BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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平和島ダービーTOPICS 3日目

 今日は気になるトピックが複数あったので、小分けにしてお伝えしよう。

1550倍のサプライズ連勝

 昨日まで低調パワー、はたまたワースト級と見限っていた人機が、いきなり水を得た魚のように躍動する。SGでは3日目あたりからそんな激変ゾーンに突入する選手が何人か現れるのだが、今日の平和島はやたらと多かった。

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 その筆頭が馬場貴也48号機だ。前検も初日(6着とイン逃げ)もさほど目立たず、昨日(6着)に至っては「見るべき何もないワースト級?」などと値踏みしたらば、一夜明けた今日になって凄まじい快挙をやらかした。
★8R6号艇=6コースの最内差しからグングン伸びて先頭集団に潜り込み、2マークの鋭角ターンで先頭に。3連単は泣く子も狂喜乱舞する1313倍!!
★12R5号艇=3コース深谷知博の強ツケマイに目ざとく連動し、伝家の宝刀「5コース全速ぶん回しのまくり差し」一撃。3連単は246倍!

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 昨日までのポンコツ足が信じられないような実戦足で6・5コースからピンピン連勝、2戦合わせて15万円を軽く超える特大配当を演出した。うーーーん、何がどうしたらこうなるのか。昨日の馬場君のコメントは「いろいろ整備(交換部品はリングと電気一式)したが、失敗だったので元に戻す」で、つまりは初日の状態に逆戻りしたはずなのだが、初日に不満があったからいろいろ整備したのではないのか。それで失敗して……(以下、疑問は堂々巡りの繰り返しw)。
 今日の気象・水面状況が恐ろしいほどマッチングしたのか、部品などを戻した以外に何かしら魔法のスパイスを振りかけたのか、馬場君の天才的な快速ウイリーモンキーが機力をはるかに凌駕したのか……2度の勝利者インタビューを聞いてもそのあたりは不明ではあった。現時点でもよく分からんのだが、「ボートレースは文字どおりの水物、何年やっても奥深く、難解で、不思議なことばかり。勝手な思い込みはウルトラ大万舟をミスミス取り逃がす原因になる」と改めて肝に銘じておきたい。

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 で、あっと驚く馬場君ほどではないが、他にも「おっ、気配が変わった!?」と唸らせる選手が存在した。その多くが昨日今日に部品交換した選手で、【セット・キャブレター・キャリアボデー・クランクシャフト】を換えた辻栄蔵(直線中心に全部)、セット交換した寺田祥(直線足)、キャリアボデーを交換した原田幸哉と西山貴浩(出足中心に全部)、リング交換した松田大志郎(ワーストの伸びが中堅に)などが、底辺の機力から中堅、はたまたそれより上のレベルまで底上げに成功したと思っている。そうそう、山口剛のピット離れが今日はかなりバイオレンスだったので、明日からも注意が必要だ。

直接対決

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 続いて7R、昨日まで節間成績8・67で予選ツートップを形成していた峰竜太(4号艇)と平本真之(6号艇)が、3日目にして激突した。両者の戦績と足色を踏まえれば、「第1戦」と呼ぶべきか。
 いざ実戦は、4カドから勢いよく飛び出した峰が怒涛の絞めまくり。そのまま攻めきる勢いだったが、インコース赤岩善生が軽快に伸び返して万全のブロック態勢に(今節の赤岩はようよう伸びる)。まくる気満々だった峰は咄嗟にまくり差しに軌道修正したが、ロスの大きなターンを余儀なくされた。

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 赤岩の逃げがほぼ確定し、バックの2着争いはもたついた峰の内に3艇がズボズボ割って入って混戦模様。4艇横並びからもっとも迫力のある直線足で主導権を握ったのは、6コースから最内を差した平本だ。そのまま2マークを旋回すれば2着確定という流れだったが、ターン出口でわずかにキャビって失速。その瞬間を逃さず内から襲い掛かったのは……例によってスピードなのか機力なのか断定できない好旋回を繰り出した峰だった。

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 その後も峰vs平本の“予選トップ争い”は熾烈を極めた。私の勝手な見立てとしては「ターン回り~出口の馬力はほぼ互角、スリット裏の行き足はわずかに峰、ターンマーク手前の伸びはわずかに平本」という感じで、トータル甲乙を付け難い迫力満点のテイルトゥーノーズ・バトルだった。

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 結果は1周2マークの微かな貯金を守り抜いて峰が先着し、単独トップに浮上。
 この直接対決の2点差が、ファイナルの枠番にも直結するかも?
 などと思ったものだが、後半11Rの峰が4着に敗れたため平本が再逆転のトップに立った。この一連の流れを含め、明日のトップ争いは「まだまだ予断を許さぬ混戦模様」とお伝えしておきたい。暫定トップの平本でさえも、まだ完走当確の領域に達していないのだから。

反撃開始!

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 さてさて、連日ピックアップしている深川真二を、今日も書かせていただこう。なんたって1Rは3コース一撃まくり~6Rは4コースから混戦をキッチリ捌いて2着。昨日までの256着という成績に貴重な【1・2着】が加わり、予選突破へグッと近づく1日だったのだから。
 もちろん、相棒19号機の足色は文句なし。1Rのまくりでインから逃げる上條暢嵩に並びかけたターン回り、そこから猛烈な加速で一気に突き放した出足~行き足、さらには6Rで他艇を子ども扱いにしたレース足……どこをどう切り取っても超抜という言葉が相応しい19号機だった。

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 この18ポイントの加点で節間5・80=暫定17位まで浮上した深川の明日は、【3R6号艇】の一発勝負。2着6・17で当確、3着5・83なら微妙という立ち位置だが、深川にとって6号艇は鬼門でもなんでもないチャンス枠。思う存分オラオラ動き、深い起こしからでもエース19号機のパワーをフル稼働すれば、自ずと準優への道が開かれるだろう。
 あ、深川と同じく「ファイナルに乗ってほしい今節のジョーカー」として優遇してきた伸び~る桐生順平35号機も、今日は2・2着と無難にまとめて6・60=暫定9位まで上昇した。明日は【11R1号艇】だから予選突破どころか準優の好枠まで見えてきたが、気になって仕方がないのが今日の足色だ。おそらく節イチ級のストレート足を犠牲にして、出足系統を強化したのだろう。昨日までの鬼伸びがはっきり色褪せ、品の良いバランス型に見えた(笑)。もちろん、その方が桐生らしいスタイルであり、本人が納得してこの方向に進むなら口を挟む余地は1ミリも存在しない。嗚呼、それでも穴党の端くれとしては、実に寂しい方向修正と言わざるを得ない。(photos/シギー中尾、text/畠山)