カッコ良すぎ！ ２Ｒ、服部幸男が５コースからまくり一撃！ スタートを決めて一気に内を叩き切る、豪快かつ圧倒的なまくり一発だった。こういうレースぶりこそ服部幸男！
控室へと引き上げる途上、ちょうど江口晃生が控室から出てきた。服部の姿を見つけると、ガッツポーズ！ そして「やるねえ～～～～！」と嬉しそうに祝福の声を掛けるのだった。先輩からの絶賛に、服部の目が一気に細くなる。その笑顔がまたカッコ良すぎですよ！ 江口と別れると、「ふー、暑い暑い」と呟いて、その姿は貫禄抜群。やっぱりこの人はスーパースターだ！
と感動していたら、複雑な表情で守田俊介がとぼとぼと帰ってくるのだった。ドリーム戦は５コースまくり差しで快勝、連勝を期しての１号艇だったが、２着に残したとはいえ、まくりを浴びてしまった。そこまで落胆をあらわにするタイプではないが、やはり心中穏やかではないだろう。
さらに複雑な表情だったのは三嶌誠司。服部のまくりに乗って上位争いに加わり、３番手確保かと思われたのだが、同期の太田和美に競り負け４着。展開は向いたはずなのに、それを活かし切れなかったのは痛恨だっただろう。服部の笑顔が実に輝かしかっただけに、守田と三嶌の対照的な様子がかえって目に留まったのだった。
１Ｒ、ピット離れで１艇身ほど飛び出た石川真二は、スタート展示では２コースまで入ったのだが、本番は三角哲男に突っ張られて３コースまで。起こしの位置が変わったことが影響したのか、スタートで後手を踏んでしまっている。結果大敗で、進入から悔しさにあふれる一戦となってしまった。ピット工事中で撮影できる箇所が限られており、控室の前がその１箇所。つまり、控室前にはカメラマンが待ち構えている。それを意識したのか、石川は脱いでいたヘルメットをふたたびかぶってしまった。表情をカメラに収められたくない、ということだったのか。その動きが、石川の心中をあらわしていたのだ。
一方、インキープから逃げ切った谷村一哉はホッと一息だ。明るい表情で控室へと戻り、ＪＬＣスタッフに導かれて勝利者インタビューへ。と、その前に「ちょっと待ってて」と断わって、リフトのほうへと駆けていった。まだ戻ってきていない対戦相手に頭を下げにいったわけだ。それが石川真二。進入争いをした相手に、コース死守して勝ったからこそ、礼を尽くしたというわけだ。ガチンコ勝負だからこそ、レース後はそうしてお互いに敬意を表し合うというわけである。
さて、新モーター３節目ということもあって、整備が限られている今節。ひとまずギヤケース交換は許されているということは、初日に何人かが行なっていたので明らか（守田俊介もその一人だった）。今日は１Ｒで横澤剛治がギヤケース交換で登場。それがどこまで奏功したかは断言しにくいが、３着に入っている。
３Ｒでは地元の田村隆信がキャリアボデー交換で出走している。モーター本体ではない、いわゆる外回りの部分であり、モーター全体の下部にある部品（キャリアボデーの下部にギヤケースを装着）。このあたりの交換は今後も見られることだろう（と書いていたら、４Ｒの吉永則雄がその両方を交換している）。
部品交換等は制限されても、前検日の赤岩善生のように本体を割る選手もいる。今日は中澤和志が割っていた。遠目ではどんな整備なのかはまったくわからんのだが、点検も含めて、何らかの意図があるはずで、だからこそ中澤の今日の気配には注目したい。ちなみに中澤はボートごと整備室に持ち込んでいた。仮設整備室、けっこう広いんです。（ＰＨＯＴＯ／中尾茂幸 黒須田 ＴＥＸＴ／黒須田）
