BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――新ボート

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 桐生は今節から新ボートとなる(モーターの切り替え時期と異なっている)。ということは今日の前検は、まさにまっさらな状態でどの選手も乗ったということ。ということで、何人かの選手から「新ボートの影響なのか乗りにくい」とか、「新ボートだからあまり差が出ない」というような声が聞こえた。差が出ない、とはどうやら直線のことのようだ。
 だというのに、明らかに直線で分が悪いと言っていた選手がドリーム組から2人。まずは柳沢一だ。そんなに素性が悪いのか、というと、そうではなさそう。体感や出足等はいいというのだ。直線で分が悪い理由は実は簡単。3節前に石川真二が乗っているのだ。つまり完全にピット離れ~出足仕様。その後に乗った選手もほぼノーハンマーだったそうで、バナレもしくは出足に寄せられているのである。というわけで、柳沢はギリギリの時間までペラ叩き。まずは自分の形にしてみてどうか、というところだろう。もっとも柳沢は「直すのは難しい」と苦笑いしていたわけだが(笑)。

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 もうひとりが毒島誠。地元SGだというのに、あまりよろしくないモーターを引いてしまった雰囲気だ。それでもあきらめずに立て直すのが毒島の真骨頂。記者会見が終わって整備室を覗くと、さっそく本体を割っていた。部品交換があったかどうかは、明日の直前情報を要チェック。毒島は自然体で、着々とパワーアップをはかっている。

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 本体を割っていたのはほかに赤岩善生。これはまあ、ある種のルーティンともいえる。前検で好感触の時には割らないこともあるから、やや分が悪いと感じての作業かもしれないが、赤岩の動きとしては特段珍しいものでもない。

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 興津藍も本体整備。同県同期の田村隆信がすでにグランプリ行きを決めており、ここで勝負駆けを決めれば一緒の舞台に立てることとなる。そのためにも機力向上は必須。ちなみに、馬場貴也が足合わせをしたそうで、馬場のほうが余裕がありそうだった、とのこと。馬場のモーターは前節で中田元奏が乗って、いい動きをしていた。興津のほうが分が悪かったのも致し方ないところで、上積みの余地はあるものと見たい。

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 37号機を引いた太田和美は、そうした選手たちとは対照的に余裕のふるまいである。早々にモーターを格納すると、ボートリフトにへばりついてエンジン吊りに専念だ。泰然自若モードの太田は、それ自体がすでに「エンジンが出ている」証である。何度ノーハンマーで過ごすのを見て、何度それで結果を出したのを見たことか。やはり評判機は評判通りの動きを、少なくとも今日は見せたのだと考えていいだろう。

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 女子のほうでは、寺田千恵が好機を引いたのはモーター抽選の記事の通り。それこそ新ボートの影響で乗りづらさはあったようだが、好機らしい感触は得られたようである。それでも寺田は緩めることなく、キャブレターの調整を行なっていた。妥協なくエンジンを出そうという姿勢はテラッチらしさである。2度目のレディースチャレンジカップ制覇、十分にあると見た。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)

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SG初出場の丸野一樹は、なんとなく緊張しているように見えます。初陣は1号艇。プレッシャーはねのけて水神祭なるか!