BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――動き出しが早いかも!?

 多摩川といえば、鯉。観客席でも水面際に行けば、足元に鯉が優雅に泳いでいるのが見られるはず。ピットの奥のほうには鯉がたまっている場所があって、酔っていくとエサをもらえると思ってわらわらと寄ってきたりするのである。

 なぜエサをもらえると思っているのかといえば、選手や関係者がパンくずを与えてくれることがあるから。というわけで、今日パンをあげていたのは定松勇樹! 予選トップの若武者が、新開航とともにこうして鯉を愛でていたというわけなのでありました。これもリラックスするため? 鯉にエサをあげると勝利が転がり込むというジンクスも一部ではささやかれているようではあります。なお、篠崎仁志がチョコ味のコーンフレークをあげてました。鯉って、チョコ食べるの?

 定松は午前中は新兵仕事に飛び回っており、まだ本格的に始動はしていなかった。鯉へのエサやりはその合間のブレイクタイム。一方、同じ準優1号艇では宮地元輝は早々に水面にボートを降ろし、試運転を精力的に行なっている。また、やはり1号艇の森高一真は3R発売中に着水の準備を始めており、これを書いている頃には試運転を始めているかもしれない。1号艇がゆったりしているというのも5日目朝のよくある光景だが、定松以外は比較的早く動き出しているという印象。

 1R発売中に早くも下ろしていたのは井口佳典。係留所での回転調整を熱心にやっているようだった。毒島誠のボートが係留所にあったのはいつも通り。朝からボートを下ろし、試運転と調整を徹底的に続けるのが毒島のスタイルだ。ただ、1Rで椎名豊が落水してしまっており、2R発売中はその面倒をしっかり見ているのだった。

 2R発売中には末永和也が水面へと向かった。その前にペラ調整をしている姿があり、乗って感触を確かめて、さらに調整を進めることになるだろう。また、定松とともに新兵仕事に駆けまわる姿もあって、なかなか忙しい5日目の朝である。

 3R発売中に、磯部誠、桐生順平が相次いでボートを下ろしている。そう、まったくたまたまなんだけど、3R発売中までに11R組全員が水面に出たというわけである。いや、ほんと偶然なんだろうけど。でも、ピットで準優組の姿を追っていて、そんな偶然に気づくとちょっと嬉しいものなんです(笑)。

 足合わせを頻繁に繰り返していたのは瓜生正義と西山貴浩。12Rでは直接対決するふたりだが、調整の段階では同支部の先輩後輩。内外入れ替わって何度も並走し、お互いの比較も含めて、感触を確認しているわけだ。2R発売中のうちに、ふたりはいったんボートを上げて、装着場で新開航も交えてお互いの感想を述べあう。で、気づけば3R発売中も足合わせをしていて、いつの間に再びボートを下ろしたのかと、その素早い動きに感心。

 女子2人は、守屋美穂は1R前に試運転している姿を記者席から確認できていたが、1R発売中時点ではボートを上げており、ペラ室にこもっているようだった。浜田亜理沙も調整を熱心に続けており、3R発売中には着水準備をしていたので、昼頃には試運転をしている様子が見られるかも。

 ほかでは松井繁がペラ調整をしていたり、馬場貴也が3R発売中に水面に向かったりと、全体的に準優組の動きが数多く見られた5日目朝であった。寒暖計を見ると、気圧が上がって湿度が降下。昨日より回転が上がりやすい気候になっているので、そのあたりの調整をそれぞれしているのかも、と想像した次第でした。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)