BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――ついに事故が……

●7R

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 みんなうまいな~、などという声は聞こえてきたりしたけれども、この頃にはもう水面がどうこう風がどうこうという話はあまり耳にしなくなった。これはこれとして、どう戦い抜くかに頭は切り替わっていたのか。ともかく、このクラスはどんな状況であっても、やっぱりレベルが高いのである。
 7Rは石野貴之が逃げ切り。ピットに戻ると、2着の遠藤エミとスタート談義。「放ったやろ?」「めっちゃ放りました」と、やはり強い追い風だからスタートも難しいようだ。遠藤はコンマ22だったんだけど、それほど勘がつかみにくいということだろう。大一番を控えてFは切りたくないだろうし。

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 3着は逆転で西山貴浩。出迎えた選手はニヤニヤと西山を見つめるだけで、まったく祝福ムードなし。西山は思わず瓜生に抱き着いてみたものの、やはり瓜生はニヤニヤしているだけなのだった。まあ、勝ち上がりおめでとう。

●8R

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 1着は辻栄蔵。穏やかな微笑を浮かべてピットに帰還している。2着の柳沢一と肩を叩き合うなど、やはり穏やかなレース後であった。

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 6着大敗の片岡雅裕は、それほど大仰ではなかったけれども、顔をしかめたレース後であった。1マークで引き波に乗ってキャビったこともあり、納得のいくレースとはいかなかった。なにしろ、荒れ水面にうんざりしている感じの選手が多かっただけに、純粋に敗戦の悔恨が伝わってくるのを感じたのは、これが初めてなのであった。

●9R

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 白井英治のジカまくりを食らった前本泰和が1マークで失速、その瞬間にピットのモニターで観戦していた小野生奈が「危ないっ!」という声をあげている。今日の水面で、ついに恐れていた事故が。入海馨がこれに乗り上げて、転覆してしまった。小野も気が気ではない様子ではあったが、すぐにピットに「選手異常なし」のアナウンス。安堵の空気が広がったのだった。入海はしっかりした足取りでピットに戻っており、アナウンス通り、無事だったようだ。

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 それにしても白井の足色は光っていたと言っていいだろう。エンジン吊りをしている最中に濱野谷憲吾が歩み寄って、「お前と一緒にならないほうがいいな!」と一言。これは白井にとっては誉め言葉である。選出順位を考えれば、一緒のレースになったら1号艇・濱野谷、2号艇・白井になりそうだからね。同期の二の舞は御免蒙りたいという次第で、早くも準々決勝の駆け引きが始まっている?(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)