BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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丸亀メモリアルTOPICS 2日目

台風の準備<PART2>

 おとといより昨日、昨日より今日。じわりじわり、丸亀水面に台風10号の生っぽい息遣いが近づいている。追い風~向かい風~追い風と変に舞ってみたり、空が明るいのにざぁざぁ降ってみたり、きっと明日あたりから本格的な荒れ水面になるのだろう。
 ってなわけで、昨日の概論から今日はより実践的な「台風攻略法」を考えてみたい。まずは今節と似たような境遇だった6年前の丸亀メモリアルの詳細データをどーぞ。

★2018丸亀メモリアルのインぶっ飛びフェスタ

   1着選手  決まり手  3連単 配当  風
【初日】
2R③湯川浩司  まくり差し ③①④  3900 向4m
4R④萩原秀人  抜き    ④②① 19540 向2m
5R⑤西山貴浩  差し    ⑤①③ 23090 向1m
6R②田中信一郎 差し    ②①③  3720 向2m
9R③秋山直之  まくり差し ③①⑤  9220 追3m!
10R③山崎智也  まくり   ③⑥① 23090 追4m
【2日目】
2R②笠原 亮  まくり   ②⑤⑥  5330 向3m
3R②西山貴浩  抜き    ②⑤③  5280 向3m
4R④白井英治  差し    ④②⑤ 14440 追5m!
5R⑤山口裕二  まくり差し ⑤⑥② 32420 追6m
6R⑤桐生順平  まくり差し ⑤④② 13430 追6m
8R⑥毒島 誠  差し    ⑥①③  7890 右横4m
10R③中島孝平  まくり差し ③①④  4980 追5m
11R③西山貴浩  まくり   ③①⑤  3290 追5m
12R⑤茅原悠紀  まくり差し ⑤①②  5910 追6m
(翌日・中止順延)
【3日目】
1R⑤笠原 亮  まくり差し ⑤④⑥ 21180 追6m
3R④秋山直之  差し    ④②⑥ 12630 追8m
4R④湯川浩司  抜き    ④①⑥  3510 追7m
5R④毒島 誠  まくり   ④③②  4750 追8m
6R⑥柳沢 一  まくり差し ⑥⑤② 50480 追8m
8R②片岡雅裕  まくり   ②⑥③ 27050 追7m
9R②山崎智也  差し    ②⑤① 28460 追7m
10R⑤毒島 誠  まくり差し ⑤④⑥  4990 追5m
12R④峰 竜太  まくり   ④③②  1960 追4m
【4日目】
1R④片岡雅裕  差し    ④②①  4190 向4m
2R②篠崎仁志  差し    ②①⑥ 4990 向4m
4R③大池佑来  抜き    ③②⑤  9170 向3m
8R②毒島 誠  差し    ②①④  1440 追5m!
10R④菊地孝平  まくり差し ④③⑥  7780 追5m
【5日目】
9R⑥湯川浩司  まくり差し ⑥①⑤ 35650 向1m
【最終日】
3R⑥前本泰和  抜き    ⑥⑤③   590 左横2m
(①②④フライング欠場)

 中止順延の前後=2日目と3日目は【インコース3勝のみ!!!】というSGでは極めて珍しい現象が続いたわけだ。で、この異常な台風シリーズの結果を、いくつかの切り口で解析してみよう。

★インを倒した艇番

2号艇 7回
3号艇 6回
4号艇 8回
5号艇 6回
6号艇 4回

【解析】通常のSGでインが敗れるときは2号艇と3号艇のアタマ決着がやたらと多いが、このシリーズは外枠もガンガン勝ちまくった。主な原因は「風向も風速も時々刻々コロコロ変わってスタートの凹凸が半端なく、その凹みを突いてダッシュ勢も面白いように台頭した」ってな感じか。今節もスタート勘の強弱やフライング持ちの有無で、極端な凹凸がありえるだろう。たとえば「菊地孝平と外隣の選手」など、スタート巧者と外選手は積極的に狙うべし。

★インを倒した決まり手

まくり 6回
まくり差し 11回
差し 9回
抜き 5回

【解析】これまたスタートの凹凸次第、1マークの展開次第で何でもあり状態なのだが、こと5号艇が勝ったレースは6勝のうち5回が「まくり差し」決着。さらにその5回のうちの3回が⑤ー④決着だった。5コースのまくり差し巧者を探すのはもちろん、4カドから自力で攻めそうな4号艇を見出すのも忘れずに!

★インを倒した選手

4回=毒島 誠
3回=湯川浩司、西山貴浩
2回=片岡雅裕、山崎智也、秋山直之、笠原亮
1回=多数

【解析】圧倒的な強さで優勝した毒島はじめ、この節のパワー上位が並んだ気もするのだが、とりあえず今節も参戦している毒島、湯川、西山、片岡の4人は「嵐を呼ぶ男」として警戒しておきたい(笑)。

★インを倒した支部TOP6

①群馬支部 8回
②大阪支部 4回
 福岡支部
④静岡支部 3回
⑤福井支部 2回
 香川支部

【解析】おおっと、智也・秋山・毒島を擁した群馬支部がダントツ1位! 勝手にこじつけるなら「赤城下ろしの荒れ水面を走り慣れている面々だからこその固め打ち」かも??

★倒されたイン選手の3連対率

初日&4日目~最終日=77%
2日目と3日目=33%!

【解析】ちょいと興味深いデータ。台風の影響をガッツリ受けた2日目と3日目は、インが負けたのみならず、2/3のイン選手が4着以下に敗れ去った。一方、それより水面が穏やかだった他の4日間は、8割近いイン選手が負けながらも2、3着に残した。水面がかなり荒れたら「①の2着3着付け」なんてセコイ作戦を捨てて、思いきって切り捨てる作戦が有効かも?

 以上、ガチで役に立つかどうかは断言できないけれど、「台風が接近すれば、人気のインがぶっ飛んで穴党が儲かる!!!!」という推論に私なりの肉付けをしてみた。興味を抱いた読者におかれては、明日以降の丸亀水面とニラメッコしながら美味しい穴舟券を発掘していただきたい。もちろん、私も水面と出走表に目を光らせて、特大配当の⑤-④舟券で大儲けするつもりである。

強者の明暗

「好事魔多し」と人は言う。7月の大村オーシャンカップを制し、今節もトップ級の機力と思われた茅原悠紀がフライングに沈んだ。あるいは、トップ級の機力だからこその勇み足だったか。5Rの展示タイムは異次元とも呼ぶべき6秒74……スタート前に何度か上体を持ち上げてアジャストしたように見えたが、それでも間に合わなかった。順調なら間違いなくV争いに最前線を賑わせたであろう人機だけに、ガチで残念でならない。
 茅原Fにまつわる心配は、今節だけに留まらない。6月26日に続いてのFで2本持ちとなり、今後(年末)に大なり小なりの影を落とす可能性は高い。まぁ、起こったことは仕方がないので、まかり間違っても3本目を切らないよう、忍耐力と集中力をMAXまで高めてこの試練を乗り切ってもらいたい。ちなみに前回のFは尼崎グラチャンの2日目。SGの2日目茅原の何かを狂わせる魔物が潜んでいたのだろうか。

 それから、同じ5Rに参戦した②上條暢嵩も1周2マークのツッコミで不良航法マイナス10点を喰らった。まずは1マークで茅原の猛攻を徹底ブロック~共倒れのロスを取り戻すべく2マークでハッスルし過ぎたのが仇となったか。二次災害で片づけるべき反則ではないが、上條3号機も不気味なパワーを魅せていただけに残念すぎる減点だった。

 さらに、12Rで「ミスター丸亀メモリアル」毒島誠も不良航法をやらかすなどなど、強力なライバルたちが続々と脱落または黄信号を点すなか、恐ろしい勢いで勝ちまくる男ありけり。開会式で「ワーストエンジンなんで、チカラくださーーい!!」と顔をしかめていた男が、6時間後のドリーム戦を「まくられながら逃げる」というワケのわからん逆転劇(?)で勝ちきり、翌日は6コースから豪快なアウトまくり差し~俊敏な2コース差し抜けという大技連発で無傷の3連勝を成し遂げるとは、誰が思っただろうか。短時間でほとんどの部品を取り換えたため、どの部品がどんだけ当たって自称「ワースト」から互角以上に戦えるレベルまで急上昇したのか。実はそれほど上昇したわけではなく、あの凄まじいターンのなせる業なのか。正直、今の私にはよく分からない。明日になっても分かりそうにない。どなたか、この男の快進撃の“勝因”を教えてくださいっ!!(photos/シギ―中尾、text/畠山)