BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

若松マスターズTOPICS 初日

 マスターズ初日は【インコース6勝/万舟5発!!】というなかなかな波乱水面だった。日がな吹き荒れた強い向かい風の影響もあっただろうが、穴党にとって明日以降にも夢が膨らむ1日だったはずだ(自称・穴党の私は1個の万舟も獲れなかったけどーー><)。
 で、眼前の波乱レースを眺めつつ「もしかしたら、前付け選手が暗躍するマスターズだからこそ、こんなにわらわら荒れるのかしらん?」という思いが膨らみ、直近6回のマスターズのデータを調べてみた。ところどころで注釈を入れるので、興味のある読者はお付き合いいただきたい。興味のない読者は読み飛ばして、後半のパワー評価の記事にワープしてくださいまし!(笑)

2022三国大会(上平真二V)

初日  ①4勝-万4発
2日目 ①6勝-万4発
3日目 ①7勝-万2発
4日目 ①7勝-万4発
5日目 ①8勝-万3発
最終日 ①8勝-万1発
合計  ①40勝-万18発

【参考】今年3月の三国周年記念

初日  ①7勝-万1発
2日目 ①6勝-万3発
3日目 ①8勝-万2発
4日目 ①8勝-万2発
5日目 ①7勝-万2発
最終日 ①8勝-万1発
合計  ①44勝-万11発

※一例だけで判断するのは危険だが、「今年の三国・周年記念より、去年の三国マスターズの方が全体的に荒れ模様」という事実に注目しておきたい。

2021下関大会(原田幸哉V)

初日  ①7勝-万3発
2日目 ①7勝-万5発
3日目 ①8勝-万2発
4日目 ①7勝-万2発
5日目 ①8勝-万2発
最終日 ①5勝-万1発
合計  ①42勝-万15発

2020津大会(村田修次V)

初日  ①10勝-万1発
2日目 ①5勝-万2発
3日目 ①9勝-万1発
4日目 ①9勝-万0発
5日目 ①9勝-万3発
最終日 ①7勝-万2発
合計  ①49勝-万9発

2019宮島大会(今垣光太郎V)

初日  ①6勝-万3発
2日目 ①5勝-万2発
3日目 ①7勝-万4発
4日目 ①7勝-万2発
5日目 ①5勝-万4発
最終日 ①8勝-万2発
合計  ①38勝-万17発

2018福岡大会(渡邉英児V)

初日  ①2勝-万5発
2日目 ①6勝-万2発
3日目 ①6勝-万3発
4日目 ①5勝-万1発
5日目 ①6勝-万2発
最終日 ①3勝-万1発
合計  ①28勝-万14発

※もちろんレース場の性質が大きくものを言うのだろうが、同じマスターズでも大会によってイン1着率や万舟の数が極端に変わることが見てどれる。ざっくり「初日が荒れると最後まで荒れやすい」という傾向があると思うのだが、果たして今年は??

2017津大会(今村 豊V)

初日  ①7勝-万3発
2日目 ①7勝-万2発
3日目 ①8勝-万2発
4日目 ①4勝-万3発
5日目 ①6勝-万4発
最終日 ①8勝-万1発
合計  ①40勝-万15発

※2020年と見比べていただきたい。同じレース場の同じマスターズでも、イン1着率と万舟数は激変する。これが意味するところは……分かりません!(苦笑)

【参考】今年1月の若松周年記念

初日  ①6勝-万3発
2日目 ①5勝-万1発
3日目 ①6勝-万4発
4日目 ①9勝-万2発
5日目 ①8勝-万1発
最終日 ①10勝-万1発
合計  ①44勝-万12発

【参考】今年2月の若松・九州地区選

初日  ①6勝-万2発
2日目 ①7勝-万3発
3日目 ①9勝-万2発
4日目 ①4勝-万5発
5日目 ①6勝-万0発
最終日 ①6勝-万3発
合計  ①38勝-万15発

※とりあえず、直近の若松の記念レースの結果を添えておく。自称・穴党の私としては、「このふたつの大会より、今節のマスターズの方が絶対に荒れる!!」と勝手に信じ込んでおります。

 さて、目がチカチカするような数字遊びはここまで。初日の全レースを観て、明らかにパワー上位と判断できる人機を紹介しておきたい。まずはバレバレながら、今日イチ派手に暴れたのがこの人機だ。

★魚谷智之52号機

 最高気温が26度に達してスリット足がどれも似たり寄ったりに見える中、伸びなりグングン出て行ったのが魚谷52号だ。まず前半2Rは2号艇という好枠ながら、外4艇を内に招き入れて6コース単騎ガマシを選択! これは特訓~スタート展示でも一貫していたから、予定通りの作戦だった。つまり、「伸びに自信があるので、アウトでも構いませんよ」の意思表示。昨日は「伸びるけど手前に寄せたい」みたいな談話を残したようだが、心境の変化があったか。それとも、手前に寄せても自慢の伸び足が落ちなかったのか。
 とにかく、颯爽と6コースに回った魚谷はスタートからしっかり伸び、あっという間に5~2コースの選手を叩き潰した。インで突出していた中岡正彦までは届かなかったが、さらに自信を深めるアウト強襲の2着だったはず。

 で、後半7Rの魚谷は6号艇ながら5コースをGET。④大澤普司がピット離れで遅れたためだが、このワンステップアップはでかい。前半より勝ちやすいコースからスリットで勢いよく飛び出し、そのままほぼフルスロットルでインの中澤和志29号機まで叩き潰してしまった。おそらく枠なり6コースなら届かなかったはずで、和志にとっては不運、魚谷にとっては超ラッキーな5コースと言えるわけだが、とにかく2戦連続で果敢に攻めまくった魚谷とその気合にシンクロした52号機を絶賛すべきだろう。30%に満たない数字ながら、さすが『三島敬一郎十傑』の精鋭だ。で、昨日の私は魚谷52号を「A」と評価したが、【出A・直S】でトータルA+に昇格したい。

★飯島昌弘37号機

 魚谷52号の活躍は想定内だったが、コッチはかなりのサプライズ! 8Rの3コースから自力まくりで先頭争いに。ここまでは「1マークあるある」だが、ターン出口からの押し足の力強いこと。カメラ目線では一番差し辻×二番差し守田という74期コンビに差し抜かれて不思議じゃない見え方だったのに、あれよあれよと突き放していた。37号機は33%台の中堅機だが、今日のあのバック直線を見る限り、それをはるかに上回るパンチ力があるとお伝えしておきたい。

★山本隆幸61号機

 他では1R1号艇でしっかり逃げきった山本隆幸61号機の足色も間違いなく上位。昨日の特訓では「他と変わらない感じ」とやんわりディスっていた私だが、見立て違いと言わざるをえない。少なくとも、セット交換をしてもダメダメだった同期の田村隆信とは雲泥のパワー差だった。自己弁護も兼ねて言うなら、「あまり特訓では目立たないけど、実戦でしっかり動くタイプの足」なのだろう。そう思わせてください!(苦笑)

 一方、今日の実戦で案外だったのが、前検でSランクを授けた天野晶夫5号機だ。5Rの5コースから「展開を突くまくり差しで上位争いか!?」と思った瞬間、複数の引き波にもたれるようにずり下がってしまった。原因は特定できないものの、ああいう下がり方をするときは回転が合っていない場合が多い。魚谷にまくられた中澤29号機ともども、ひとつの敗戦だけで軽視することなく「明日こそは」という期待とともに、隙あらば舟券に絡めたいと思っている。(photos/シギー中尾、text/畠山)