BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――さまざまな組み合わせ

●平本道場

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 平本真之のボートを挟んで、その平本と渡邉優美が会話を交わしていた。支部も地区も違うから、これはなかなか珍しい組み合わせ。やがて、平本は乗艇姿勢を何度も渡邉に実演して見せて、渡邉はなるほどとうなずいている。これは平本による乗艇指導! まさに平本道場だ。SGクラスのレーサーと、まさにSGの現場で一緒になる機会はそうは多くないだけに、渡邉にとっては実に大きな経験だし、また積極的に教えを請う姿勢は素晴らしい。そういえば、何年か前のヤングダービーで岡崎恭裕とかなり長く話し込んでいたこともあったな、と思い出す。こうした積み重ねが、クイーンズクライマックスの初出場につながっているのかもしれないですね。

●ペラを叩きながら

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 珍しい組み合わせは、ペラ室でも見られた。並んで叩いていた白井英治と細川裕子が会話を交わしながら作業をしていたのだ。二人の真剣な表情を見れば、おそらくはペラの調整方法についての会話であると推測される。立場を考えれば、白井が細川にアドバイスを送っていた可能性が高いだろう。細川は今節、同県の池田浩二と並んで叩いている姿を何度も目にしているが、他支部の強豪と話すのも大きな糧になるはず。間違いなく引き出しは増えたはずだ。

●元同支部

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 1Rのエンジン吊りで、大瀧明日香は徳増秀樹や菊地孝平と熱心に会話を交わしていた。特に菊地とは割と長めに話し込んでいる。東海地区同士だから不思議のない光景ではあるが、大瀧は元静岡支部、元同支部同士でもあるのだ。しかも菊地と大瀧は1期違いだから、一緒に練習したことも多かったに違いない。もともと心安い関係なのである。半ば同窓会、みたいなところもあるんですかね。

●17位と18位

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 2R発売中、試運転から係留所にボートをつけた新田雄史のもとに、佐藤翼が駆け寄った。その前、ふたりは足合わせをしていたのだ。当然、その感触の交換といったところだろう。賞金ランクは佐藤が17位、新田が18位。痺れる位置にいる二人が、足合わせで感触を確かめ合っていたというわけだ。まあ、たまたまでしょうけどね。二人の勝負駆けに注目!

●まさか外マイとは

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 2R、先マイした西山貴浩のふところに、田村隆信がまくり差しをねじ込んだ。これは届いたように見えたのだが、2マークで西山が外マイを放って、田村を交わしている。決まり手はだから「逃げ」となる。レース後に西山は、一発雄叫びはあげたものの、想像したほど大騒ぎはしていなかった。ゴキゲンぶりは明らかなのだが、わりと静かなレース後なのであった。

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 むしろ、田村のほうが大きな声をあげた瞬間があった。白井英治に「入ってだろ?」と笑いかけられたときだ。「まさか外マイに来ると思わなかったから、差されないよう落としたら、もう間に合わないほど握られていた」と。1着が見えていた展開だっただけに、悔しさも大きかっただろう。それがボリュームに反映したか。それにしても、選手たちは相手の動きを読み合いながら、意表を突いたり突かれたりの駆け引きを行なっているということがよくわかる一言ではないか。SGクラスは高いレベルのなかで戦っていることを改めて教えてくれる。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)