BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――準決勝の朝

●シリーズ選抜進出戦

f:id:boatrace-g-report:20211206131844j:plain

 今日の5~10Rは「BBCシリーズ選抜進出戦」。各1着選手がBBCシリーズ選抜A戦、各2着選手がBBCシリーズ選抜B戦に進む。準決勝に進めなかった選手以外には、最終日にいわば“特別選抜戦”=賞金額がやや高いレースが用意されているのです。初日2日目と「シリーズ予選」と銘打たれていたレースは、この選抜戦出場を争うものだったわけで、トーナメントを勝ち上がれなかった選手のモチベーションをできるだけ保とうということでありましょう。

f:id:boatrace-g-report:20211206131933j:plain

 とは言っても、やはり全員がチャンピオンになるべく参戦したのであって、たとえば5R1着の深川真二、2着の上野真之介も「選抜戦進出!」という高揚感はほとんどなく、普通のレース後の様子であった。佐賀支部ワンツーだったから、肩を並べて“反省会”を行なう様はまさに先輩後輩の絡み以外の何物でもなかった、という感じだ。
 それでも、明日は深川はA戦で一般戦優勝以上の賞金を狙える! 足色はトップ級とも見えるだけに楽しみだ。

●いつもの白井英治

f:id:boatrace-g-report:20211206131957j:plain

 準決勝11Rを戦う白井英治は、5R発売中になってもまるで部屋着のようなジャージ姿だった。まだ始動していなかったのだ。もっともこれは、足色に不安がないときの白井英治の通常の様子である。ゆっくりと動き出して、レース直前までにしっかりと準備する。僕はそんな白井を見ると、エンジンいいんだなー、と推測するわけである。その5Rの締切が迫った頃、工具を空いていた係留所に置きに行って、いよいよ始動と見えた。仕上げに抜かりはないはずだ。

●早めの動き

f:id:boatrace-g-report:20211206132021j:plain

 白井とは反対に、早くから試運転をしていたのは平本真之。平本が朝から動いていると、「もしやチルトを跳ねる?」と想像してしまう。たとえば昨年のグランプリ優勝戦がそうだったし(本番は跳ねなかった)、今年のオーシャン優勝戦もそうだった(本番も跳ねた)。今日も一発勝負で試す可能性はあるが、見ている範囲ではその動きとは違うように思えた。それでも直前情報をご確認ください。

●3度で行け!

f:id:boatrace-g-report:20211206132049j:plain

 木製の長い定規を使って、モーターの取り付けをチェックしていた西山貴浩。おもむろに石野貴之を呼んで、アドバイスを求めた。「チルト0度でも乗りやすいんですよ」と話して、モーターとボートの取り付けの角度を石野に見せる。石野はそれを見て、「ゼロゴ(チルト0・5度)にする?」と西山に問いかけた。西山としてはそこが悩みどころのようで、石野の意見を聞きたかったのだろう。すると石野は……

f:id:boatrace-g-report:20211206132116j:plain

「3度で行け!」
 ダハハハ、チルト3度! たしかに鳴門は使用可能で、石野は「(チルトアジャスターを)持ってきてやろうか?」。今日は11Rで戦う2人。西山が3度にして伸びちゃったら石野やばいじゃん。それとも仕上げ切れないと見越しての悪魔の囁き? 前付けに来られたら厄介だし。さすがに西山は否定して笑っていたのだが、これも駆け引きだったりして。いや、仮に対戦相手でもアドバイスを送って、お互いベストの状態で戦おうということだろうか。ともあれ、西山がどんな取り付けで臨むのか、直前情報に注目を。

●紅一点の優出なるか

f:id:boatrace-g-report:20211206132210j:plain

 ピットで関係者と話していると、みな一様に「エミちゃんには残ってもらいたいよね」と口にしているのだった。今節、JLCのピット解説を担当している沖口幸栄さんも! 遠藤の“快挙”には誰もが期待しているのだ。
 本人は、浮足立つこともなく、落ち着いている印象。昨年大会で紅一点の優出を果たした守屋美穂と談笑する場面もあった。4R発売中あたりからボートを下ろす準備をしていたので、午後の時間帯に突入すれば水面で姿が見られるはず。もちろん僕も決勝進出、期待してます!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)