BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――ほぼギリペラ

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 いやはや、毒島誠、出てますねー。レース前の毒島はといえば、今日もしっかりペラ調整。いつも通りのギリペラとまではいかなかったけれども、12R出走組のうち4艇が展示ピットにボートをつけても、まだペラ叩き。当然というべきか、あまり強く打ちつけてはいなかったが、慎重に、丁寧に、ゲージをいくつも当てながら、調整を続けるのだった。その姿は、64号機をまだまだ出してやる、といった雰囲気でもあったな。ドリームはバナレでイン獲って逃げ切り快勝。明日も同様の動きで、さらにさらに上向かせようとしていくのだろう。

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 ほぼ同じタイミングまでペラを叩いていたのが平本真之。ただ毒島と違って、こちらはこのままではまずい、という雰囲気なのであった。毒島から数m遅れてペラを装着しに向かった時の顔つきもまたカタい。ドリーム戦は結果6着で、努力は実らなかったと言うべきか。明日も忙しい一日になるかも。

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 で、大整備を施してドリームに臨んだ峰竜太は、インを奪われるわ、毒島にも2着の白井英治にも突き放されるわ、最後は吉川元浩にハナ差まで迫られるわ、どうにも厳しい3着であった。ピットに戻ってからの足取りが重く見えたのは、気のせいか? なにしろ、10R発売中のペラ調整時、周りに話しかけられても深刻な表情で、苦悩がうかがえたのだった。このまま終わる男とは思えないけれども、そのためにも明日もまた多忙な時間を送るしかないだろう。

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 11Rは松井繁が逃げ切り。まあ、いろいろ語らなくても、この笑顔を見ていただければ、レース後のテンションの高さがおわかりいただけるだろう。前半5R後も調整に励み続けた王者は、手応えは一息というのだけれども、内枠デーを3着、1着でなんとかまとめた。安堵の思いもあったかも。何であれ、王者スマイルを見るのはなんだかんだこちらもハッピーではありますね。

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 10R、1マークはツケマイで見せ場を作った飯山泰だが、2マークでは差し狙いが内から小回りで上位浮上を狙った萩原秀人の航跡と重なるかたちになり、弾かれるかたちで後退してしまった。うーむ、残念。つーか、悔しい。しかし、ピットに戻ると飯山はすぐに萩原のもとに駆け付けて、頭を下げた。もちろん捌きミスという部分もあるだろうが、そらもう信州人としては、ハギちゃんやめてーっ!というシーンでもあったわけですよ。それでも自ら頭を下げる飯山。ほんとねえ、信州人は謙虚なんですよ、ほんまに。俺もすぐにいきり立つのはやめよう……というのはともかく、先輩から頭を下げられて萩原は恐縮。甲子園っぽくいえば、塁上で交錯プレーがあってもつれたがすぐに握手、って感じかな。もちろん長野と福井に禍根はございません!

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 ところで、前半に干満のお話を書いたが、今日の満潮は21時58分ということで、終盤はかなり潮が満ちてきた状態で行なわれている。菊地孝平が「うねってる……」と呟いていたものだが、なかなか厄介な水面になっていたようだ。で、写真は1R発売中と11R発売中の渡り橋の写真。11R発売中にはもう、ほぼ平坦になってる。これなら陸に戻ってくるのもラクチンですね。歩いているのは展示ピットにボートをつけて待機室に向かう平本真之です。

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 今日のレース後試運転は10R発売中まで。この時間まで走っていたのは4人で、まず鹿島敏弘。真っ先に切り上げてボートをあげた。鹿島のエンジン吊りが終わった頃には、金子和之も試運転終了。陸では素早くエンジン吊りが行なわれている。それがまた終わった頃に、今度は中山将太が切り上げて陸にあがってきた。このときには、エンジン吊りに参加する選手が増えている。試運転を終えた選手に気づいて駆け付ける選手が増えたってことですね。中山のエンジン吊りが終わって1~2分、最後に陸に戻ってきたのは門間雄大。今節、伏兵と目される面々が蒸し暑いなか必死に走っていたわけですね。

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 で、この4人のエンジン吊りにいちいち出てきて参加した唯一の選手が、長田頼宗! 整備室で調整もしくは格納作業をしていたようなのだが、鹿島があがってきて駆け付け、また整備室にもどって、金子があがってくるとまた駆け付け、また整備室に戻って……と4回繰り返したわけです。4人は全員が後輩。エンジン吊りに参加していた選手たちを見渡すと、そのなかで最も先輩なのが長田。うーん、素敵な先輩! 目配り気配りができる人なんですね。ご苦労様でした!(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)