BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――新人連勝!

 前検が終わった後、「整備をするかどうか考えている」と言っていた田村隆信。周りからは悪くないと評価されたことで、そのまま行くかどうか悩んでいるとのことだったが、結局今日は本体を割った。やはり気になる部分はしっかり解消しておきたいということだろう。やっぱり整備したんですね、と問いかけたら、田村は涼しい顔で「ええ」と一言。手早く作業を進めて、早々に水面へと向かっている。

 松井繁は昨日すでに本体を割っていたわけだが、今日もふたたび整備に取り組んだ。昨日も書いたが、これが「王者の淡々」なのである。表情は決して深刻ではなく、原田幸哉と笑顔を交わす場面もあった。今日はドリーム1回乗りで、まだまだ時間がある。試運転してみてまだ違和感があるなら、さらに整備をすればいい。そんな泰然とした風情である。

 整備をした選手はそこそこ多く、秋山広一も行なったようだ。11R1回乗りと、やはり時間がたっぷりあるので、こういうときに本体を割っておくというのが、長年走ったことで得られた経験則なのだろう。

 1R発売中には原田幸哉も本体を外したので、整備をするかと思ったら、ものの10分でふたたびボートへと装着した。この短時間で何かを交換したとするなら、キャリアボデーだろうか。

 1R3着だった寺田千恵は、装着場でキャリアボデー交換の作業を行なっていた。若松はもともと純地元のテラッチということで、整備士さんもかなり親身な様子で寺田の作業を見つめていた。まずまずのスタートを切ることができた寺田、これでさらに上向くことになるかどうか。あ、実際に交換して出走するかどうかは直前情報をご確認ください。試運転での感触がいまひとつならも元に戻す場合もあるので。

 さてさて、オープニングは山本隆幸が逃げ切り。銀河系軍団がマスターズチャンピオン初勝利! 今村暢孝の前付けがあって、深い起こしになりながらの逃げ切りだ。なかなか価値が高い勝利と言える。山本はリフトで上がってくるときにはもう笑顔で、仲間の祝福を受けながら、自ら拍手をしてみせている。勝利者インタビュー後には師匠の松井繁に報告。気分上々のマスターズ初陣!

 2Rも前付けがあって、しかし魚谷智之以外は抵抗して、という進入でありながら、中岡正彦が逃げ切った。魚谷智之が大外からぶっ飛んできたが、なんとか先マイして押し切っている。中岡もマスターズデビューを、厳しい状況を乗り越えて逃げ切りで飾った。こちらもお見事だ。比較的淡々としているタイプなので、表情の変化は見つけられなかったが、このまま勢いに乗っていきたいところ。3Rの1号艇・黒崎竜也は勝てなかったが、序盤はマスターズ1年生が活躍した。今年は新人の席巻があるかも!(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)