BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――初日!?

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 初日だろうか、というほどに、なぜか閑散としていた午後イチのピット。係留所はほとんどが埋まっているのだが、陸の上の動きは驚くほど少ないのだった。SGとGⅡの違い、などと言うつもりは毛頭ないが、つい2週間ほど前に瀬戸内海の対岸で実に慌ただしい初日の朝を見ていたので、その光景はちょっと不思議なのだった。1R発売中に整備室にいたのは峰竜太だけ。ただし本体整備ではなく、リードバルブ調整のようだった(かなり遠目なので、推測が混じっております)。
 その峰竜太、整備室に入っていくときにすれ違ったのだが、向こうからこちらに会釈をしてきたものの、顔つきは完全に心ここにあらず。人となりと事情を知らなければ、スカしてるのかと思うところだが(笑)、頭の中は調整の方向性をどうするかで一杯なんでしょうね。ハゲデヴの姿が目に入っていただけでも、まだ周りが見えているほうではないかと思います。

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 気になる毒島誠は、プロペラ調整室に姿はなし。叩くにせよ叩かないにせよ、本格始動はまだ先になりそうだった。2Rのエンジン吊りは、情勢を見極めて守田俊介のもとへGO、近畿が3人出走していたので、手薄だったのだ。毒島が守田のボートを拭いている場面はなかなかレアだ。

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 ペラ室も、決して満員御礼といった感じではなかった。まあ、水面に出ている選手が多かったことも関係しているだろうか。出入口の手前、すなわち遠目でもよく見える場所で叩いていたのが、我らが飯山泰。昨日も前検航走後にペラ室にこもっていて、彼らしいストレートの足を引き出そうと調整しているのであろう。過去2回は不本意な結果に終わっているこの甲子園、今年こそ信州魂を炸裂させてほしいなー。

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 ペラ室の外に設けられている臨時調整所では湯川浩司が調整。そこは、SGでも銀河系軍団が叩いている場所なのであります。今節は85期は一人だけなのだが、やっぱりそこが叩き場所になるわけですね。コメントによれば、出足型に叩くとのことだった。伸びじゃないのかー。どんな仕上がりになるのか、注目しよう。

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 本家甲子園も開会式直後の初日第1試合は注目度が高いわけだが、今日の1Rは茅原悠紀が差し切り快勝! 岡山県代表がオープニングを飾った。ちなみに、第1回は宮崎県代表・池永太、第2回は東京都代表・永井彪也が初日1Rの勝者でありました。池永は第3回大会も1R出走となり、3着でしたね。

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 茅原はわりと表情を変えていないレース後だったが、悔しそうに顔がゆがんだのは片岡雅裕。地元甲子園の初日1R1号艇だもんなー。関係者の期待がビンビンに伝わる番組で、しかし差し切られて痛くないわけがない。レース後はさっそくギアケース調整に取り掛かり、ボートには試運転用の艇旗がついていたことから、今日はさらに調整と試運転が繰り返されると思われる。

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 さて、今日は干潮が14時47分で、1Rの時間帯。このあとはレースごとに潮が満ちていくことになる。丸亀水面は、満潮に向かうときには2マークから1マークに潮流がある、いわゆる追い潮状態となり、スタートが難しくなると言われる。というわけで、レース前の整列場所からピットに向かう渡り橋の入口付近に、写真のようなパネルが置かれていて、選手に注意を促している。もちろんフライング防止の意味もあるだろうが、選手にとってはいいスタートを見るための参考にもなるものだ。

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 で、干潮時は当然、潮が低くなるわけで、係留所と陸を結ぶ渡り橋が実に急勾配。陸側からは係留所をかなり下に見下ろすかたちになるのである。ということは当然、係留所から陸に上がる場合は急坂を登ることになるわけですね。これ、キツいなー。特に今日みたいな蒸し暑い日は。試運転を何周も走って、ペラ調整に向かうためにこの渡り橋を登り切った松井繁でさえ、顔をしかめて息ハァハァ。王者も苦笑いする急坂なのであります。もちろん、この坂を登りたくないから試運転には出ない、なんてことはありえないのがボートレーサー。潮が低かろうが高かろうが、この橋を何度も往復して、万全を期すわけである。(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)