BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

芦屋レディースvsルーキーズTOPICS 2日目

分厚いレディースの選手層

 2日目の今日は1号艇=インコース8勝と本命サイドの決着が多かった。団体ブロック戦は5Rから【白白紅白白】とルーキーズが圧倒的な勢いで突っ走り、10Rから【紅紅紅】のレディース3連勝でキッチリ帳尻を合わせた。今日の対戦成績は4-4のイーブンで、2日間のトータルはこうなっている。

★2日間の団体戦ポイント

 紅組79白組

 続いて、個人戦のV戦線は有力なA級レーサーたちが順調に得点を伸ばしている印象だ。12R終了時点の両チームのトップ6をアップしておこう。

ルーキーズ
①井本昌也  9.33
②廣瀬篤哉       9.33
③砂長知輝       8.00
④原田才一郎   8.00
⑤前原大道       7.33
⑥伊藤尚汰       7.33

レディース
①中田夕貴    9.33
②鎌倉 涼    9.33
③倉持莉々    9.00
④川野芽唯    8.67
⑤魚谷香織    8.67
⑥渡邉優美    8.67

 ルーキーズ組のトップは評判の19号機を駆る井本で、相棒のパワーも込み込みで文句なしの優勝候補。一方のレディース組は1~6位まで錚々たるメンバーが居並び、さらに7位からも高田ひかる、西橋奈未が続く盤石の布陣。団体戦としては白組が押している印象だが、こと個人戦に関してはレディース組の層の厚さが際立っており、トータル互角の争いと見ていいのかも?

明日のブライトホース

伸びシロっきゃない!!
5155内山七海(福岡・127期)
  本日【4R2号艇2着・8R4号艇4着】
  明日【4R3号艇・8R5号艇】

【内山七海】でネット検索すると、「可愛い」「ハーフ美女っぽい」などというキーワードとともに、漏れなく「苦労人」の文字が目に飛び込む。その心は……ボートレーサー養成所に6連続チャレンジして6連続落選。これがラストチャンス! と大学を中退してトレーニングに励み、7度目の受験でなんとか滑り込んだ。
 確かに6連続落選は「苦労人」に相応しいが、転んでも転んでも一途に真っすぐレーサーを目指したあたり、内面の芯の強さを感じる逸話でもある。祖父は昭和時代に活躍したボートレーサー橋本忠さん。それを知った高校時代の七海が「どんなもんやろ」と芦屋や若松に足を運び、ミイラ取りがミイラになった。ちょっと違うか。とにかく、あっと言う間に魅入られた(笑)。
 で、なんとか127期に飛び込んだものの、そこでも苦労は続く。修了生29人中14人が女子という女所帯で、リーグ成績は劣等ゾーンの4・40。7・12の首席にして127期のチャンプに輝いた清水愛海とは、まさに「月とすっぽん」の大差とお伝えしていいだろう。リーグ戦の優勝戦などとは無縁のまま、1年の下積み生活を終えた。ただ、合格者52人のうち23人が途中で脱落した中で、底辺ながらも修了式まで粘り抜いたあたり、ここでもやはり芯の強さが垣間見える。
 苦労は続くよどこまでも。11月にデビューした2020年の全成績は666666欠6566666……年が明けても6656655転656F666666666666666666666664666666666656665……と這い続け、若松でのデビュー初勝利は1年1カ月後の12月29日、268走目の水神祭だった。それからさらに2年が過ぎて、通算1着数はやっと2ケタの10勝。
 やっぱ、同期の超エリート愛海ちゃんの足元にも及ばないな。まだまだ舟券を買えるレベルじゃないな。
 つい先月、クイクラシリーズ戦での愛海ちゃんの活躍を目の当たりにしたファンは、誰もがそう思うだろう。今節の出走表に記されている七海の全国成績も2・59だし。

 だがしかし、今日現在の七海ちゃんをあまりにも軽視していると、とんでもないしっぺ返しを覚悟すべきかも。去年と今年のあるデータを見比べていただきたい。

★七海ちゃんの伸びシロ
     勝率  3連対率
2022年  2・85  20・4%
2023年  4・05  38・1%

 今年に入って21走、1着こそ1回ながらレースの安定感が大幅アップ! 今日の前半4Rで渡邉優美の猛追をすべて適切に受けきって2着⇒後半8Rは1期先輩の江藤敦宏を追い抜いて4着入線。見た目は枠番どおりの着順を取っただけだが、中身の濃さはまさに4点~5点台に匹敵するだけの技量とスピードを感じさせた。
「苦労人」というレッテルを貼られつつ、すべての苦労を底辺ながらクリアしてきた内面の強さが、徐々に徐々に開花しはじめているのかも?
 そんな可能性を真っすぐに感じさせる2着と4着だった。明日の七海は3号艇・5号艇の2回走。根性娘の伸びシロを魅せるには、なかなかに魅力的な枠番ではなかろうか。

 今日は珍しく女子選手をピックアップしたので、何人かのルーキー世代の女子フォトもアップしておこう。

★吉田彩乃(静岡・126期)

 7R1号艇でインからしっかり押しきり、デビュー8勝目を挙げた。2コース西橋奈未を寄せつけない圧逃劇だっただけに、大きな自信にもつながるだろう。明日以降、1枠以外でも要注意!

★北村寧々(長崎・128期)

 5・5・6着。今のところ1マークで後手を踏むレースが続き、残念ながら紅組のお荷物的存在。ただ、スタート勘が徐々に合ってきた印象もあり、明日から仕切り直しでデビュー5勝目にチャレンジしてもらいたい。

★米丸乃絵(福岡・128期)

 昨日の2戦は「ど、どうした44号機??」ってな感じのスリット足・実戦足だったが、今日の7RはA級の砂長知輝を一気に抜き去る快速を披露。最後は抜き返されてしまったものの、超抜機の片鱗を魅せる戦いぶりだった。同期の寧々と同じくデビュー5勝目に突き進め!(photos/チャーリー池上、text/畠山)