BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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尼崎・甲子園TOPICS 3日目

V候補の5人衆

 今日は単なるパワー評価ではなく、私が勝手に「有力なV候補」とインプットしている人機たちをそれぞれのレース内容も含めてアップしておきたい。

★関 浩哉13号機 A+【出A・行S】


 10Rの実に危なげないイン逃げで、茅原の今日イチ上がりタイムをコンマ1秒だけ更新。ぐんぐん後続を引き離す足色は、やはり節イチ候補に相応しい。今日の8本のイン逃げの中で、いちばんパワフルな逃走劇だったと確信している。
 ちょこっと不可解だったのが前半6Rだ。このレースは2コース中島孝平がインで凹んだ下條雄太郎を楽々のジカまくり。3コースの関にとっては絶好の展開で、簡単に割り差しが入りそうなポジションだった。が、そこからオーバーランというか、中島に寄りすぎ握りすぎで差し場を逸脱。代わってたっぷりの差し場に舳先を突っ込んだのは、今節の関にとって厄介なライバルになるであろう桐生順平だった。

 リプレイを見ただけでは①乗り心地などの問題で舳先が入りきらなかったのか、②単なる判断ミスだったのか、その判別は難しいが、なんにしても6号艇の桐生に先着を許したのは激痛かも。今後のV戦線の勝負どころで、【6R2着・桐生×3着・関】がモノを言う可能性は低くない。

★桐生順平47号機 A【出A・直A+】

 文面の流れから、この男に触れるのは必然だろう。しかも、機力的に関13号機とかなり接近した足色と値踏みしてもいる。まず、6Rで2番手を取りきってから、関の追撃を寄せつけなかった。むしろ少しずつジリジリ突き離す見え方で、私の比較鑑定は「関とほぼ互角か、少しだけ劣勢」。ってなわけで、上記の評価を授けた。

 嗚呼、それにしてもの天晴れなアウトまくり差し。この貴重な2着=8点を加算して、あれよあれよの暫定トップに昇進だ。いみじくも同2位は関! あの1マークの差し場を関が奪いきれば、両者の立ち位置は逆だった。で、こんな流れでチャンスの神様を掴んだ桐生順平がどれほど強いか、多くを語る必要はないだろう。明日の桐生の勝負駆けは【6R5号艇・12R1号艇】。【11R6号艇】の関とのポイント勝負で競り勝ったほうが、深紅の優勝旗に大きく近づくだろう。

★茅原悠紀43号機 A+【出A・行S↑】

 昨日の当欄で「パンチ力はないが」と前振りしたが、なんのなんの、今日はスリット近辺の行き足が狂暴化。前半3Rは4カドから内・石丸海渡のまくり差しにやや詰まりながらの二番差し。攻めが遅れたのみならず、外から握った濱野谷憲吾の引き波をモロに浴びたが、それでもバック最内から伸びる伸びる! 4艇横一線からあっという間に1艇身ほど抜け出し、2マークを軽々と先制して独走態勢に持ち込んだ。上りの1分49秒4も9Rまでの今日イチ猛時計だ。

 後半9Rはインからまさかのスタート凹み⇒③中澤和志の一撃まくりを浴びたが、パワー負けとは無縁の2着。むしろ、大敗必至の展開から小回りでしぶとく食い下がり、ウィリーも噛ませて中澤にぐんぐん肉薄したレース足は鬼の領域。どこの部分をとっても、やや地味足だった昨日よりパワーアップしていたと思う。3日目を終えて暫定7位ではあるが、選手の力量込み込みで俄然有力なV候補とお伝えしておく。明日の茅原は【8R3号艇】の一発勝負だ。

★佐藤 翼58号機 A+【出A・直A+】

 今日は11R4号艇で3着。1周2マークで今節の「ミスター2着」池田浩二の鬼差しを浴びたが、直線もターン回りも力強い足色だった。ただ、低気圧など気候が荒れた昨日のほうがサイドの掛かりが強かったと思うのだがどうか。
 前検から私が騒いでいる割に、節間成績は4223着で暫定16位。昨日の1号艇での2着が痛恨だが、私の勝手な見立てではこんな順位にいる人機ではないと値踏みしている。明日の翼は【1R3号艇・9R5号艇】の2走勝負。さほど楽なハードルではないが、私の皮算用では「準優2号艇あたりまで押し上げるのでは??」と見積もっている。ならば、舟券に絡めるのは必然中の必然だろう。

★池田浩二49号機 B+【出A・直B】??

 ってな流れで「ミスター2着」へ。いやはや、茅原の激差しを浴びたドリーム1号艇から、3号艇でも5号艇でも、今日の4号艇でも2号艇でも2着2着2着2着2着ってあなた! 例によってとにかく道中の捌きが的確かつスピーディで、どんな展開からでも2着を取りきるから呆れる他にない。実戦の足色も機力なのかテクニックなのか判別しにくい3日間(いつでもそうなりがちな選手ではある)で、現状の推定パワーは中堅上位くらいと見ている。2着だけで暫定3位に付ける池田の明日は【7R6号艇】の一発勝負。おそらくきっと、このレースは【全-⑥-全がバカ売れする】と予言しておこう(笑)。

 私の胸中では「おそらくこの5人の中の誰かが優勝する」と思っている。で、初日の当欄で「関13号機のV確率は50%以上」と予言したが、今日の6Rの桐生2着×関3着でその自信はわずかに揺らいだ。それでも関13号機は「予選トップ=準決勝も決勝もエース1号艇」じゃなかったとしても、頂点に立てるポテンシャルがあると信じ込んでもいる。
 上記の5人以外では三島十傑らしいパワーが表出してきた中澤和志2号機、今日になって一気に出足系統が仕上がった馬場貴也9号機あたりも、明日からのV戦線に食い込んでくるだろう。

 そしてそして、準優には乗れないかも知れないが、レース足が明らかに優勢な多田有佑61号機、不発ながらも3カドでスタンドを沸かせた佐竹友樹24号機、セット交換で不気味にパワーアップした門間雄大42号機と木場悠介34号機、転覆の影響がなければ常に一発を警戒したい今井美亜4号機あたりは「穴舟券のお供として絶対に軽視禁物」とお伝えしておこう。(photos/チャーリー池上、text/畠山)