BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――いきなりの事故……

 オープニングから波乱……。4カドから一気にまくった中村泰平が、バック水面からそのままコースを外れていった。えっ、フライングか……。
 と思ったら、ビジョンには「返還④⑤⑥」の文字が。ダッシュ勢が揃ってフライングとは……。初日1Rでいきなり飛び出てしまった複数艇F。今頃まつりちゃんが公式Twitterで怒り狂ってるのではないかと想像するわけだが、シリーズとしてもあまり幸先のよくない幕開けとなってしまった。

 ピットに戻ってきた中田達也と豊田健士郎は呆然とした表情を見せた。彼らは2マークを旋回しており、どうやらフライングとは思わなかったようだ。だとすると不思議な感覚というべきで、中田はコンマ11、豊田はコンマ10と大幅にはみ出してしまっているのだ。中村もコンマ07で、かつての制度なら即日帰郷だ(現在は帰京はしないが、フライング休みがプラス5日)。それだけ飛び出していてもフライングと感じなかったのだとすると、今日のスタートは相当難しいということだ。台風が去って、前検日とはかなり感触も変わっているのだろう。中村、中田、豊田にとっては長い長い一節となってしまうが、腐らずに頑張ってもらいたい。

 3艇Fということもあって、1着となった竹田和哉には笑顔が見られなかった。ダッシュ勢の後塵を拝する展開だったわけだから、いろいろな意味で複雑な心境になってもおかしくない。もっとも、1着は1着! ツイていたのだと割り切って、ポイントを積み重ねていきたいところだ。

 2Rは6人全員がスタートに気を遣うことになったと思われるが、それでもゼロ台のスタートを決めたスタート番長・鈴谷一平を制して、溝口海義也が先まくり。これが見事に決まって、GⅠデビュー戦で1着! まさしく快勝だ。出迎えた福岡勢にも、またレンズを向けるカメラマンたちにも、満面の笑顔を見せていた。若者の弾けるスマイルはいいですなー。

 一方、まくられてしまったインの板橋侑我は浮かない顔だ。3番手争いには持ち込んだものの、2マークに事故艇もあって、4着。もちろん必勝の構えで臨んでいたはずだから、1号艇で満額ポイントをゲットできなかったのは痛い。溝口とはまさに対照的な雰囲気で、なんとか巻き返しをと願わずにはいられない。

 この2Rでも事故が起こってしまっていて、2周2マークで吉田裕平が転覆。朝はわりと余裕の雰囲気で、手応えが悪くないのかなあ、などと想像していたのだが、この転覆で調整はやり直しとなってしまう可能性がある。いろいろな意味で痛い転覆だ。

 これに絡んで、鈴谷一平が不良航法をとられてしまった。旋回でキャビったことが転覆の原因と判断されたのだ。鈴谷は、ピットに戻るとエンジン吊りは仲間に任せて、控室へと猛ダッシュ。先にレスキューで帰ってきていた吉田のもとに駆け付けたのだ。大きな責任を感じているのだろう、顔は引きつっており、まさに沈痛。減点は痛いが、やはり腐らず全力疾走で巻き返せ!(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)