前半に同期の話を書いたが、忘れてました、西山貴浩と土屋智則の97期コンビ。今節は行動をともにすることも多いし、後半の時間帯には西山が土屋の肩を抱きながら歩いている姿もあった。土屋の肩を揺すりながら、西山が言う。
「もうダメじゃぁ~~~」
ニコニコと目を細める土屋。傷を舐め合うってやつ? 今節、西山も土屋も劣勢な機力に苦しんでいる。整備も試運転もしているのだが、どうにも正解が出ていない。西山は6Rでチルトを1度に跳ねて6コース決め打ちの奇策を見せたものの、奏功しなかった。ダメじゃぁ~と言いたくなるのもわからんではない。でも、でも、頑張れ曲者97期! ふたりとも予選突破はかなり厳しいが、今節はまだ折り返したところだ。残り3日、水面をかき回して盛り上げろ!
同期ではないが、始終一緒に動いているのが原田幸哉と柳沢一の師弟コンビ。原田は後半の時間、大がかりな本体整備に取り掛かり、柳沢がそれをじっと見守っているのであった。原田は6Rで3コースまくり差し1着。しかしながら安達裕樹に追い回されて、あわや逆転を許すところだった。勝ったら整備をしにくくなるというのが人情だろうが、あれだけの接戦に持ち込まれては、パワーアップの必要性を痛感したというところか。柳沢は特に何か手伝うわけではないし、アドバイスをしている様子も見えなかったが、原田としては柳沢がそばにいるだけで心強いということだろう。まあ、どっちが師匠なのかわからんのではあるが(笑)。
さてさて、9R後に思い切り顔をしかめていたのが森永淳。1マーク握って瓜生正義を引き波にハメて2番手争いに持ち込んだものの、道中捌けずに4番手に下がってしまった。悪くないレースぶりだとはいえ、競り負けてしまってはやはり悔恨しか残らない。何度も何度も首をひねって、悔しさをあらわにするのだった。それでも、瓜生を前にしたら直立不動で腰を90度以上折る最敬礼。瓜生としてはしてやられた格好だが、礼を尽くされれば軽く頭を下げ返すというものだ。森永は開会式で「カネの雨を降らせる」とレインメーカー宣言。しかしここまでまだ雨雲さえ作れていない。そろそろゲリラ豪雨並みのカネの雨、頼みますぞ!
10Rでは、池田浩二が痛恨の表情を見せた。昨日までオール2着だったが、今日は一頓挫した格好。6コースから見せ場を作れなかったこの10Rでは、レース後に憤ったような顔にもなっている。まあ、仲良しの西山貴浩が近づいてきていたから、おどけてみせていたのかもしれないけど。勝負駆けとなる明日、怒りの一撃が期待できるか。
その10Rでは、桐生順平が逃げ切って、朗らかにピットに戻っている。どことなく意味ありげな笑顔にも見えたが、ようやくスッキリしたレースができたといったところだろう。この勝利で、なんとか明日に望みをつないだ格好。明日は渾身の勝負駆けとなる。どんな策を講じてくるかもあわせて、注目したいところだ。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)