BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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やっと晴れた! 表情も晴れやか!の3日目前半ピットから

 晴れました! 3日目にして、ようやく青空が見えたびわこボート。まだまだ雲も多いけれども、ピットに突っ立っているのがなんとも心地いい。びわこピットは屋根のない場所がけっこう広くあって、昨日までは雨にも負けずそこを通っている選手もいないではなかったが、今日はそこに立ち止まって会話を交わしたり、レース後のボートを青空の下に運んだりと、そのスペースが有効に使われている。ワタシもずっと太陽の光を浴びつつ、ピットの様子を眺めておりました。

 ボートリフトの一隅には「150m」という看板があって、つまり2マークの正面にリフトがある。屋根のないスペースはそこから奥のほうに広がっているので、ダッシュ勢の動きがよく見えるのですね。3R発売中に行なわれた5R組のスタート特訓もバッチリ見渡せて、高田ひかるが3カドから発進したのも間近に見えましたよ~。やっぱり晴天のほうが視界も広がるってわけですね。

 レースのほうはといえば、1Rで上田紗奈が田口節子を差し切って1着。いや~、出てる。畠山が昨日、早くも節イチに指名していた上田29号機だが、その評価に違わない足色であった。その手応えを感じているであろう上田は、快勝もあって、まさに太陽のような笑顔! 差した相手があの田口なのだから、喜びも倍増であろう。一方の田口はやはり表情が冴えないわけだが……。上田は11Rにも登場するだけに。快進撃なるかに注目しよう。

 2Rでは長嶋万記が4コース差し切り。小野生奈が2コースからツケマイを放ったが流れ、その展開をしっかりと捉えたものだ。ここまで苦戦気味の長嶋は、リングを換えての登場。それが実ったかどうかはなんともだが、悪い流れを断ち切れたことで安堵があったことだろう、やっぱりサンシャインスマイル!

 で、まったくサイドが掛からずに大きく流れた小野は、悔しがるよりも苦笑いを浮かべて、インの大豆生田蒼らとレースを振り返っているのであった。調整によるものか水面状況なのかは判然としなかったが、小野ほどの名手があれだけ跳ねまくったのだから、むしろ笑っちゃいますよね。

 そして、大外から展開を突いて3着浮上の佐々木裕美も「ラッキーでした」と笑顔! 6コースでは大敗も覚悟していたのかもしれないが、もともと足は上々。展開を捉えたのは決してラッキーだけではないだろう。それにしても、マスターズ世代目前となっても笑顔の素敵さは若い頃と変わらないなあ。

 と、ここまではたくさんの笑顔が見られたのだが、3Rは様相が違った。3コースからまくっていった櫻本あゆみにインの神里琴音が抵抗。もつれ合うようにターンマークに激突したのだ。その瞬間、ピットには悲鳴があがっている。両者ともに減速したのだろう、それほど強くターンマークに当たったわけではなく、二人とも完走し、ピットに戻ってもどこかを痛めた様子はなかったが、しかし神里の間際を他艇がすり抜けるような展開だったから、選手たちも我々も肝を冷やしたレースとなっている。

 ピットに戻ると神里が戦ったすべての選手のもとに駆け寄り頭を下げて回っていた。レースの綾ではあるし、インとしてはまくりに抵抗したくなるのは当然だとも思うのだが、やはり危ないシーンを作ってしまったと反省したのだろう、先輩たちにとにかく詫びていたのだった。そして最後に、師匠の渡邉優美のもとに向かい、渡邉もまた愛弟子を待ち構えていたようで、神里は頭を下げた。渡邉は二言三言と言葉をかけていたが、そのときの表情がなんとも慈愛に満ちていたのが印象的。注意的な言葉もあったかもしれないが、そこに愛情を注いでいたのは遠目にもはっきり伝わってきたのであった。師匠の言葉を受けて、反省すべき点は反省するとして、明日からも怯まず先輩たちにぶつかっていってほしいぞ、琴音ちゃん!(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)