で有力な選手たちが脱落、後退する中、ぐんぐんV街道を突き進んでいるのが遠藤エミ&守屋美穂のドリームワンツーコンビだ。これはもう昨日も書いたし、誰もが気づいているので簡潔にまとめるが、今日も今日とてふたりは強かった。
 初号機パイロットの遠藤は、4R5号艇で問答無用の5コースまくり一撃~9R3号艇で内の櫻本あゆみのジカまくりに連動しての鮮やかなマーク差し一撃! 選手のスピード・テクニックはもちろん、相棒の1号機にも何の死角が見当たらないとなれば、昨日も公言したとおり「3日目にしてV確率40%」とお伝えしておきたい。老婆心ながら唯一の不安があるとすれば、初日からスタート特訓で何度もドカ遅れしているスタート勘で、明日の【12R1号艇】でそのあたりの妙な癖(?)が出なければいいのだが……。

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 一方、守屋39号機の勢いもまったく止まる気配がない。7Rはスリット横一線の4カドからじわり伸びて主導権を握りつつ、慌てず騒がず2番差しを選択。昨日同様、バック最内からグングン伸びて2マークを先取りし、余裕たっぷりの3連勝。返す刀で12RはインからしっかりトップSを決めて悠々と逃げきって4連勝。マジ、強すぎる! ただ、下のデータでもわかる通り、明日の守屋は【9R5号艇】という最後の試練が残っており、独断のV確率は遠藤よりやや低い30%あたりが妥当ではないだろうか。

★今節の2強    着順  成績  最高タイム 明日
1位・遠藤エミ ①1211 10・00 1分49秒1 12R1号艇
2位・守屋美穂 ②1111 10・00 1分49秒6 9R5号艇

 両者の一騎打ちだけに絞って補足しておくと、明日の守屋が逆転トップを奪うためには「遠藤エミより先着するか、同じ着順の場合は遠藤より速いタイムをマークする」という条件をクリアしなければならない。現実的な線では、「とりあえず9Rを1分49秒0以内で勝ちきって、最終レースの遠藤を待つ」という感じだろうか。
 一方の遠藤は「たとえ9Rの守屋が勝っても1分49秒1より遅いタイムであれば、12Rは逃げきるだけでトップ」というかなり有利なポジションで9Rを見守ることができる。で、もしも守屋がトップタイムで5連勝なんてことになれば、12Rの遠藤はただ逃げるだけでなくガチのタイムアタックに挑むことだろう。

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 さてさて、私の勝手なV確率を【遠藤40%・守屋30%】とするなら、残りの30%を他の面々で分け合う形になる。さすがに、ここから先はたとえば「西橋奈未がウン%」などと特定できないが、一発逆転満塁ホームランの破壊力を秘める高田ひかるだけには、現時点で「5%」あたりを授けておきたい。暫定22位で予選突破も危うい身の上ではあるけれど(笑)。

★明日の高田ひかる=【4R4号艇・10R3号艇】

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 そう、この女子ナンバーワンまくり屋のパンチ力がもっとも活きるセンター2走。スリット同体まで踏み込めれば、【②③着=6・00】という条件はなんの問題もなくクリアできると確信している。(photos/シギー中尾、text/畠山)