BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――お久しぶりとこの間はどうも

 お久しぶりです、と丸野一樹。丸野と会うのは昨年のメモリアル以来。一昨年のグランプリ、トライアル2nd初戦のFで多くのSGを棒に振って以降、一時の勢いを取り戻すまでには至っていない現状で、なかなかSGのピットで顔を合わせることがかなわなかった。そういうなかでもファン投票で選ばれるのだから、マルちゃんのネームバリューは確固たるものとなっている。久しぶりのSGでも、やっぱり丸野の姿はSGのピットにハマっている。ここが居場所なのだ。

 菅章哉も、お久しぶりです、と声をかけてきてくれた。菅とは昨年のオールスター以来だから、まさに1年ぶり。菅は昨年の唐津周年で優勝戦F。そのペナルティで今年いっぱいはGⅠに出場できない。だが、SGは別! 今のところ権利はこのオールスターしかないが、優出すれば来年のグラチャン、いや、優勝すれば今年のグラチャンも! やっぱりこの男がいると、SGは途端にエキサイティングになる。今日の前検航走はもちろん、チルト3度で走っている。調整の時間があまりなく、回転がまったく合っていなかったそうだが、「これでコンマ30くらい差をつけられたらなあ」と笑った。菅の前検タイムは6秒60。2番手は田頭実らの6秒67。残念、コンマ07差かあ。しかし、まだ調整の余地があるということではある。回転がビタッと合ったらどんな足になるのか、おおいに楽しみにしていよう。

 一方、約1週間ぶりなのが、レディースオールスターに出ていた面々である。機力に泣いた宮島では冴えない表情を見せていた渡邉優美は、中1週間で切り替えて、今日は笑顔が満開であった。まあ、前検日ですしね。渡邉はこれが3回目のSG出場だが、過去2回で未勝利。まだ水神祭を果たしていないのだ。今回こそ、というわけで、前検からペラをがっちりと調整していた。まあ、彼女のスタイルではあって、SGでも女子戦でもそれを貫き通すということである。

 やはり劣勢モーターに手を焼いていた遠藤エミは、上野真之介と話し込む場面アリ。登番1番違いの同期生ですね。102期はほかに山田康二もいて、さらに同支部では頼れる馬場貴也先輩に後輩のマルちゃんもいる。今節はいろんな面で心強いことだろう。あ、守田俊介大先輩を忘れてました(笑)。今節の遠藤は、三島10基にも選ばれる53号機をゲット。それでももちろん、朝から試運転とペラを繰り返す毎日となるだろうが、前節ほどストレスなく戦いに臨めそうだ。

 前検航走の班分けは、ドリーム戦出走選手以外は登番順なので、同期が同班になるのは普通のこと。だから上野と山田だけでなく、同期生同士が話し込む様子はあちらこちらで見かけられるのである。銀河系軍団は森高一真と田口節子。以前、田口にインタビューした際に森高の話になり、「ああ見えて優しいんだよねえ」とお互い笑いながらうなずき合ったことがあった。同期だからコワモテの奥の人柄をよく知っているわけである。というわけで、ピットでは真剣な顔つきであることが多い田口が笑顔! やはり心安い存在がそこにいることは、心を柔らかくしてくれる。

 山口剛、長嶋万記の91期コンビも長いこと話し込んでいた。足色についての意見交換だったり、情報の共有だったり、あるいはアドバイスの送り合いだったり、同支部の仲間はもちろん、同期もまたおおいに話しかけやすい存在となっているだろう。あ、そうか、今日見かけたのは同期の男女コンビばかりだ。SGのなかでは出場選手が多いオールスターとはいえ、それでも女子は少数派。SG常連の同期がいるというのは、案外デカいことなのかもしれない。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)