BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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異例だったり初顔合わせだったりの前検ピットから

 異例の前検日なのである。江戸川は24場で唯一の河川コース。天候の影響を受けやすい水面だ。今日は強めの風、潮回りの関係で、午後は水面が荒れることが予想された。そこで、前検のスケジュールが急遽変更に。通常は、モーター抽選前に行なわれる諸注意のミーティングが日程のいちばん後に送られ、モーター抽選から即座のモーター受領、前検航走と、この一連の流れが前倒しとなった。さらには、スタート練習は中止。タイム測定だけが行なわれている(試運転は早めに着水した選手が短時間行なった)。まさに江戸川ならではの前検日、ということになる。

 養成所から教練課業などで統率した行動を叩き込まれているボートレーサーたち。こうした時間割の変更にも涼しい顔で対処して、キビキビと前検業務をこなしていた。今節の登番年少の3人――河内一馬、金子龍斗、樫葉新心は133期生。デビューから8カ月しか経験していない新人だから、こうした事態もおそらく初体験であろう。しかし戸惑うことなく、自分の、また新兵としての仕事を進めていく。こういうのも悪くない経験かもしれませんね。

 選手入り記事でも書いたように、特にルーキーズには初顔合わせが多いので、作業をしている選手を眺めていても誰が誰だか……状態で誠に申し訳ないのだが、一発で覚えてしまったのは鰐部太空海。顔というより、髪の色ですね(笑)。オフィシャルウェブで写真は見たことがあったが、印象よりもずっと精悍というかやんちゃな感じ。悪くない面構えだ。

 もう一人は、村松栄太。これまたオフィシャルウェブで写真は見ているが、実際に会ってみるとずっと兄貴によく似ている。そう、村松修二が栄太の兄! 胸のワッペンを見なくても「あ、村松くん」とわかったほどである。SG優出も果たした兄の背中はまだまだ遠いが、こういう舞台で目立って「村松弟」をおおいにアピールしてもらいたいもの。

 それにしても、若者たちは気持ちいいっすね。隅っこで突っ立って眺めていたら、津田陸翔がわざわざ近寄ってきて、挨拶をしてくれた。23歳の若武者に対して、恐縮してしまう50代半ばのオッサン……(笑)。

 その後も、横田海人、坂本雄紀、中野孝二、中山翔太らが次々と挨拶してきてくれて、オッサン感激! いや、実を言えば、登番ワッペンで初めて顔を認識したんだけど……(坂本はすでに認識してました)。いずれSGやGⅠのピットで会うときにも、よろしくお願いしますね!

 もちろん女子レーサーもこのハゲたおっさんに丁寧に頭を下げてくれるのであって、島倉都が実にはんなりと挨拶してくれて癒やされました。島倉は着々と勝率を上げつつあって、前期にはキャリアハイをマーク。江戸川ではまだ2連対もないのだが、今節でしっかり克服してもらいたいところ。

 これは入りのときなのだが、佐藤ほのかには「いつもテレビ見てます」と言われてしまった。いやいや、こちらこそレース見てますよ。江戸川での出走は、地元だから他の若手よりは多い。1着もある。まだ馴染みのないファンもいるだろうから、連に絡んだら好配当必至! おおいに名前を売ってもらいたい。

 そう、レディースvsルーキーズは、特にルーキー側に「若手で馴染みが薄い」という選手がいて、そうした選手をいかに連に絡めて召し取るかがポイント! 実は美味しい舟券の宝庫なのだ。皆さん、ご存じですか? 小林愛実は、現在全選手のなかで2コース逃がし率が最も低いんですよ! あ、愛実はマナミじゃなくてナルミと読みます。今日はそう染めぬかれたTシャツを着てました。ナルミさん、2号艇ではぜひ注目したいところ……えっ、いきなり明日の9R!?(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)