BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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優勝戦 私的回顧

オヤジ族の大逆襲

12R優勝戦
①原田幸哉(長崎) 04
②平本真之(愛知)   09
③白井英治(山口)   12
④池田浩二(愛知)   14
⑤濱野谷憲吾(東京)13
⑥丸野一樹(滋賀)   13

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 76期の45歳、原田幸哉シン名人が12年ぶりのSGタイトルをかっぱいだ。112111①の準パーフェクトV。「かっぱいだ」という言葉が相応しい圧倒的な優勝だった。
 今日のレース内容について書くことは少ない。幸哉が強すぎて淡白な123ダァ決着だったから。

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 レース以前に、ボートレースファンにとっての大きな興味は「白井が引くか引かないか」だったか。今日は9Rの茅原悠紀が不発~直前11Rの羽野直也が豪快なまくりを決めた3カド攻撃。嫌がうえにも、このテーマは観衆の脳裏を駆け巡ったことだろう。

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 ファンファーレが響き、ゆったりとした待機行動が続き、3コースの白井が微動だにしなかったとき、スタンドのあちこちから「引かない!」「引かないんだ」「スローだ」「やらんのか」など驚くほどの声が耳に届いた。白井のアタマ舟券だけを買っている私も周囲と同じセリフを心の中でつぶやいたが、白井の選択はスロー3コースだった。

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 穏やかな枠なり3対3でたっぷりの助走を得た幸哉は、今日も怯むことなく突き進んだ。コンマ04。レース後に「いままででいちばん完璧なスタートだったかも」と振り返ったから、ほぼ全速でもあっただろう。初戦からのタイミングは【13・11・08・06・06・05・04】。45歳にしてこの集中力、この動体視力! ただただ絶賛するしかない。

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 そして、この絶品スタートを強力にサポートしたのは、72号機の卓越した出足~行き足だった。つい1カ月ほど前まで2連対率20%前後、今節の出場すら危うい数字だった。が、その時期にはすでに高橋アナが惚れ込み、三島敬一郎がA+と鑑定したモーターは、期待に違わぬ超抜パワーを魅せつけた。このパートナーがあればこその準パーフェクト。

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 余談だが、当シリーズの裏開催・児島ではエース36号機がデビュー1勝の新人・濱野斗馬の手に渡るや、初日から破竹の4連勝と大暴れ。幸哉と新人を一緒くたにするのは失礼ではあるが、モーター競技の奥深さというか、人機の出会いがとてつもない化学反応を起こすという事実を同時多発的に痛感した次第だ。私が勝手に惚れ込んでいた57号(幸哉72号機に唯一土をつけたモーターではあるw)を最終的に寄せつけなかった72号機、次節以降も覚えていて損になることはないだろう。

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 さてさて、6月グラチャンは49歳の前本泰和~7月オーシャンカップは47歳の濱野谷憲吾~今節が45歳の幸哉……と、よく言えば名人世代、普通に言えばオヤジ世代が「真夏の大冒険」をやらかした2021年。幸哉の舟券は蹴とばした私ではあるが、こうした流れは頼もしいというか心強いというか、とにかく還暦ジジにとっては嬉しい限り。

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 次のダービーは流れ的に43歳?などと寂しいことは言わず、このまま50前後のオヤジ軍団がもっともっと大暴れして、今年のグランプリをオヤジ色に染めてもらいたい。それには、ダービーで起死回生の逆転を狙う王者・松井繁51歳やシャクリまくり教祖・今垣光太郎51歳、個人的には守田俊介46歳などの存在も欠かせないところ。松井からはダービー表彰台のど真ん中で「男は50を過ぎてから」という名セリフを聞きたいぞ!(笑)
 GP決算の11月末まで3カ月、ダービーもチャレンジカップも古豪が制して「オヤジ軍団のSG5連続V」というミラクルを起こしてほしいと思うのは、還暦ジジの私だけだろうか。(photos/シギー中尾、text/畠山)