BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――水神祭ラッシュ!

 3日目序盤はGⅠ初勝利連発! 1Rは原田才一郎だ。中村泰平が3カドに引くなか、2コースの原田はF2も怯まず1艇身の好スタート。中村より先にまくって出て、見事に先頭ゴールを果たした。2年前のヤングダービーにも出場して、初勝利ならず。それ以来のGⅠ出場で念願の水神祭だ。出迎えた仲間たちも大はしゃぎだし、原田も笑顔満開。ピットには祝祭ムードが巻き起こった。
 水神祭は10R終了後となりそうだが、それに先立ってGⅠ初勝利の記念撮影。「俺を祝え―――っ!」と原田が叫ぶと、同期の安河内健、中村日向、畑田汰一が参加して、原田を称えた。ん? 中亮太も同期だけど……。それはともかく、原田が着ているのは同期の木村颯さん追悼のTシャツ。早逝した仲間に捧げる水神祭でもあるのだ!

 2Rは尾上雅也が3コースまくりで快勝。上條暢嵩が前付けに動いてきても抵抗して3コースへ。これが正解で、S後手踏む内2艇を飲み込んでみせた。残念ながら事故レースだったのだが、しかし勝利は自力でまくって掴んだもの。だから喜んでよし! というより、土屋南や溝口海義也らの119期同期生がニッコニコで出迎えており、尾上も顔をほころばせて彼らに応えるのであった。

 そう、2Rは残念ながら中村かなえがフライング。さすがに落胆の表情を見せている。実は、展示から戻ってきた中村とたまたますれ違っており、中村のほうから「おはようございます」と声を掛けられている。そんなわけはないんだけど、俺とあいさつを交わしたせいか……と気になっちゃうんですよね……。中村は緊張感のなかでも礼を尽くしてくれたわけなので、なおさら。レースを控えた選手には声をかけないよう心がけているのだが、選手のほうから声をかけられて無視するわけにもいかんし……。

 2周1マークでは佐々木完太の転覆もあった。上條との2番手競りのなか、外マイに出ようとして今日になって吹くようになった強い向かい風にあおられるような格好と見えた。派手な転覆と見えただけに心配だったが、佐々木はなんとか自力でレスキューから降りている。ちょっと足を引きずり気味だったのは気になるが……。中村、佐々木ともに、残るレースでの健闘を願いたいところではある。(※佐々木は負傷のため帰郷となったようです)

 この2Rでは、高田ひかるがインからコンマ45のドカ遅れ。昨日の12Rでは6コースからコンマ01のスタートを決めて大まくり一撃。F2の身でキワまで踏み込んだことにファンは騒然となったわけだが、あれがあっただけに、さすがに前付けのあったインではスタート勘の修正が難しかったか。

 そんな胸の内がわかるからか、上條が高田に歩み寄って「ごめんな」と声をかけている。もちろん上條は勝負にいったのであり、逆に言えば高田のスタート遅れを引き出したのならそれも駆け引きのうちである。だから謝る必要は本来ないのだが、しかしそこはボートレーサー同士の仁義、でもある。高田はすぐに首を振って、スタート遅れの理由が前付けではないことを身振り手振りで伝えている。上條が、そうなんだ、と言ってこれでノーサイド。こうした展開の綾もまたボートレースの重要な側面なのである。

 で、これを書いている間に、3Rで竹下大樹がGⅠ初勝利! 昨日、大澤風葵の水神祭に巻き込まれて14万円のブレスレットを水没させた竹下、これで取り戻したね! 1着賞金は17万5000円であります。それもそうだが、念願のGⅠ初勝利も嬉しかっただろう。水神祭の模様は後ほど!

 そうそう、昨日の水神祭を欠席した野中一平。その理由を尋問(?)したら、「1便で帰っちゃってました!」とのことでした。1便出発は9R終了後、水神祭は10R終了後ですからね。もろもろの理由があって、帰宿は分散するように調整されている。整備や調整ならともかく、(支部や地区が違う選手の)水神祭に海パン&水中眼鏡で飛び込むから居残り、ってわけにはいかないのであります。うむ、これは仕方がない。でも「なるべく出席します!」とのことなので、後半レースに組まれたときにはまた盛り上げてくれるだろう。今日は……6Rか……。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)