今日の超抜トリオは……??
初日の実戦を踏まえ、前検でのパワー診断を修正しておこう。今日のトップスリーはバレバレでも、羽野直也49号機＆魚谷智之36号機＆長嶋万記11号機。はい、前検で値踏みを下げていた３基であります。すいまっせん!!
まずは羽野49号。このモーターはＢＢ誌でも「スリットからの行き足がゴキゲン」と大いに注目していたのだが、昨日のスタート特訓の１・２本目がありえないようなドカ遅れだったため、「ちょいと出足系統に難があるのでは？」と勝手に思い込んでランク外にしてしまった。一夜明けてオープニングレースを見たらば、杞憂も杞憂。３コースのスロー起こしからスムースに出て行ったし、そこから先はもう恐るべき鬼足！ これぞ49号機という行き足で内の２艇を置き去りにし、伸びなり一気にまくりきってしまった。
しかも、背後に迫った相手が田村隆信16号機（＝昨日のトップ指名）というのがミソ。絶好のチャンスとばかりに２艇のボートチェイスを凝視したところ、直線足は明らかに羽野が上回っていた。サイドの掛かりは田村にやや分があったと思うのだが、パンチ力も含めた総合力で羽野に軍配を上げたい。５コースのダッシュ戦でも、ゴキゲンな行き足～伸びを見せていた49号機。１マークは展開に恵まれず３着止まりだったが、「５コースからの３着」がなんだか物足りなく思えるほどの足色だった。このストレート足を維持できれば、明日以降も羽野は自力で攻めるだろう。外の選手の突き抜けも含めて、常にレースのキーマンとして念頭に置いていただきたい。
続いて魚谷36号機。ＢＢ誌で「エース16号機を圧倒するパワー」として◎を打ったにも関わらず、前検ではＡランクの次点扱いにしてしまった。その背景には「２節前に新ペラ交換→持ち前のストレート足がやや劣化」という布石（先入観？）があったのだが、今日は改めて36号機の底力にひれ伏した。
３Ｒは２コースから一撃の差し抜け。10Ｒは影をも踏ませぬ完璧なイン逃げで、ピンピン連勝発進。１・２コースの今日は伸び足よりも出足系統が必要な２戦だったわけだが、起こしからの加速が力強く、ターン回り＆出口から押して行く足もゴキゲン。出足系統は文句なしの「今日イチパワー」だったと思う。で、外枠が与えられる明日からは、私が懸念していたストレート足が物を言う。予断は許さないものの、展示タイムや上がりタイムも含めて十分に戦えると思っている。
そしてそして、驚くべきストレート足を魅せたのが長嶋11号機だ。前検では「伸び足が光った」と記しただけだったが、７Ｒの実戦足はピッカピカ！ ３コースのスリットほぼ同体から１艇だけがグングン前に突き進み、イン篠崎仁志と２コース井口佳典のど真ん中を余裕たっぷりに突き抜けてしまった。正直、相手関係からして「３コースまくり差しは難しいな、万記が勝つとすれば一撃まくりか」などと侮っていたのだが、本当に素晴らしい割り差しだったなぁ。万記11号機には、是非ともこの超抜パワーを十二分に生かしきって、去年のクラシックに続くＳＧ予選突破＋αを成し遂げてもらいたい。
他の女子レーサーについても触れておこう。前検Ａランクの海野ゆかり50号機は２コースで４着だったが、その実戦足はやはり強力だったと思う。１マークで後手を踏み道中５番手に喘ぎながら、先行する馬場貴也を追い抜いた足色はウムムと唸らせるものがあった。50号機本来のスーパー伸び足を考えればやや物足りない気もするが、ペラを合わせ切れば軽量も含めて絶対に伸び足が来るはずだ。展示タイムにも注目しつつ、随所に一撃の穴を狙っておきたい。現状はＡランクまで。
Ａランクにはやや届かないものの、小野生奈のレース足も軽快だった。私が期待していた森高一真にも競り勝っていたし、このレベルの足があれば今の生奈なら誰とでも対等に渡り合えるだろう（←嗚呼、こんな言葉を平然と書く日がくるとは……）。それから、重い着を並べた遠藤エミと細川裕子はパワー的にやや劣勢で、このままの足では予選突破はかなり難しいと思う。
さてさて、前検のＳランクに指名した田村16号機と西山貴浩15号機も、もちろん十分に優勝を狙える足色ではあった。ただ、今日はペラを合わせきれなかったか、昨日よりも全体的に重い雰囲気を感じたのでＡランクとしておきたい。今日は２着で800倍の片棒を担いだ森高もＡランク据え置き（無理だけど、アタマで突き抜けて欲しかった……）。
ひとり、なんとも不気味なのが平尾崇典４号機で、伸び足だけが強烈にパワーアップした感がある。その分、回り足などの出足系統がかったるいのだが、最近の平尾はこのパターン（別名「坪井パターン」）が多く、いつでもスリット一撃のまくりには警戒しておきたい。
初日の独断パワー番付
Ｓ級…羽野直也49号機、魚谷智之36号機、長嶋万記11号機
Ａ級…田村隆信16号機、西山貴浩15号機、海野ゆかり50号機、森高一真34号機、吉田拡郎27号機、飯山泰45号機
（text/畠山、photos/シギー中尾）
