BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

とっても忙しい前検のピットから

f:id:boatrace-g-report:20220107170007j:plain

 前検の班分けは、SGならドリーム組が1班で、2班以降は登番順。他のレースでは、純粋に1班から登番順とうのが一般的なようであります。しかしこのバトルトーナメントは、すでにトーナメント(1回戦)のメンバーが決まっている。しかも、モーター抽選の後に枠番も抽選で決定しているので、もろレースごとに、枠番も本番の通りで班分けがなされている。1班は「トーナメント1」に組み分けられた6人で、8班は「トーナメント8」に組み分けられた6人。1班の1号艇は見事抽選で1号艇をゲットした中山雄太、8班の1号艇は同様に野村誠、という次第であります。

f:id:boatrace-g-report:20220107170031j:plain

 その枠番抽選では、間近で撮影していた池上カメラマン曰く「菅章哉が1号艇を引きたいって言ってましたよ。どうせなら1号艇で外に出たいじゃないですかーって」。おぉっ、このお祭りレースで菅は枠番不問のチルトマックス大外まくりをカマす気マンマン!? 引いたのは3号艇だったわけですが、今日のスタート練習ではダッシュオンリー! 3本目は北野輝季が大外に出ようとしていた菅に先んじて6コースに入って、早くも“マーク”してました。

f:id:boatrace-g-report:20220107170051j:plain

 あと、抽選で唯一笑いが起きたのが、茅原悠紀が6号艇を引いた瞬間。茅原は奇声をあげて大外枠を引いてしまったことを嘆き、「なんでやー……なんでやー」といつまでもブツブツ言っていたのでありました。そりゃみんな、笑うよね。それにしても枠番抽選はやっぱり楽しい。グランプリやクイーンズクライマックスでは緊張感も伴ったりするわけだが、このお祭りレースはみんながこの特別性を満喫しているように見えるわけです。これぞバトルトーナメントの醍醐味!

f:id:boatrace-g-report:20220107170112j:plain

 というわけで前検。勝ち上がりのシステムは独特でも、ピットでの動きがいつもと変わるわけではない。前検らしい慌ただしい時間がそこにはある。そんななか、誰よりも走り回っていたのは選手班長の平本真之だった。班長が忙しいのはどの節も同じだが、今日は何度も競技本部とピットを行ったり来たり。係留所でピット全体を眺めまわしては、また競技本部へダッシュ、などと尋常ではない慌ただしさなのだった。
 どうやら何らかの行き違いがあって、森高一真ら数名がいったん着水しながら、係留所に空きがなくて陸にUターン、ということになっていたようだ。その調整を班長がしていたようで、しかしやがてスタート練習とタイム測定が始まるため、森高らは陸上で待機と相成った。平本は森高のもとに駆けて行って事情を説明し、頭を下げる。しゃーないしゃーない、と気遣う森高。うむ、班長は大変だ。

f:id:boatrace-g-report:20220107170138j:plain

 別の意味で忙しそうだったのは、赤岩善生だ。赤岩は2班でスタート練習とタイム測定を終えると、着替えを終えるや本体を分解。前検日から本体を割ることは、赤岩にとっては珍しいことではなく、“いつもの動き”をさっそく始めていたのだった。そのかたわら、別の班が航走を終えて戻ってくると、手を止めてエンジン吊りへダッシュ! 東海地区の選手がいなくても、別の支部の選手のヘルプを精力的に行なうのだった。そしてまた整備室へダッシュ! 自分の整備を再開して、他班が戻ってくると……の繰り返し。今日は前後半に分けられることなく、1~8班の前検航走が一気に行なわれたため、その動きに途切れがない。8班まですべて終わったあとはじっくり腰を据えて、整備を続けるのだった。

f:id:boatrace-g-report:20220107170200j:plain

 忙しそうというわけではないのだが、不思議な光景を生み出していたのは岡崎恭裕。やはり2班の岡崎は、航走後はペラ室で調整に没頭。もちろんエンジン吊りには駆け付けている。で、エンジン吊り後、新兵の仕事であるモーター架台の運搬を率先して行なっているのだった。今節、岡崎は登番では上から18番目。まだまだ若手だと思っていたのにもうそんなに上、という感慨もあるわけだが、つまり30人も後輩がいるのである。登番がもっとも下の西橋奈未やひとつ上の川原祐明に混じって、岡崎が架台運搬。ようするに、班分けが登番順でないから若手選手がいろんな班に分散しており、架台運搬が手薄になったりするのである。それを岡崎がカバーしていた、という次第。それが当たり前であるがごとく黙々と動く姿はなかなかカッコよかった。

f:id:boatrace-g-report:20220107170239j:plain

f:id:boatrace-g-report:20220107170303j:plain

 さてさて、田中和也と柳生泰二のツーショットを発見。97期の同期生だ。97期といえば、SGでは西山貴浩が常連で、その西山と山口達也だったり池永太だったりのツーショットは時々見るわけだが、田中と柳生のコンビはなかなかレア。この2人、97期のやまとリーグ勝率1位2位なのだ。97期の卒業記念を取材したので(やまとで取材した卒業記念はこの期だけ)、15年以上経ってピットでこのコンビを見かけるというのはなかなか感慨深い。次はSGのピットでも見たいものですね。(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)