BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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断然人気37号機は太田和美!

(抽選前のつぶやき)

 去年の暮れからたっぷり使い込まれた桐生モーター。この中には1年近くも稼働して2連率54%という銘柄機=29号機が鎮座しているのだが……まずは今回も『BOATBoy』三島敬一郎の閻魔帳を覗いてみよう。

三島の桐生モーター上位評価10基
★★★37号機(50%)S  三拍子揃う快速機。特に直線系は文句ナシの足色!
★★24号機(45%) A  出足系がパワフル。出口から直線の繋がりも良好。
★★17号機(35%) A バランス型の足色で行き足・伸び強めの実戦型機
★☆29号機(54%) A? 前節の転覆で足落ちも、整備調整で戻るか?
★74号機(46%) B+ 出足は強力。行き足伸びも良いが男子の斤量で?
★25号機(31%) B+ 出足の掛かりが良く、引き波の上も軽快で上位級。
★27号機(37%) B+ 全て及第点以上の動きで、SG組の調整が楽しみ!
★43号機(37%) B+ バランス取れて実戦型の仕上がりで行き足は強め。
★48号機(37%) B  行き足は上位級だが女子が連続でペラ合うか心配。
★22号機(32%) B  乗り手次第でキッチリと仕上がる印象。出足系良好。

 そう、この29号機は前節ルーキーシリーズの金児隆太が2111着と凄まじいパワーでトップ街道を驀進したところ、予選ラストでまさかの転覆失格。三島同様、私の目にも翌日からの気配がガタ落ちしたように見えてしまった。杞憂であることを願うばかりだが、とりあえず誰が引いても前検の気配に目を光らせるとしよう。

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 数字的に準エース37号機のS評価はまったくもって異議なし。とにかく行き足~伸びがゴキゲンなので、軽量の大山千広が引いたりしたらどんだけ伸びることか。うーーん、想像するだに見てみたいぞ。抽選会場の片隅で、密かに念を入れてみよっと(笑)。
 で、BB誌で私が肝入り◎にした74号機の三島鑑定は「B+」まで。確かに、前節の野中一平の足色は「悪くはないが」という感じでイマイチ煮え切らないものを感じた。うーーん、10月の倉田郁美の凄まじい鬼足は女子ならではの“暴発”だったのかしらん? ちょいと不安になりつつ、もちろん明日から舟券は買い続けます!
 そうそう、今節はレディースチャレカも一緒で、こちらは残念ながら「余り物モーター」が主体となる。三島リストの中で女子組に回るとすれば、25号機&22号機あたりか。背比べをするドングリモーターたちの中で、この2基だけが突出した伸び足を魅せるかも??

(いざ、抽選会場へ!)

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 男子のスターレーサー33人と女子のトップレーサー21人が一堂に会した抽選会場。通常のSGとはまったく異質な、妙に艶やかなムードが漂う中でSGチームからガラポンが始まった。トップバッターは、すでにGP選考1位が確定している毒島誠。選手班長でもある毒島はポトリと落ちた玉を自分の指で摘まみ、自分の声で「ろくじゅうに」と静かに読み上げた。62号機は2連率33%。SG3連覇が懸かった毒島だが、その抑揚のない声から内面を読み取ることはできない。

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 で、他の選手の数字を読み上げる毒島の表情が劇的に変わったのは、太田和美がガラポンを回し終えた瞬間だった。
「おっ!!」
 目を真ん丸に見開いて、その玉をしばし凝視。それから1オクターブほど高い声音で、2桁の数字を読み上げた。
「さんじゅうなな!!」

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 やはり、地元のエースも37号機には一目も二目も置いていたようだ。引き当てた太田はその機歴を知ってか知らずか、毒島のリアクションに呼応するようにニンマリと笑みを返した。今節は浪速のモンスターまくりが炸裂することだろう。
 毒島が過敏な反応を見せたのは、後にも先にもこれっきり。中野次郎が2連率54%の29号機を引いても、チラリと次郎の顔を覗いただけで表情に変化はなかった。ただ、永井彪也が69号機を引いた直後に二言三言、ボソボソと彪也に何事かを伝えたのが少しだけ気にはなった。何を話したのかは聞き取れなかったが。
 で、私が密かに「37を引け」と念じていた大山千広は、すでに太田の手に渡ったから引けるわけもなし。今節のパートナーは、2連率34%の50号機(一応6優出1Vという実績あり)と相成った。この中堅機で歴戦の猛者たちとどこまで渡り合えるか。女王になってからの成長ぶりを、やんわり見守るとしよう。

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 SG組のガラポンが終わると、今度は20個の玉を詰め替えてレディース組にスイッチ。当然と言えば当然なのだが、切り替わった瞬間からSG組の面々は席を立ったり談笑をしたり、会場の雰囲気が一気に緩んだ。SGとレディースGⅡの境界線が、くっきり浮かび上がった気がした。ガラポンを回す女子レーサーたちも、実に淡々と作業を進行してゆく。余り物のモーターに、多大な感情移入ができるはずもなし。別次元の大会が混在するチャレンジカップならではの、ちょいと残酷な対比ではある。

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 そんなレディース組の中で、特筆すべきは「25」を引いた寺田千恵か。冒頭の三島鑑定トップ10の中で、この25号機だけがレディース組に回ったのだ(22号機はSGの坪井康晴)。さてさて、三島の鑑定がバッチリ当たるとするなら、今節のテラッチ25号機はSG級のハイパワーでV戦線をひた走ることになるはずなのだが、いかに??(photos/シギー中尾、text/畠山)

三島推奨10基のパートナー
★★★37号機(50%)S=太田和美
★★24号機(45%)A=田村隆信
★★17号機(35%)A=井口佳典
★☆29号機(54%)A?=中野次郎
★74号機(46%)B+=湯川浩司
★25号機(31%)B+=寺田千恵
★27号機(37%)B+=柳沢 一
★43号機(37%)B+=桐生順平
★48号機(37%)B=平本真之
★22号機(32%)B=坪井康晴