BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――フレッシュ

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 今回のクラシックは、ピットを眺めていても実にフレッシュな印象を受ける。まず、SG初出場が多いこと。一般戦の優勝回数も選考基準となるSGなので、その現象は起こりやすくはあるのだが、それにしても今年はその印象が強い。110期以降の選手が実に9人も出場していることも一因だろうか。若手の選手が多く出場するというのは、未来を明るくすることではある。
 しばしビッグから遠ざからざるをえなかった村松修二がここに戻ってきたのも嬉しい。一昨年のクラシックでSG初出場を果たし、いきなり予選突破の活躍。やや遠回りを強いられてしまったわけだが、ここからが逆襲の時だ。

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 112期が3人というのも、実に新鮮な光景である。今泉友吾がSGに辿り着いたことで3人が揃うことになったわけだが、山崎郡の昨年の躍進も見事であり、山田祐也の四国地区選での6コース一撃は鮮やかだった。この3人が肩を並べる図というのは見られなかったが、今泉-山崎、今泉-山田、山崎-山田はそれぞれ目撃した。今後は何度もSGで顔を合わせなければならないだろう。

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 この二人が揃ったのもやっぱり嬉しい。藤山翔大と菅章哉だ。オールスターにもそこそこ上位で選出されたように、今や注目の的! 藤山がモーターを装着する際には菅が歩み寄って会話を交わしており、両者の絡みというのはやっぱりちょっと胸がときめきますね。藤山は、全選手のなかでモーターを装着したのが最後だった。つまり、すでに藤山仕様の調整をかなり進めていたものと推測される。また、菅は今日の特訓にチルト0・5度で臨んだようだ。二人とも、持ち味をSGの舞台で発揮するべく、早くも調整を進めている。

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 関係者と話していると、「渡邉和将がSG初出場とは意外」という声をいくつか聞く。たしかにSGで会った記憶はなく、しかしとっくに出場していてもおかしくない力量をもつ選手であるのは間違いない。直前の繰り上がりでこの舞台にやって来たわけだが、いきなり活躍してもおかしくないだけの男だと踏んでいる。今日は少しピリピリしているようにも見えたが、どうだろう。

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 世代はぐっと上になるが、やはり長野壮志郎がここにいるのも嬉しくなってくる。これがSG3度目の出場だが、前回はもう10年以上も前のことだ。その長野とずっと一緒にいたのが同期の石野貴之。いやはや、仲いいなあ、この二人。係留所から石野が肩を抱きながら上がってきたり、エンジン吊りに向かいながらずっと談笑していたり。石野もSGの舞台で再会できたのが嬉しいのだろう。

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 また、地元の赤坂俊輔も同期生。赤坂もまた長野と笑い合う姿を頻繁に見かけるのだった。長野、愛されてるんだなあ。久々のSGといっても、周りには心強い盟友が揃っている。実力は十分に発揮してくるはずだ。

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 で、フレッシュさを感じるもうひとつの要素のように思えるのが、「登番最上位=太田和美」ではないか。怪物くんが最年長!? 年齢的には前本泰和も同い年だが、こちらは登番が上から2番目。69期、70期が最も古株となるSGがついに来たんだなあ。彼らが若手だった時代を知る者としては驚くほかない。そして、ボートレースも時代が進んでいるのだということを改めて実感させてくれる。もちろん、太田もまだまだ若々しいレースを見せるわけで、今回もハツラツとした円熟、といった走りを存分に披露してもらいたい。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)