BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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蒲郡メモリアルTOPICS 3日目

天下分け目のリターンマッチ

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 昨日に続いて今日3日目も、1Rから「まくりの手筒花火(豊橋名物)」が惜しみなく打ち上がった。オープニングは松尾拓62号機の2コースジカまくり。松尾は6Rでも4カドから確かな足取りで2着に入線しており、やっとエース候補・62号機の片鱗を見せはじめたか。4412着とリズム&パワーアップで、明日の【8R3号艇】が楽しみだ。

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 続く2Rは、5コース大池佑来が気合パンパンの絞めまくり。この猛攻はイン磯部誠にブロックされて万事休した(6着)が、アウト6コースから連動した超人気薄の長田頼宗が怒涛のマーク差し一撃。東京支部コンビの連携プレイは、3連単の節イチ配当49490円を生み出した。

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 まくりイン飛びの流れは続く。3Rは⑥馬場貴也の前付けを受け入れた③深谷知博が、4カドからシャカリキの絞めまくりを決行。結果として④中島孝平のマーク差しを喰らったが、昨日から大量発生している【まくり=マーク差し】をまたまた実現させて3連単25450円の大穴を演出した。昨日から、①以外の隣合わせ決着が飛び出したか、マジで数えきれないぞ!

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 5Rはちょいとレアケース。⑤今垣光太郎がアウト6コースの単騎ガマシから、もはや伝統芸能の「超高速震動シャクリ絞めまくり」で内へ内へと侵略。これを許すまじと内から菊地孝平が艇を合わせて猛反発したらば、ツープラトンまくりのような非常事態が発生。結果、モーゼの十戒の如くに内水域が開放され、まくり差しに切り替えた今垣が悠々とそのど真ん中を渡り歩いた。自力のようで他力、他力のようで自力のアウトまくり差し一撃。もはや今垣光太郎51歳は、ユダヤ教の預言者モーゼの領域に達したとお伝えしておこう(笑)。

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 で、折り返しの後半7Rでも、ちょいとレアな光景が出現した。前半2Rでも大暴れした②大池佑来が、⑥松井繁の前付けを許容したのみならず、3カドに引いて痛烈なしっぺ返しアタック。松井はF2持ちだからして、この奇襲に逆らいきれない。コンマ17が精一杯だった王者を、3カド大池はコンマ09で軽々と叩き潰し、そのままインの守田俊介まで呑み込んだ。超激辛の「オヤジ狩り」ではあったな(笑)。
 今節の大池に対しては「平和島周年記念を制した栗城匠のほうが適任では?」などという口さがない意見も飛び交ってようだが、今日の【5コース特攻まくり&3カド一撃まくり】のド派手な猛攻をもって、そのイケズな論争に終止符が打たれた、とお伝えしておきたい。初日から6261着というピンロクモードで準優の可能性を残した大池。明日は待望の【3R1号艇】で、初の予選突破にチャレンジだ。果たして1着=6・00を取りきれるか、東都代表の意地とプライドに注目したい。

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 さてさて、9Rも昨日からの「まくった差した」流行モード決着だったのだが、このレースにはより大きなスポットライトを当てるべきだろう。3日後のファイナルに多大な影響を及ぼすカードなのだから。

9R
①前本泰和
②白井英治 暫定トップ
③石渡鉄兵
④原田幸哉 暫定2位
⑤瓜生正義
⑥池田浩二 暫定5位、地元の絶対エース

 右のミニコメだけで、この3日間のメインレースであることは一目瞭然。初日からトップをひた走る白井としては、4連勝はともかく幸哉に先着してポイント差を拡大しておきたい。逆に幸哉は外コースからこの「目の上のタンコブ」を叩き潰し、同時に暫定トップの座を奪いたい直接対決だ。もちろん、この両雄が大競りなんてことになれば、漁夫の利で池田が勇躍トップに君臨する可能性も秘めている。

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 いざ実戦。この天下分け目の関ケ原バトルは、枠なり3対3のスリット隊形でほぼほぼ雌雄が決した。白井のコンマ14はじめスロー3騎がコンマ10台の半ばだったのに対し、4カドの韋駄天・幸哉はコンマ06!! ただでさえ節イチ級の伸びを誇る72号機が、このスリット隊形で黙っているわけがない。幸哉が舳先を左に傾けると、戦前2連対率31%の隠れエース機は唸りをあげてライバルの白井72号機らをものの数秒で引き波にハメ込んでいた。昨日の直接対決のリベンジ、成功!
「今日はスタート勝ち。百点満点のスタートが行けたから勝てた。それだけです」
 レース後の幸哉は息を弾ませながらこう言ったが、この男にはいつだって唯我独尊の馬鹿っ早いスタートがある。その最大の武器を72号機が後押しするのだから、破壊力は推して知るべし。明日の幸哉は【7R3号艇】の一発勝負。たとえば2号艇のF2松井繁をスタートで凌駕するようなら、予選トップの座に大きく近づくことなるたろう。

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 幸哉72号のハードパンチで引き波に沈んだ白井は、混戦から3着を取りきるのがやっとだった。今節はじめての黒星で昨日までの貯金を使いきり、幸哉と同率ながら着順の差で2位に後退。明日の白井は【6R6号艇・10R3号艇】というなかなかにハードな枠番が残された。
 体感温度的には3号艇のみの幸哉が圧倒的に優位か。ただ、自力トップの権利は白井が握っており、ピンピン連勝なら文句なし。相棒の57号機がセンター筋から出力最大モードに突入すれば、トップ返り咲きは普通にありえると思うのだがどうだろう。幸哉72号機とは1勝1敗。選手の白黒のみならず、57号機vs72号機の節イチ決定戦もまだまだ決着はついていない、とお伝えしておこう。

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 そして、このレースでV争いから一歩後退したのが地元の絶対エース池田浩二だ。道中、白井や前本との熾烈な3着争いで、明らかなパワー負けを喫した。激痛の5着で暫定11位までランクダウン……初日からさまざまな部品を換えて中堅上位あたりまでアップしたと見ていたが、昨日に続いて白井57号機との差はケタチすぎた。その印象は昨日より色濃く、35号機の素性の粗悪さが再び頭をもたげたか。明日の池田は【5R2号艇・11R4号艇】。予選トップ云々はさておき、相棒のゴキゲンを伺いながら準優好枠を目指す重要な2戦に立ち向かう。(photos/シギー中尾、text/畠山)