BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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児島レディースVSルーキーズバトル初日回顧


 本日の紅白結果は――。

 

紅組4勝 - 白組4勝

 

 まったくの五分と五分……というわけではなく、本日団体戦は女子が1~3枠を占めた番組が全5レース、男子が1~3枠を占めたレースが全3レースだったので、白組が紅組有利の番組をひとつ覆したことになる。その覆したレースが6Rである。


 6Rは、還暦の日高逸子が1号艇、58歳の渡辺千草が2号艇、2人合わせて118歳の大ベテランスロー勢に、4人合わせても94歳という10代・20代選手が挑むという構図。
 コンマ11のスタートから、スリット通過後も艇を伸ばしていき、しっかりと逃げ切った日高はさすがの一語に尽きるレース。
 そして、右隣がヘコんだ危険なスリットにもかかわらず、渡辺も老獪な小回りターンで2番をキープした。

 大ベテランの技あり結末かと思いきや、 篠原飛翔がジワジワと伸びてくる。スリット裏では渡辺と1艇身の差があったが、1周2マークはターンスピードの差で篠原が追い付いて、二者は並走状態になる。


 圧巻だったのは2周1マークで、先に回ろうとした渡辺の上を、速さでねじ伏せるように篠原がブン回す。ターンスピードの差は歴然で、両者が旋回を終えたときにはすでに2艇身の差がついていた。

 一難去った渡辺には、また一難が襲い掛かってくる。今度は4番手を走っていた谷口知優が迫ってきたのだ。 


2周2マークで追い付かれると、3周1マークでは谷口がスピードのある鋭角差しを放つ。こちらもスピードの差はあきらかで、立ち上がったときには、すでに1艇身の差がついていた。

 渡辺が2着から4着へ落ちたことにより、紅組が1着4着6着(10+4+1=15点)、白組が2着3着5着(8+6+2=16点)となり、白組の勝利。渡辺のエンジンが出ていなかったこともあるだろうが、篠原や谷口のターンスピードは、勝率4点や3点の選手には見えなかった。ベテランのテクニックVS若手のスピードを堪能できるのがこのシリーズの楽しさだ。

 

 初日は一日を通して3m前後の向かい風が吹いており、前半は程良いまくり風になった。


 2Rでは攻める山川美由紀を止めて先まくりを打った野田部宏子が快勝、3Rでは見事なタイミングで放たれた井本昌成のまくりが決まり、4Rは野田彩加の豪快な4カドまくりが決まるなど、まくりが3連勝。

 しかし団体戦が始まると、まくりの流れが一転してイン逃げ連発。
 8Rの溝口海義也、11Rの木下雄介など、インにあと一歩まで迫った選手もいたのだが、振りほどかれてしまった。まあ、本日の番組は上位選手が1号艇に配された番組が多かったので、納得の結果ではある。

 そんな中、唯一のまくりを決めたのが7Rの畑竜生だ。コンマ12のトップスタートを決め、内2艇がヘコんでいる絶好のスリット状況だったのだが、スタートで揉んだため艇が伸びていかず、そのまま真っすぐ走って1マーク手前に到達してしまう。


 位置的には、まくると飛ばされ、まくり差しはスペースがなく、二番差しはありえない、そんな厳しい状態だったのだが、畑は狙いすましていた。内2艇にチラリと目をやると、2号艇の江藤敦宏が旋回態勢に入るよりも、一瞬だけ先にターンを放つ。すると2号艇、1号艇の艇尾を舐める、最短距離を走るような鮮やかなツケマイになった。リプレイを見直してみても、「ここしかない」という絶妙なタイミングのまくりである。

 イン逃げが連発した初日団体戦で1号艇を使わずに10点を上積みできたのは大きい。初日は畑だけでなく、優勝経験のない選手の活躍が目立った。最終日にはルーキーズの水神祭が見られるかもしれない。

(PHOTO/池上 TEXT/姫園)