スタート練習＆タイム測定の前にプロペラを叩く選手が多かったような気がする。正確に数を数えたわけではないが、ペラ調整所の人影は、たとえば前回のＳＧメモリアルよりは多いように思えたのだ。しかも、けっこう激しく叩いている選手もいた。たとえば、小池修平。ガッツンガッツンと、かなり力を入れて振り下ろしている。カドから伸びてまくるのが必殺技の男だけに、早くもその仕様に叩き変えているのか、とも思えてくる。
女子の西橋奈未も、かなり力強くハンマーを振り下ろしていた。西橋は前検８班で、その時点ではまだボートを水面に下ろしてもいない。つまり、まだ試運転もしていない。ようするに、モーターの手応えに関しては白紙のまま。にもかかわらず、相当に強く叩いているのだから、さっそく自分の形にしていたようにしか思えなかった。
スタート練習＆タイム測定の後に激しく叩いていたのは関浩哉。えっ、関!? 関といえば、エース機を引き当てたんじゃなかったっけ？ それなのに、前検航走を終えてから思い切りハンマーを入れた。足色に納得できなかったのか？ それとも、さらに引き出す手立てが思いついたというのか。タイム測定等を終えてピットに引き上げてきたときにはやや渋い顔だったという声も聞こえてきていて、そのあたりも含めて、明日の気配には注意したい。
一方、スーパー伸びレディーの高田ひかるは、前検航走後はプロペラには触らず、ギアケースなど外回りのほうに注力していた。そう、伸びは決してペラだけで引き出すものではない。伸び型の形というものがあるにせよ、モーターのパワーも非常に重要なのだ。大きな整備をしていたわけではないが、まずはそのあたりに手をつけたということ。ある意味、セオリー通りの動きということも言えるだろう。
ギアケース調整のテーブルはかなり賑わっていて、その後も大山千広と入海馨の116期コンビが肩を並べて作業をしていたりするなど、多くの選手の姿が見られた。まあ、これも前検日によく見られる光景ではあって、この作業をふまえて、明日の朝乗ってどうかという部分もあるということだ。
登番上位の選手たちは、今日は１便で帰宿する選手が多かった。前検の班も前のほうなので、作業を早く終えられるのが普通であって、早く宿舎に向かうのもまた自然ではある。しかしながら、登番が上から３番目の近江翔吾はプロペラ調整所を離れたのが最後から２～３番目と、早くも根を詰めた作業をしているのだった。ルーキー世代はとっくに卒業している近江はヤングダービーには何度も出場してきているわけであるが、なかなか結果らしい結果を残せていない。107期にして来年も出場資格があるとはいえ、123期生が出場してきている今回、年長組として貫禄を見せたい思いも強いだろう。早くも気合が入っていると見える。
そうそう、同じ香川支部では、中村晃朋と中村桃佳が整備室で長く話し込んでいる様子を目撃。やはり兄妹同士ということで、心安く話せるのは当然であり、またお互いに心強い存在ということになるんでしょうね。と言いつつ、吉田凌太朗＆裕平、前田篤哉＆滉の絡みは、今日は一度も発見することができませんでした。吉田凌太朗はなんだかんだでヤングダービー初登場。同期でもある吉田兄弟の揃い踏みは初めてである。裕平はすでにこの大会で良績を残しているだけに、兄の奮闘も楽しみではあります。
ところで、昨日は渡邉優美の誕生日なのでありました！ というわけですれ違いざまに祝福。優美ちゃん、笑顔でありがとうございますと返してくれたのだった。実は、ワタシの母上と同じ誕生日なんですね。というわけで、彼女の誕生日は一生忘れないと思います（笑）。我が母上もおめでとう、とこの欄を私物化して締めたいと思います。失礼。（ＰＨＯＴＯ／中尾茂幸 黒須田 ＴＥＸＴ／黒須田）
