BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――ちょっとだけ新鮮

 今回で4回目の開催なので、改めて、という感じではあるのだが、ビッグレースの前検という点では、トーナメントであろうと変化があるわけではない。皆が忙しそうにキビキビと動き、実に慌ただしく時間が流れる。一般戦をほとんど取材していない身としては断言するわけにはいかないのだが、このクラスの選手たちの調整の素早さや勤勉さはやはり目を瞠るものがある。
 新鮮な点があったとするなら、新兵仕事を熱心にしているのが末永和也! SGクラスがずらり居並ぶ一戦に、ついに登番5000番台の最優秀新人が登場した。近い将来SG常連になってはいくのだろうが、プレミアムGⅠとはいえ、このメンバーのなかに彼がいることはなんとも感慨深い。逆に変則システムのPGⅠということが、余計なプレッシャーを取り払ってくれるかも!?

 同様に、佐藤隆太郎にも活躍を期待したい。今節は唯一のA2級。彼が優勝したバトルトーナメントとはまた雰囲気がかなり違って感じられると思う。しかしながら、すでにGⅠ優出を経験しているのだから、気後れする必要はまったくない。むしろジャイアントキリングを果たすチャンスだと考えて、優先出場である利をおおいに活かしてもらいたい。明日は12Rで末永とバトルトーナメント覇者の直接対決。外枠にも強烈な面々が控えているが、果敢な戦いを見せてもらいたい。

 もうひとつ新鮮な点は、ドリーム戦が行なわれないシリーズということで、前検の班分けが純粋に登番順であること。これまでもそうだったんだっけ? ちょっと記憶が曖昧だが、1班がタイム計測とスタート練習を終えて引き上げてきて、そこに今垣光太郎、松井繁……と登番上位の顔が見えたとき、改めて感じ入ったのであった。だから何だという話ではあるが、この点はビッグの前検とはちょっと違った感覚を得るものであった、というわけである。

 そうそう、実際は「純粋な登番順」となっていないところもあったのでした。本来であれば4班6号艇だった馬場貴也と、6班1号艇だった鎌倉涼が入れ替わっていたのである(鎌倉が4班6号艇に、馬場が6班1号艇)。ちょっと訝しく見ていたのだが、その謎は最終8班のタイム計測とスタート練習が終わる直前のアナウンスで解けた。
「8班のスタート練習が終わると同時に、前半の整備は終了となります。モーターを格納して集合してください」
 1~4班が前半で、5~8班が後半。前半終了後に30分ほど後半の試運転タイムが設けられており、前半の選手たちにはその30分プラス後半の航走時間が整備調整の時間として与えられていたということ。そして、前半の選手たちはいわゆる“第1便”として帰宿するというわけなのである。コロナ対策で帰宿が密にならないように、ということもあるのかな? まあ、びわこの宿舎は整備室のある建物の3階なので、階段を上るだけなんですけどね(もちろんいったん3階に上ったら、明日の朝まで2階には下りられない)。

 滋賀支部長の馬場は、今節の選手班長。だから最後までピットに残る必要があり、前半に入って早々に宿舎に戻るわけにはいかない。よって、後半に組み入れられ、それが6班1号艇への編入ということになったのだろう。というわけで、若手に混じって最後まで居残り、調整にも励んだ馬場。写真は瓜生正義と会話を交わしているシーンだが、こうして考えるとこの会話は「選手会長と支部長の会話」のようにも見えてきますね。(黒須田)