BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――達也連勝!

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 山口達也が初日連勝発進! 9Rは4カドの原田幸哉に叩かれる展開で、展開に恵まれた部分もあったにせよ、最内をうまく差して勝利をもぎ取った。勝利者インタビューから帰った直後に顔を合わせると、山口はニッコリ! 機力的にも手応えがあるようで、右手で地面と水平に弧を書きながら「こっちもいいし」と言い、続けて右手をまっすぐ伸ばしながら「こっちもいい」と言った。つまり、ターン足も来ているし、直線の足も来ている。旋回も伸びもどっちもいい! これは明日からの戦いがさらに楽しみになってきた。山口達也、ここにありを見せつける一節になるかもしれない。

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 その山口を祝福してた前田将太。その前田も7Rをツケマイ快勝! 初日を好発進とした。「自分でも驚きましたよ」とおどける前田だが、その表情には勝った喜びと好感触を得た充実感が漂っていた。もろもろの繰り上げで出場権を得た前田は、それだけでもツキがあると言える。そして初日快勝だから、一気に流れに乗っていっちゃうかも! 明日の5枠をうまく乗り切れば、台風の目になれる可能性はおおいにある。

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 8Rは馬場貴也がカドまくり快勝だ。差し、まくり差しが主武器の馬場だが、4コースはまくりもあるんだよなあ。というのはともかく、こちらも気持ちいい勝ちっぷりに目を細めていた。それでも、油断することなく、その後はたっぷりとプロペラ調整。まだ満足し切ってはいないようだ。昨年のダービーでは、目の前で守田先輩の優勝を見て感激したという馬場。その帰りに守田から「おまえにも必ずチャンスは来る」と言われて意を強くし、そのすぐ後のチャレンジカップを優勝している。ひとつの節目から約1年、ここでもうひとつステージを上げたいところだろう。

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 初日に走ってみて、逆に感触の悪さに顔をしかめる選手もちらほらと。それこそ、カドからスタートでのぞきながら攻め込めず、結果を残せなかった原田幸哉は冴えない表情だ。レース後はすぐにキャリアボデー交換。さらにプロペラ調整に取り掛かった。途中、菊地孝平に相談を持ち掛ける姿も。菊地は自艇のもとに原田を連れていき、操縦席のあちこちを指さしながら、原田に説明をしていた。乗り方の相談だろうか?

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 萩原秀人も8Rのレース後に本体整備だ。整備士さんと会話をしながらモーターを分解。アドバイスを求めたというところだろう。明日の登場は1R。それを知ってか知らずか、整備に励む萩原。明日はレース前に整備に費やす時間が短いから、今日のうちにメドは立てておきたいところだ。

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 ペラ室は満員御礼状態。レースを終えた選手たちが、さらに調整を加えている姿が目立った。そんななかに、あ、桐生順平がいる。瓜生正義もいるぞ。井口佳典もいるじゃん。あ、ブスちゃんも。ん、山田康二だ。およ、元志もいるじゃないか。と、ドリーム組の全員の顔もあったのだった。これが10R締切直前のこと。10Rが終わればボートをピットに移動しなくてはならないから、まさにギリギリまでの調整をドリーム出走の全員がしていたことになる。今日は昨日よりも気温が上がり、手探りだった前検とはまた気配が変わってきていたようである。それもあって、直前までドリーム組はペラと向き合ったというわけだ。そのドリームは桐生が逃げ切り。毒島誠がピット離れで脅かしたが、足合わせでそんな気配を感じていたというから、慌てず騒がずのイン主張。調整がある程度間に合ったということでもあろう。今日のペラ調整→ドリームのレースで見えた課題をもとに、ドリーム6人ともが明日もまた調整に勤しむことだろう。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)