BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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優勝戦 私的回顧

超急戦

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12R優勝戦
①田口節子(岡山) 15
②高田ひかる(三重)21
③長嶋万記(静岡)  16
④守屋美穂(岡山)  11
⑤細川裕子(愛知)  24
⑥松尾夏海(香川)  13

 節子36号をまくりきるとしたら、伸び――るひかるっきゃない。
 私だけでなく、全国の多くの方々がそう思ったのではないか。参った。ひかるでもなく、1000勝リーチの万記でもなく、シリーズ前半まで伸び足に不安のあった守屋だった。4カドからトップスタートで一撃まくり。

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 スリットからひかるを抑え込んだことで、あるいは銀河女王にわずかな油断があったかもしれない。それにしても、守屋のアタックは速かった。早いではなく、速い。スリットから一気の絞めまくりではなく、しばし直進して長嶋を叩ききれると見切ってから舳先を左に傾けた。

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 そこからだ。しばし直進したとはいえ、まだまだ1マークの手前。当面の敵、長嶋を叩ききった直後に守屋はフルスロットルで真っすぐ1マークに向かった。まくりと言うより、全速直進。ひかるを制して悠々の先マイを決め込んでいた田口にとっては、まさに「青天の霹靂」だったはずだ。視界に飛び込んだ瞬間、もうまくられていた、みたいな。田口の旋回が落とすでもなく握るでもなく、中途半端なものになって守屋の落とした引き波に深くハマったのも仕方がないところ。1マークの手前であんな猪突猛進の直進(重ねて言うが、いわゆる「絞めまくり」ではなかった)を喰らったことは、長いレーサー人生でもそうそうなかったはずだ。たとえ、SGであっても。

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 もちろん、全速直進で1マークをぶん回した守屋も無傷ではいられない。1マーク後はずんずん外に流れ、しっかり広い桐生の向こう岸近辺まで飛んで行った。あのスピードだからして当然の帰結。それでも、回り終わってからは舳先がしっかり返り、昨日同様まくりマークでズバッと差した松尾ら後続艇より先行していた。まさに奇襲、強襲の全速直進まくり!!

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 守屋にとって、この卓抜な戦法は果たして作戦の一環だったのか。「田口さんに勝つには、これっきゃない」と腹を括って握り倒したのか。はたまたスリット隊形から身体が勝手に反応したのか。自宅の私に分かるわけもないのだが、どっちにしても「田口に勝つにはあのリスクの高い急戦しかなかった」と思うのだがどうだろう。そして、どっちにしても、今の私の脳みそに浮かぶ言葉は「守屋、マジ半端ない」だ。毎年毎年、常套句のように「みぽりん、どんどん強くなってる」「SGでも互角レベル」「今やSGタイトルにいちばん近い女子では?」などとお気楽にはやし立ててきた私だが、今日の1マークはマジでマジで半端なかったなぁ。

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 さてさて、予想&舟券で守屋を完全スルーした私が、これ以上書くのは見苦しいばかりだな。なんたって、ミリオンアタックで③-②-⑤をしこたま買い込んだらば、宇宙の真裏の④-⑥-①決着ってあなた。そんなポンコツジジイに、今日の勝者をアツく語る資格があるわけもなし。私のポンコツ予想に乗ってくれた方々に詫びを入れつつ、ヤケ酒呑んでふて寝するとしましょ。
 いつの日か、守屋の奇襲全速まくり込み込みで④-⑥-①の350倍を3000円以上買える人間になるぞ。
 などと見果てぬ夢を肴に。

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 さてさて、2日目から快刀乱麻の活躍で珠玉の作品を世に送り出したチャーリーズ池上先生の写真館もこれがファイナル。最後は古風な「一本締め」で、水面も優勝戦も我々スタッフも「大荒れ」だったシリーズのお開きといたしましょ。池上先生が厳選したラスト・エンジェルは、昨日までシリーズの圧倒的な主役だった女王様。

緊急無理くり企画『チャーリーズ・エンジェルズ』 第五夜

作品037『最後の一葉』

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