BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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トーナメント開戦!の初日前半ピットから

 表紙記事に掲載した写真を見ればおわかりのように、空飛ぶボートは3艇ずつ運ばれてくる。つまり、レースが終わると1~3着艇が先に運ばれ、次いで4~6着が運ばれるわけで、これはトーナメントに置いては「セミファイナル勝ち上がり組」と「復活戦組」に分けられるということにもなるわけで。

 4~6着の選手は、先にピットに帰って装備をほどき、自分たちのボートが運ばれるのを長いこと待つ。なにしろ勝ち上がりできなかった面々なので、どうしたってその一群の空気は重くなる、という次第。特に6R1号艇で大敗してしまった中島秀治の渋い顔が印象的で、たかだか数分の待機時間もかなり長く感じられるのではないかと見受けられた。

 逆に、1~3着組には笑顔も多く浮かぶわけで。6Rを勝った坪井康晴は今日が誕生日。バースデーウィン! 同期の赤岩善生と笑い合い、また同支部の長嶋万記とも笑顔を交わす。誕生日に勝利をつかみ、それがこの超短期決戦で値千金の白星ともなっている。気分のいいお誕生日ですね。おめでとうございます!

 5Rでは石渡鉄兵が6号艇で3着。さすが江戸川鉄兵、6コースをしっかり克服した、と言いたいところだが、道中では稲田浩二に並ばれる場面も。そこからの捌きはさすがの一語だが、レース後の鉄兵さん、さすがに安堵の苦笑いなのであった。復活戦でファイナルへの道が残されているとはいえ、トーナメントで姿を消すわけにはいかなかった江戸川鉄兵。6号艇でこんなにもプレッシャーを感じたことはない、というレースだったようだ。

 7Rは島村隆幸が6号艇6コースから大まくり一撃! お見事! これを見ていた、やはり6号艇でトーナメントを戦う田村隆信が「誰?」とこちらの持っていた出走表を覗き込むと、「しまむー!?」と後輩の名前がそこに。隣でレースを見ていたJLC専属開設者の山口雅司さんが「先輩に、6コースからこうやって勝つんだって教えてくれた」と田村をからかった。たむちゃん、やっちゃいますか!? 戻ってきた島村は、そんな田村と笑顔で言葉を交わしていた。「次は田村さんの番ですよ」と言ったかどうか……。

 その7Rは中澤和志と赤坂俊輔が2番手争い。田村はそれを見ながら、「ここは大きいぞ!」と声をあげていた。そう、田村選手、よくわかってる! トーナメントは3着まで勝ち上がれるといっても、明日のセミファイナルで2着になったときのことを考えれば、ひとつでも上の着順を獲っておく必要があるのだ。それをわかっていたかどうか、競り負けた中澤はレース後に渋い顔を見せた。もちろん競り落された悔しさもあろうが、明日に目を向ければさらに悔しさがつのる……。(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)